ART 2021.09.23

オークランドの写真家、ワード ロングの写真展『Summer Sublet』が開催。築100年の家での共同生活、美しきフォトストーリー

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

カリフォルニア州オークランド在住の写真家、ワード ロングの写真展『Summer Sublet』が、幡ヶ谷gallery communeにおいて9月24日より開催される。

ひょんなことからモンゴメリーストリートにある築100年の家にアリス、ハンナ、サラ、ビアンカ、ケイトと同居することになったワードが体験した、ひと夏の物語が写真で綴られる本展。〈Deadbeat Club〉から出版されたワードのデビュー作『Summer Sublet』は、Lenscratch、American Suburb Xといったアートサイトにおいて2020年のベストフォトブックのひとつに挙げられており、その美しきフォトストーリーを堪能したいところだ。

住む家がなくなった時、友人のアラがモンゴメリーストリートに部屋があるかもしれないと言ったので、アリス、ハンナ、サラ、ビアンカ、ケイトと一緒に引っ越しました。私には女兄弟がいなかった為、自分だけ男性であることを不釣り合いに思い、最初は自分の部屋に隠れて、気配を消すようにして過ごしていました。

彼女らはみんなで料理をし、お茶とチンキ剤を混ぜて裏庭で布を染め、子供たちの演劇の衣装をデザインし、歌や詩を書き、深夜にタトゥーを入れ合い、アクセサリーを交換していました。また時にはタロットで占い、オーラについて話し、ホロスコープを描いたりする一方、地下室にはオフロードバイクを置いていました。私は毎日の身体的、感情的な親密さに完全に圧倒されました。寝る前にみんなが互いに「愛してる」と言った最初の夜を今でも憶えています。

やがて、壁に掛かった絵や足のタトゥー、ノートのらくがき、写真の中のポーズなど、全てが渾然一体となり、ぼやけ、滲み出しはじめました。それはおとぎ話の世界にいるような感覚で、現実だとは到底信じられませんでした。思いやりのある触れ合い、心の開放、愛情の恥じらい、気遣い、そして雑然としたもの、全てが美しかったのです。
私は決してここから離れたくありませんでした。

サマーサブレットは女性たちとの生活、女性の友情、路上で見つけた家具、そして若さの輝きと衰退についての物語です。
今なお、そこに『君』もいたら良かったのにと思うばかりです。
—ワード ロング

INFORMATION

Ward Long Exhibition “Summer Sublet”

会期:2021年9月24日(金) – 10月10日(日)
14:00 – 18:00 ※土日祝は13:00 – 18:00) ※木曜定休
会場:gallery commune(東京都渋谷区西原1-18-7)
supported by Deadbeat Club

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