ART 2022.12.05

東城信之介の個展「冷蔵庫は□かった。」が開催。不確かな世界を描いた抽象的風景が広がる

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

自身の心象風景や無意識に見えてしまう虚像を、金属板や工業製品の表面に大小の傷やサビなどを施すことで具現化する作家、東城信之介の個展「冷蔵庫は□かった。」が馬喰町parcelにおいて12月10日より開催される。

東城は1978年長野県生まれ、2004年東京造形大学造形学部美術学科比較造形卒業、05年同大学研究生修了。存在や時間というものにフォーカスした制作スタイルは絵画にとどまらず彫刻やインスタレーション作品など多岐に展開しており、2022年にはGUCCIでの個展「Doria Parade」や瀬戸内国際芸術祭2022に出展するなど、国内外で活動している。

本展のタイトル「冷蔵庫は□かった。」は「冷蔵庫の中にいたハンプティ・ダンプティが外に出てみたら、自分が知っていたはずの世界は四角い形をしていておどろいた。」という、東城が想像したストーリーに由来。「卵の形をした人物」というハンプティ・ダンプティの存在自体と同様に、卵にとって快適な世界であった「冷蔵庫」は見方を変えればまったく異なった存在となり、事象を認識するための視覚を疑えば世界は不確かなものとなってしまう。「絵画を見るとき、対面するのではなく、絵画という枠を通して窓の外を覗くように内側から外の世界を見る感覚を持っている」と東城は語るが、不確かな世界を描いた東城の抽象的風景を、parcelにおいて体験したい。

この世界の不明瞭さを子供の頃からずっと拭えていないが、自分から生み出された作品は過程も含めてフィジカルに確認できる。それでも時間が経ち場所が変われば少なからず疑念が生まれる。parcelの空間から受けるそれはガガーリンが言った名言「地球は青かった」の様に不確定で興味深い。(この名言の由来にも諸説ある)
– 東城信之介

INFORMATION

「冷蔵庫は□かった。」
(擬人卵族のハンプティダンプティが初めて宇宙に行っていった一言)
東城信之介 個展

会期:2022年12月10日(土) – 2023年1月29日(日)
会場:parcel(東京都中央区東日本橋2-2-14 まるかビル2F)
14:00 – 19:00 ※月・火は閉廊 ※12/26-1/10は閉廊

・オープニングレセプション:12月9日(金)18:00 – 21:00

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