ART 2022.08.17

写真家ahraunによる展示「Perfect Distance」が岡山にて開催中

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

カリフォルニア生まれ、京都府在住の写真家ahraunによる展示「Perfect Distance」が、本日8月17日(水)から8月21日(日)まで、岡山県・DADEにて開催中。ahraunが2021年11月に発売した写真集『pretending.』(出版:brrwd + Allied Forces Press)に掲載されている写真が展示されている。

『pretending.』は、ahraunが幼馴染みと絶交した後の出来事と、岡山で生活した3年間を語る写真集。発売後数時間で完売し、3回の増刷を重ね、現在は銀座蔦屋書店で購入可能とのこと。なお、本展では同写真集と合わせて、ポスターも販売されている。

「Perfect Distance」は、自分と他人の関係とその距離感について語る写真展である。大学の頃から自分は遠慮深い人間だった。数少ない親しい仲間にしか興味がなかったし、彼らにしかカメラを向けていなくて、彼らとの淡々とした日常を記録していた。そのグループの中でも、自分はあまり目立たず、経験と常識もなかった。自分で経験せずずっと彼らを見て学んでいた。少しずつ成長するにつれ、彼らのやることを好きじゃなくなったり疑ったりし、その姿を見慣れたくもなくなった。そんな思いを彼らに相談してみたら、「オトナはそういうもんだよ」や「ahraunは経験ないから共感もできない」など散々言われた。なぜか腑に落ちず、ずっと頼っていた彼らから丸ごと離れることにした。前より視野を広げ、久しぶりに友達以外の人間に興味を持った。「オトナ」の定義はわからなかった(今もわからない)が、彼らと同じような大人にはなりたくないということだけが確かだった。大人になりたくない訳でもなくて、どういう風になるのかは一生抱え続ける悩みのような気がする。「ahraunはサブキャラみたいな存在。基本どうでもよく思われるし、あんま目立たないようにしたほうがいい」彼らと再会したいという気持ちはないが、この一言は鮮明に覚えている。悔しいけど、その言葉には真実があった。今も、友達と過ごしたり赤の他人を観察したりして「サブキャラ」の日常の記録を継続していて、大人はどういうものなのか、自分がどういう大人になるのかを考え続けている。展示「Perfect Distance」と写真集『pretending.』はその経験(まあ、経験の無さと言った方がいいかもしれない)を語るものである。

アラン・チャンブリス | Ahraun Chambliss

カリフォルニア生まれ、京都府在住。内向的で計画的な撮影や、あまり親しくない人との撮影が苦手。代わりに、自身のありふれた日常や友達、生活を取り巻く環境を記録している。数枚の写真を組み合わせることで、自身の妄想や身の回りについて感じていることへの考察のストーリーを語ろうと試みている。毎日の取るに足らない一瞬に幸せを見つけるように、作品を通して、観客も同じような感覚を見つけることができるよう願っている。
@ahraun
alliedforcespress.com/ahraun-pretending

INFORMATION

Perfect Distance

期間:2022年8月17日ー21日
会場:DADE(ダーヂ)
住所:岡山県岡山市北区富田町1-2-11-2F
販売:写真集『pretending.』¥3,500/A3ポスター¥2,200

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