CULTURE 2019.03.25

Diggin’ in the Culture – from New York – #4: Dizzy Magazine

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Photography—Koki Sato, Report—Mimi Tamaoki, Edit—Ryo Tajima[DMRT]

Diggin’ in the Culture – from New York –

Photography – Koki Sato, Report – Mimi Tamaoki

音楽、アート、ファッションと、新しいサブカルチャーが生まれるのは、いつもこの街、NY。そこではリアルタイムで何が起こっているのか。現地からレポートしていく連載”Diggin’ in the Culture”。写真はKoki Satoさん、レポーターはMimi Tamaokiさん。

今回連載第4回目でディグしたのは、NY発信のバイアニュアル、アート・カルチャーマガジンDizzy Magazine(ディジー・マガジン)。

このマガジンの創始者でもあり、パブリッシャー、チーフ・エディターを担当しているArvidMilahに初めて会ったのは、RATKING(ラットキング)の活動で知られているWIKIの撮影だった。確か3年ほど前だったような。それから久しぶりにMilahから「私たち東京に行くわ〜!!」と連絡があり、ちょうどいいタイミングで私も東京にいて、中目黒で待ち合わせ。レアな古書が置いてあるdessinへ。そこでMilahがオリーブマガジンの古書に感動して、購入していたことを覚えてる。「日本の雑誌のレイアウトや文字の配列が好きなの。Dizzyの参考にもなるわ!」と話していた。

マガジンは現在第4版(Fall 2018)で、春号が、もうそろそろリリース予定。男女、年齢、シーンを問わずに、いろんな人達に楽しんでもらえるコンテンツ作りを目指し、アート、ファッション、キッズ、ペットのページ構成。Dizzyのキャラクターもページで登場したりと、読者を楽しませる。「NYでは、幅広い年齢層、多種の人種が地下鉄乗ってて。みんな自分たちのシーンに留まるけど、Dizzyはシーンを問わずに、愛を広めること」。とArvidがマガジンの哲学を語る。DIY精神に溢れ出たそれぞれのページは、まるでアートブックのよう。Arvid&Milahは6年間交際している仲で、今回彼らの住むブルックリンのブッシュウィックのアパートで取材することに。

1歩足を踏み入れると、戸棚の上にはレアなトーイ、模型やドール、日本のVermont CurryGolden Curryのパッケージ等が所狭しと陳列されているのが目立つ。2人の感性をフルに活かした空間だ。マガジンをスタートしたキッカケについて聞いてみた。
「いつもアートやZINEのコラボを一緒にしていたの。Arvidがラットキング・コレクティブのメンバーだった時に、ZINEを作ってて、その時にDIYのアートブック作って自分たちでパブリッシュすることを学んだわ。2年くらい前に、パブリッシュするという目的ではなく、ただ楽しいプロジェクトとしてArvidとDizzyを作ることになって。まず初めに、どんなものをプリントしたいか考えて、そして、アートブックとマガジンの中間要素をもった作品にしたかったの。そうすることによって、ジャンルを超えた人たちがこのマガジンを楽しんでくれるし!」とMilahが話す。

2人とも90年代のNYに生まれ、本屋、ZINEカルチャーのPrinted Matter等で幼少期を過ごした思い出があるそう。ネーミング「Dizzy」は、Milahが子供の時に飼っていた猫の名前。「猫には9つの命があるというから、私の猫Dizzyがマガジンとして生まれ変わったの」とMilah。



そう話す彼女は、若干23歳で、親友でもあり、今や名門レーベルRough Trade(ラフ・トレード)からリリースされたアルバム『1992 Deluxe』で大ヒットしたPrincess NokiaのMVを11本もディレクションした経歴を持つ。「父がフィルムメーカーで、父も20代の時にMV制作をしていたの。幼いころから、父がたくさんの映画を見せてくれたり、フィルムの撮り方を教えてくれて。フィルムのセットを自分で作ったこともあったわ。フィルムは私にとって、いつも大きい存在だった。自然と兄と私はフィルムをすることになり、一緒にDestiny (Nokiaの本名)のビデオ制作をしたの。初めてのビデオは、『DRAGONS』。私の初監督ビデオで、DestinyがWavy Spiceからアーティスト名Princess Nokiaとしてのファーストビデオよ」。

そしてArvidもアーティストとして活躍中。エアブラシのプロジェクトからファインアート制作まで、不定期にギャラリー展示も行っている。

そんなクリエイティヴな二人が、プライベードからDizzyのプロジェクトを一緒にスタートすることになったのも驚くことではない。「お互いをリスペクトし合って、お互いの得意な分野を理解しているの。でも、役割を分担するということではなく、お互いの得意なところを強みに変えていったり」とMilahが話す。「仕事量もお互い均等にやっている。ページで分けるのではなく、お互いが1つのページをコラボしたり、というプロセスで、お互いコラボレーションする、ということが大切なんだ」とArvid。この2人の阿吽の呼吸が各ページに現れているように感じる。

