ART 2022.06.24

「TENNESSEE LOVELESS 展」が開催。
初来日のテネシー・ラブレスと野性爆弾くっきー!によるメディア会見のレポートを公開

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

色彩やパターンを用いて視覚的なインパクトを大胆に表現する現代ポップアーティストであり、世界でも数少ないディズニー公認アーティスト・テネシー・ラブレスの日本初となる展覧会「TENNESSEE LOVELESS 展」が6月26日(日)まで、ラフォーレ原宿6F「BE AT STUDIO HARAJUKU」にて開催中だ。

「BE AT STUDIO HARAJUKU」を皮切りに全国(池袋・名古屋・京都・大阪)を巡回する本展。開催に際して行われたメディア会見では、テネシー本人が初来日し、会場に駆けつけた。ここでは、その模様をレポートする。

このメディア会見に、テネシーと並びスペシャルゲストとして登壇したのは、お笑い芸人『野性爆弾くっきー!』。お笑い芸人としてキャリアをスタートさせた彼だが、いまやアーティストとして国内外で注目されており、2019 年のニューヨークで開催された世界最大級の美術マーケット「Art expo New York」では、1000組を超えるアーティストの中から「最も注目する5人」に選ばれ、大きな話題を呼んだ。
会場に現れた二人は、共にキャップに上下セットアップのスタイル。初対面の両者は、互いの外見や作風にもシンパシーを感じた様子で、くっきー!はテネシーのアートを「色使いがとにかく素晴らしい。ずっと観ていられるほど魅力的。ゆっくり観てしまうから、お客さんは会場を巡るのに時間かかりますよ」とコメント。それに対し、くっきー!のアートについて感想を求められたテネシーは、「エモいですね~!」と覚えたての日本語で切り返し、会場を湧かせた。アートは言語の壁を越えると言われる通り、世界で注目を集める彼らのアーティストとして互いの作品をリスペクトする姿勢を垣間見ることができた瞬間であった。
テネシーは私たちにサプライズを用意。それが今回の展覧会に際して、来日前に日本をイメージして描き下ろした新作『Harajuku Dreams』だ。壇上中央に置かれた新作を、テネシー自ら赤いベールを取って披露すると、現れたのは、富士山・東京タワー・ダルマ・提灯などがモチーフとして取り入れられた、カラフルなポップアート。会場は大きな拍手に包まれ、くっきー!も「可愛い!こんな風に表現してもらえて、日本人として嬉しいです」と絶賛した。
サプライズはまだ続く。テネシーが次に用意していたのは、スケートボードに描いたくっきー!の似顔絵だ。会場に駆けつけてくれたくっきー!へのお礼として、来日後、合間を縫って制作中だそうで、完成したものは最終的にくっきー!へプレゼントするという。テネシーは今回のイベントをきっかけに、くっきー!を知ったそうだが、くっきー!の作品を目にした瞬間「ひと目惚れ」し、本人の姿や佇まいが自分と重なるところもあり「大好きになった」そうだ。「スケートボードの材質・形状に合わせて描くのが難しかったけれど、くっきー!さんのライフストーリーを勉強して描いたので、似顔絵自体は難しくありませんでした。ただ、ライフストーリーは日本語で書かれた文章が多かったので、今後はそれを翻訳しながらもっと勉強して理解して、いつかくっきー!さんの肖像画も描きたいです」と語り、最後にテネシーは「おおきに」と自ら話し場を和ませた。「僕も似顔絵はいつも描いていますが、世界的アーティストの方に自分のことを描いてもらうのは初めてですし、とても嬉しい。めちゃめちゃハッピーです」(くっきー!)
テネシーは、日本での個展はいつかやりたかったそうで、アーティストとして活動をはじめた当初からの「夢」だったという。
最後に会場の参列者にテネシーからメッセージが贈られた。「10年以上前から、ずっと今日という日を目標にしていたので、それが叶いました。嬉しくて感謝という気持ちしかありません。皆さんも、その一部として来場してくださったこと、本当にありがとうございます」テネシーは、今回の来日後にも日本からインスパイアを受けた作品を制作するという。『Harajuku Dreams』とどのような「対」となる作品が生まれるのか、今から楽しみだ。

原宿で開催される「TENNESSEE LOVELESS 展」はどれもテネシーの作品で散りばめられた見事な世界観である。展示作品は、テネシーがアーティストとして活動を始めた初期の作品からターニングポイントとなる作品や近年手掛けた未発表の作品など、彼のアート活動における回顧コレクションの展示であり、過去に海外でもこのように取り扱ったことがなく、日本で初めて行われることとなる。
日常の三次元世界を二次元の絵に転換することを強調し、現実のイメージを物体化する。例えば日常的に見られるポスター、標識、漫画、写真などに分解、断片化、変色の効果を運用するなど。更に、アメリカの大衆文化を大量に取り入れることによって、ポップアートとして芸術の普及に貢献し、現代アートに新たな風を吹き込む。
作品の展示・販売以外にも、テネシーのアトリエを模した展示スペースで本人によるライブペイントを実施するほか、本人が先天性の色覚障がいを抱えていることもあり、障がい者支援を目的としたワークショップなど様々なイベントが行われる。
ライブペイントやワークショップは、会場の「BE AT STUDIO HARAJUKU」を運営するアートやカルチャーを発信するプロジェクト「BE AT TOKYO」とのコラボレーションとして実施。そこで作り上げられた限定作品は「BE AT TOKYO」 と次の会場となる池袋にて販売され、その利益は全てあらゆる境遇にある子どもたちが等しくその個性と可能性を発揮できる世界の実現を願い、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンへ寄付される。
「TENNESSEE LOVELESS 展」はこれから日本全国で巡回する予定。入場は無料なので、ぜひテネシーの世界を感じてほしい。

INFORMATION

TENNESSEE LOVELESS 展

会期・会場:
・原宿会場(コンセプト展示・イベント)
ラフォーレ原宿6F (BE AT STUDIO HARAJUKU)
2022年6月24日(金)-26日(日)

・池袋会場(展示・販売会)
サンシャインシティ展示ホールD
2022年7月1日(金)-4日(月)

・名古屋会場(展示・販売会)
ウインクあいち 8F 展示場
2022年7月16日(土)-18日(月)

・京都会場(展示・販売会)
京都市勧業館みやこめっせ B1F 展示場
2022年7月22日(金)-25日(月)

・大阪会場(展示・販売会)
梅田スカイビル タワーウエスト3F ステラホール
2022年7月28日(木)-8月2日(火)以降、全国巡回予定
https://www.10scloveless-event.jp/

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