INFORMATION
『万事快調<オール・グリーンズ>』
監督・脚本:児山隆
出演:南沙良、出口夏希、吉田美月喜、羽村仁成、黒崎煌代 / 金子大地
2026年1月16日(金)公開
©2026「万事快調」製作委員会
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』の中には、今まで見たことがない出口夏希がいる。
希望なき町でサブカルチャーにしか救いがないような変わらない日々の中、表と裏の顔を使い分けて生き抜く女子高生に見事になりきっているのだ。
その挑戦はステレオタイプ化されることへのささやかな抵抗かもしれない。
これからもまだ見たことがない表情を見せてくれる彼女の明日は、きっと万事快調だ。
EYESCREAM最新号では、今までにない役柄への挑戦について、出口夏希に話を訊いた。
WEBではその一部をお届けする。

――この映画は内容もそうですが、撮り方や構成も凝りに凝った異色な作りです。本作について、最初はどう思われましたか?
「私が今まで演じてきた役の中で、経験したことがないようなキャラクターだったので、大きな挑戦だと思ったのですが、楽しそう、という気持ちが先にきて、演じてみたくなりました」
――矢口美流紅という役のどこに魅力を感じましたか。
「裏表があるような役がずっとやってみたかったのです。これまでも影がある人物の役はあったのですが、キラキラとした女の子の役が多かったので」
――現場での児山隆監督はいかがでしたか?
「私たちがやりやすい空気感をスタッフさんたちと作っていただき、その雰囲気があったからこそ、アドリブもたくさんあったのですが、緊張せず、お芝居することができました」
――美流紅と出口さんご自身との共通点は、ありましたか。あっても困るような役ですが。
「撮影しているときは美流紅と私の共通点について考えたことがありませんでした。なんだろうな…美流紅は、表では明るくしているけれど、裏ではいろいろ抱えている。私は裏でそんなに抱えているものはないのですが(笑)、人間だから生きていたらいろいろ思うことはあります」
――出口さんの場合、役柄との共通点について考えなくても現場で表現できてしまうんでしょうね。今、取材させていただいている出口さんご本人の天真爛漫なイメージとはまったく違うけれど、スクリーンの中では自然と美流紅になっている。
「ありがとうございます」
――キャストはほぼ同世代ですが、現場の雰囲気はいかがでしたか。
「私は現場でそんなにみなさんとお話しできるタイプではなかったのですが、本当に居心地が良かったです。南(沙良)さんも吉田(美月喜)さんもマイペースで、それが良くて、お昼寝したり、お菓子を食べたり、お話ししたり、三人で自由に過ごしていました。同好会の販売担当の三年生男子二人のコンビが、私たち三人にとってツボで、撮影を途中で止めてしまうくらい、笑いすぎてしまったこともありました。釜山国際映画祭で上映されたとき、お客さんと一緒に映画を観させていただいたのですが、二人が登場するところで大爆笑していて、笑いは世界共通なんだなと思いました」
――美流紅の人物像はどのように作られたのでしょうか?
「表ではどこまで明るく見せるのか、裏ではどこまで落ちて見せるのかが難しくて、悩んでいたのですが、現場に入って、いざ(南沙良演じる)朴秀美と(吉田美月喜演じる)岩隈真子と一緒にカメラの前に立ったときに出てきたものが正解なのかなと思えました。そこからは現場でしか考えなかったです」
――南沙良さんの印象は?
「すごくかっこよかった。朴秀美が美流紅に対する気持ちをラップで表すシーンがあるのですが、その撮影のときに私も初めて南さんのラップを聴いて、驚きました」

――まさにそのシーンについてお訊きしたいと思っていました。そのラップの後、美流紅は朴に抱きつきます。普段は友達にならないような二人が、そうすることでその後の関係性が変わってゆくとても重要なシーンをさらりと表現しているのがいい。また、出口さんが演じる美流紅だからこその説得力がありました。
「あのシーンは、監督が演出をつけてくださったところです。特に理由もなく『抱きついてみて』と言われ、最初の予定と違ったので、戸惑いながらしてみたのですが、後であんなラップを聴いた後なら確かにそう反応してしまうと気づきました」
――説明的じゃないところがスマートですよね。その直後のシーンで二人はすでに仲良くなっている。吉田美月喜さんの印象はいかがですか。
「吉田さんは、平常心を保てる人で、横にいるとすごく落ち着けて、とてもありがたいです」
――吉田さん演じる岩隈真子の台詞に「こういう奴とは付き合わないほうがいいっていうのはわかる?」というのがありますが、出口さんご本人ならどう答えますか?
「不誠実な人ですかね。優しくない人とは付き合わないほうがいい」
――美流紅と、安藤裕子さん演じる母は、あることが原因でお互い作られた自分を演じています。そして美流紅の名前の由来を母からきいたときに素の母娘に戻る切り替えが絶妙でした。
「演じていて楽しかったです。お母さんに対してどう接したらいいんだろうと思っていたのですが、現場で安藤さんのお芝居を見て、答えを見つけました。お母さんの前で良い子を演じなきゃいけない美流紅を演じている…撮影していてお母さんのお芝居をみていると、すごく辛くて、美流紅の気持ちがわかった気がしました」
――アドリブが多い現場と聞いたのですが、採用された例をひとつ教えてください。
「屋上で英語のスピーチをした後、本当はそこで終わりなのですが、その後に話しているのは全てアドリブです」
――この作品の中ではサブカルチャーの古典と言われるような本や映画の名前がたくさん登場します。出口さんがここで出会って読んだり観たりした作品はありますか?
「英語のスピーチの元の台詞の言い方を調べようとして、『ファイト・クラブ』を観ました。でもとても真似はできないから、面白いほうでいこうと割り切りました(笑)」
――出口さんご自身はこの映画をどう捉えましたか?
「三人ともすごくばかだけど、一所懸命に青春しているのが愛おしかったです」
――お気に入りのシーンを教えてください。
「三人が集まる交差点のシーンです。朴秀美があるものを取り出して、そこから何かがはじまる。三人が風を切りながら走っていくのがお気に入りです。あんなに大きな道路の真ん中を走れるなんて、普段できないことなので気持ちよかったです」

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『万事快調<オール・グリーンズ>』
監督・脚本:児山隆
出演:南沙良、出口夏希、吉田美月喜、羽村仁成、黒崎煌代 / 金子大地
2026年1月16日(金)公開
©2026「万事快調」製作委員会
配給:カルチュア・パブリッシャーズ