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NIHON NOIE PROJECT
https://nihon-noie.dolive.media/
about Dolive
シミュレーションから始める家づくりを提案する住宅ブランド。ユーザー発想で住みたい家やライフスタイルを考えていくためのシミュレーションプラットフォームを展開する。同時に、さまざまなブランドやクリエイターの発想から生まれた住宅デザインも提案する。
https://dolive.media/
家で過ごす時間が増えた昨今、どんな住宅に住むのかを考えることは、そのまま自分のライフスタイルをどう構築していくかと同じ意味を持つ。モダンな住宅で溢れた現代だが、今こそ和の魅力を宿した家に住んでみてもいいんじゃないだろうか。そんな人へご紹介したい「NIHON NOIE PROJECT」について。大分県の由布院に完成したモデルハウスを介して、これを手掛けたDolive主宰 林哲平氏、株式会社社外取締役 谷尻誠氏、土井地博氏の3人にご案内いただく。
L to R
土井地博_BEAMS所属。株式会社ビーアット代表取締役社長。株式会社 社外取締役 代表。
谷尻誠_建築家、起業家。株式会社 社外取締役 代表。
林哲平_BETSUDAI Inc. TOKYO CEO。住宅ブランド『LIFE LABEL』『Dolive』主宰。株式会社 社外取締役 代表。
『NIHON NOIE PROJECT』は住宅ブランド『Dolive』が新しい和のカルチャーを発信するクリエイターとコラボレーションし発信しているプロジェクトだ。コラボ相手は、京都の人気テキスタイルブランド『SOU・SOU』と、クリエイティブプロダクション『株式会社 社外取締役』の谷尻誠氏、土井地博氏。この三社によるクリエイティブな発想がクロスオーバーし、これまでありそうでなかった新しい和の住宅が提案されている。『NIHON NOIE PROJECT』第一号であり、規格住宅『NIHON NOIE PROJECT by SOU・SOU』のモデルハウスが大分県の由布院に完成した。この家の作りを見れば、現代流儀に解釈した和のカルチャーがデザイン面、機能面を含めて存分に落とし込まれていることが理解できる。
『SOU・SOU』によるテキスタイルを用いた暖簾をくぐると、通り庭があり縁側が設けられ、食堂と居間へとつづく。居間の向かいには玄関を隔てて和室があり、この一階と二階が吹抜で繋がり、空間として圧倒的な開放感が感じられる。二階は仕切りのない寝室空間になっており、下を覗けば食堂の風景が目に入ってくる。どのセクションにも、日本の家と言えば、といった作りを根底に置き、それを現代の生活に沿うよう洗練されたデザインでまとめ上げられている作りに惹かれる。
本プロジェクトを手掛けた林哲平氏を中心に、谷尻誠氏、土井地博氏に、『NIHON NOIE PROJECT』について話し合ってもらった。
ー『NIHON NOIE PROJECT』の住宅に表現されている現代における和とは、どういうものでしょうか? 三者でどのようなセッションを行ったのでしょうか?
林哲平(以下、林):これまで住宅業界が提案している和の空間というものに、あまりしっくりきていなかったんですよね。そんな中で本当の意味で良い和を伝えたいと思ったんです。それがSOU・SOUと株式会社 社外取締役とコラボレーションした理由でもあります。やはり日本人の中には和を愛する心が必ずあるし、それをデザインだけで曖昧に投げかけるのではなくて、しっかりとストーリーとしても伝えたいと考えました。昔の日本の家を再現するのではなく、今の思考と先人たちが培ってきた魅力をクロスオーバーさせて表現したいと考えたんです。
土井地博(以下、土井地):僕は役割的に家を使う側からの視点から意見をあげていったんですが、今回コラボレーションは、各々違う立場から違う視点で1つの家について考えていて、そこがプロジェクトの面白みだと感じましたね。林さんが言う通り、先人が経験などで培ってきた家の構造、建て方、四季への向き合い方だとか。それを、今のセンス、感覚を足したうえで、どういう住宅が実現できるのか、どう提案できて、現代を生きる人にどう刺さるかをみんなで考えていきましたね。
谷尻誠(以下、谷尻):昔の日本の住宅にある魅力として、まだ家の中に完全に入っていないけど、空間としては半分家の中に足を踏み入れているという作りになっている部分があると思うんです。中と外の中間領域みたいなスペースみたいな場所が昔の家にはあって、その考え方を引き継ぎながら、和の根源的な部分を再解釈しながら設計していきました。
ーそういった外と中の中間領域がある空間が、現代のライフスタイルに求められていると思いますか?
谷尻:今は、まさに求められていると感じます。それは企業も同様だと思いますね。オフィスを設計するうえで、部署間の交流がしやすい空間を実現してほしいというオファーも多いです。昔から現代になるにつれ、いつの間にか1つ1つの専門性が高まってセグメント化されていったものが、今になって改めて1つになって化学反応を起こしたいと考えるようになったのが今なんだと思います。
土井地:そして、その考えが暮らす場所にも求められていると思うんですよね。家もコミュニティを繋ぐ1つの重要な要素になっていると思うし、住まいの中でも心が躍る要素が、人との会話としても成り立つようなものが必要なのかと思います。だから、暮らしの中にアートを求める人も多いですよね。例えば、この家にあるSOU・SOUさんが手掛けた壁紙や暖簾には目を惹かれるし、人を自宅に招いたときに話題にもなると思うんですよ。
林:そうですね。それが私の表現したかったストーリーがある住まいの提案ということに繋がるんです。家を使って、どう人生を楽しんでいくのかがキーになると思いますし、むしろライフスタイルと呼ばれているものは、すべてがそこに帰結すると思うんですよ。どう使うか、どう楽しむか、という考え方が、昔から和の家の考え方に込められているし、日本人だからこそ、今そこをしっかり提案したいと思うんです。
ー今日、お邪魔している『NIHON NOIE PROJECT by SOU・SOU』の住宅について。特に好きな空間はどこですか?
