藤井道人

日々映画を作っていく中で忙殺され、失われていく大切なはずの記憶の数々。本連載は映画監督藤井道人が映画や人、言葉、その瞬間を保管しておくための企画である。「生きていく上で忘れてしまうだろう記憶たちの集積場」をテーマに、様々な出会いを通して、映画が作られていく過程や、映画業界の改善に向かっている様を伝えていく「けむりのまち -Fake town-」。
第二十七回は、撮影の最中にいる藤井監督の、今。
こんにちは。今月の『けむりのまち』本当は対談の予定だったのですが、僕が撮影中ということもあり、うまくゲストと調整出来ず……。楽しみにしてくれていた方、申し訳ありません。
僕の雑文で我慢していただけると嬉しいです。
最近は、撮影、撮影、撮影!!の毎日です。今も東北に向かう車の中でこの文章を書いています。
前回書いたかも知れませんが、本作は藤井映画史上一番年齢層が低い作品で、キャストもスタッフも四十代以上の方が少なく、二十代、三十代が中心となって撮影に挑んでいます。若い俳優部と仕事することは珍しいのですが、本作に出てくれている若き俳優部の集中力や、敬意、プロ意識には本当に刺激を受ける毎日です。
必死に作品に食らいついてきてくれる彼らの背中に、僕も学ぶことが多く、この映画がくれた出会いに心から感謝をしています。
『諦める』ことを息を吸うようにする大人たちが山ほどいる社会だからこそ、悪い水に濁らず、素晴らしい映画人になって行って欲しいです。
情報解禁はかなり先になると思いますが、是非楽しみにしていてください。
映画の撮影も折り返し、プロデュース作品のクランクインや、次回作の準備と、色々な人にお尻を蹴り上げられている日々ですが、過度のストレスは無く、精神は健康に過ごしています。
健康と言えば、人間ドックに行きました。例年通り肝臓は『D』判定で少し凹みましたが、肺は『A』でした!!
とはいえ、最近、お世話になった若き先輩の訃報もあり、自分も体調にはより一層気をつけたいなと思いました。
どうでもいい話ですが、アカデミー賞以来、人前に出ることがしばらくないので、髪を二十代ぶりに染めたんです。でも、あまりにも似合わずその帰り道にドン・キホーテで黒染めを買いました。しゃしゃんな!!って神様が言ってるんだなと思いました。
最近面白かった映像作品。
『ザ・スタジオ』 これは、もうぶっちぎりで面白かったです。この話で朝まで話せます。ラストシーン、最高!!
『スンブ 二人の棋士』 イビョンホンとユアインの静の芝居が素晴らしかったです。
『ナインパズル』これはまだ見始めたばかりですが、ソンソックが綾野剛さんにしか見えない笑。結構面白いです。
6月は『でっちあげ』『フロントライン』『国宝』と邦画が本気出して来てる感じしますね。楽しみ。映画館に行くのが楽しみです。
と、ご想像通りの駄文で本当に恐縮ですが、撮影中のためお許しください…。
来月は、18歳から一緒の彼と対談しようと思っています。
お待ちかねのBABEL LABEL代表・山田久人です。
とはいえ、もう人生の半分以上一緒にいるのであまり目を合わせて話すことも無くなってきて、ネタも無くなってきたので、是非二人に聞いてみたい質問などあればURLに送ってください!!
それでは、また来月!
※本連載にて、藤井道人監督への質問を募集。
監督が一問一答形式でお答えするので、
聞きたいことや気になることがある方は、
こちら宛にお送りください。