2人とも日頃からビジュアルのインフォメーションをよく観察しているそう。マガジン、アルバムアートワーク、パンフレット等の印刷物のデータをファイルに保存し、今後のマガジンの参考に。そして、今回第4版では、一緒に行った中目黒dessinでMilahが購入したオリーブマガジンもレイアウトやドローイングがクールで、マガジンの参考に購入したそうだが、NY帰国後、雑誌を見ていたら、MAYA MAXXの作品が掲載されていて、興味を持って色々調べたそうだ。「90年代から画家として活動してて、CDジャケット、商品デザインなどもしているアーティストで、取材したいという気持ちが膨らんで。フェイスブックから彼女のアートをアップしている彼女の友達らしき人を見つけて、Google翻訳で、日本語にしてコンタクトしたの。それからCommuneのMiyukiの友達でカメラマンのMiriにお願いして、MAYA MAXXの住む京都まで取材に行ってきてもらったのよ。そうして、今回のフォースイシューで紹介することができたの!」とMilahが嬉しそうに話しくれた。

掲載するアーティストは年齢もジャンルも関係なく、彼らたちが興味を持った世界中のアーティストに自分たちでコンタクトするそう。これこそDizzyマガジンの在り方で、シーンを紹介するのではなく、全く違うジャンルのアーティスト達をDizzy Loveで繋いで1つの世界を作ること。デジタル化が進む今、マガジンを紙媒体であえて出版することにより、時代を超えて読者や取材された人物の手元に物理的に雑誌が残り、保管でき、記憶に残る思い出になっていく。Dizzyのおかげで、人と人との関係を大切にしたパーソナルな雑誌の在り方を再認識することができた。

現在日本ではCommuneSalt and PepperBreakfast ClubDomicileDizzy magazineをチェックすることができる。
そろそろ春号も出版するので、ぜひぜひ、手に取って眺めてほしい1冊!


Five Questions For You
Milah

①NYを一言で表現すると?
Changing:NYで育ったから言えることは、建物や住んでいる人々が大々的に変わったこと。この変化によって、たくさんのNYネイティブの行き場がなくなり、もっと大きな問題は、長年かけて作り上げられた移住者とNYコミニュティの関わりがなくなってきたこと。ご近所に“hi!”とちゃんと挨拶してね!

②NYのどこが好き?嫌い?
好き:食べ物
嫌い:新しい建物

③NYの好きな場所
ボーイフレンドArvidのお母さんSolveigのダウンタウンにあるアパートメント。Solveigは建築家で彼女のシンプルなインテリアが素敵なの。チャイナタウンやElizabeth Street Mallの近所で、大きな窓からブロードウエイとキャナルストリートが一望できて、雨の日は、天窓を打つ雨音がナイスだわ。

④朝起きて1番初めにやることは?(平日&休日)
平日:まずはメールチェック、そしてすぐに着替えて、仕事場へ。
休日:ひたすらゆっくり寝るわ。そして、窓からの景色を眺めながら、デスクに座って、絵を描いたり。

⑤もし大統領だったら、何をする?
現在のアメリカ政府と風土において、必要な変化を簡単にまとめることは難問ね。ただ、1番大切なことは、政府がこの国の問題をパーソナルなレベルでちゃんと理解している人を雇うこと。白人を少なくして、女性やトランスジェンダー、有色人種の人達を雇用することから始まると思うわ。


Five Questions For You
Arvid

①NYを一言で表現すると?
Home: NY以外どこにも住みたくないから。

②NYのどこが好き?嫌い?
好き:いつも変化していること
嫌い:同様にいつも変化していること

③NYの好きな場所
1つ選ぶの難しいけど、West side coffee、Sunrise Mart、T-shirt Express、 Elizabeth st. Mall、 6B community garden、 A.B.C.D.E、 Natori (RIP)、3a Gallery、48 Market、ABC No Rio、違法の偽ブランド商品が摘発される前のCanal St.、新しい場所に移る前の Forbidden planet、 Kiosk roof (RIP)、Church Street Surplus、the Malasian spot on Doyers (RIP)、St. Marks placeにあったクールなお店 (RIP)。

④朝起きて1番初めにやることは?(平日&休日)
平日&休日:近所のデリでセサミベーグルのエッグ&チーズサンドイッチとコーヒーをゲット。

⑤もし大統領だったら、何をする?
大統領辞退して、白人でない人に自分の役割を与えるね。

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