林:土間ですね。通り土間という提案に近いんですけど、外からの直接的な導線になっていて、靴を履いたまま入れて外のようで家の中にある空間でもあるという。さっき、谷尻さんが説明してくれたことがストレートに表現できている場所でもあります。あとは、しっかりと屋根の軒を落としている点。この辺りにも谷尻さんの考えが反映されているんですが、日本の家が持つ影と外のバランスが綺麗に見えるという良いディテールが形になっています。
谷尻:なので、縁側がある通り庭に椅子を出してリラックスしたりすると気持ちがいいんですよ。立った状態だと目線が抜けきれないんですけど、座るとすっと視界が広がったり。土間もミーティングできる場所になりますし、靴を脱がずに家の中へ入れるというのはポイントだと思いますね。
土井地:そう考えると、人の導線がイメージしやすいように空間が作られていますよね。同時に、ここへ集まってくる人がどんな人なのかも想像つく。子供たちが通り庭を抜けて、通り土間の食堂を抜けて裏手の庭へ駆け抜けていったりだとか。そういうストーリーがしっかり提案できている家だなと感じます。家って住み始めてから暮らしについて考えたりするんですけど、それが最初からイメージできるし、作り手の色んな思いが詰まっている感じが伝わりますね。
林:あと、このモデルハウスにはサウナが備え付けで付いているんですが、サウナがある住宅って今後スタンダードになっていくんじゃないかと感じるんですよ。住宅におけるプラスアルファの要素として必要とされていくんじゃないかって話は、さっき3人でしていたんです。
土井地:住宅は一生に一度買うかどうかぐらい高価なものですよね。購入したら住宅ローンの返済が大変だなってネガティブな考えになるのではなく、この家でどういう生活を送れば心が豊かになるんだろうってポジティブな気持ちになる作りを、この住宅はしていると思います。
谷尻:そうですね。それに、買っておいて、それを貸し出すことも自然な世の中になってきましたし、住み方、使い方といったライフスタイルの変化もある時代です。同様にお金の価値も変わっていく社会なので、例えば何も考えずに貯金しておくだけではなく、お金をこういう住宅に変えて人に貸したりしても良いかもしれないですね。今までは家を買って必死で住宅ローンを返すという考え方もあったと思うんですけど、家を買って逆に生活を安定させるということも考えられると思うんです。
土井地:それに、現代は働き方も大きく変わってきていますからね。それこそリモートワークも主流になりつつありますから、若い人が必ずしも都心に住んで生活しなければいけないわけでもなくなってきていると思うんですよ。それは住宅を買う場所もそう。2拠点生活をする人も多いです。家に対する触れ方、考え方は今後どんどん変わっていくと思うので、『NIHON NOIE PROJECT by SOU・SOU』の住宅も、若い人の気づきの1つになったらいいんじゃないかと思います。
林:そういう使い方の選択ができるのも良い点ですよね。最近では一般の人も投資をする世の中になってきていますけど、若い人はまだまだお金の使い道が決まっていない人も多いと思います。それなら、谷尻さんが言うように住宅を所持して運用してみるっていうのも、やってみたら楽しいかもしれないですね。暮らしの楽しみ方を提案するための不動産投資、すごく良いと思いますね。
3人が話す通り、『NIHON NOIE PROJECT by SOU・SOU』の空間は、和のデザインを取り入れた住宅なのではなく、日本の家が持つ魅力を2022年現代ならではの形で表していることが伝わってくる。まったく新しいのに、どこか懐かしい。こんな家で過ごす毎日は、さぞ我々の心を豊かにしてくれることだろう。激動する時代の中で、ライフスタイルについて考えるとき、この『NIHON NOIE PROJECT』のことを思い出してみてほしい。もしかしたら、そこに1つの正解があるかもしれない。
モデルハウスの庭に設置されていたのは谷尻誠氏も参画するメディアで話題の『DAICHI』監修の「茶室のような和のサウナ」もあり。
モデルハウスを公開したレセプションイベントでは『NIHON NOIE PROJECT』の一環として、新しい日本茶のあり方を発信する嬉野の茶葉ブランド『EN TEA』と大分カボスを使用したオリジナルブレンド緑茶が披露され、この緑茶に合わせ、大分県の酒造メーカー『三和酒類』も参画。大分県産大麦「ニシノホシ」を原料にした『西の星』や同社を代表する人気の焼酎『いいちこ』と合わせた緑茶ハイも提供された。
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シミュレーションから始める家づくりを提案する住宅ブランド。ユーザー発想で住みたい家やライフスタイルを考えていくためのシミュレーションプラットフォームを展開する。同時に、さまざまなブランドやクリエイターの発想から生まれた住宅デザインも提案する。
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