今夜は、なに着て遊ぼうか。こないだ街の先輩がサラのまま譲ってくれたパーカーとスニーカーと、友達に借りたまま返してないディッキーズのワークパンツと、あれ？　もらいものばっかだけどまあいいか、とか考えるところから楽しい。音楽好きが集まる渋谷のライブハウスWWW / WWW X / WWWβを舞台にした月イチスナップ連載、第22回：Lil Yachty編です。

米アトランタ出身の若干21歳のニューカマー、というよりはすでに人気ラッパーの仲間入りを果たしているリル・ヨッティーの初来日ライブが緊急決定した、深夜の渋谷。日をまたいだ頃、会場のまわりにはスケーターやら何やら、血の気盛んなユースたちが缶ビール片手に続々と集まってきて、すでにこの夜ははじまっている。
WWW Xに入るとそこは渋谷のストリートの浮かれた／騒がしい様子と地続きでいい調子だ。ステージでは「It G Ma」のプロデュースでも知られるジュニア・シェフとともに、Elle TeresaやYoung Coco、Lootaといったラッパーがブチかましている。そしてリル・ヨッティーは、大歓声のなかをキャップ＋マスク姿で登場し、ゆっくりめにスタートする。

途中、キャップもマスクも全部取っ払ってからが本領発揮。モッシュピットを作り出すよう煽ったり、水のペットボトルを何本も何本もフロアに放り込んで、それを一斉にブチまけさせたり。それら狂騒のエネルギーは膨れ上がり、昂揚し続け、ひとつのお祭りかのようにWWW Xを埋め尽くしたのだった。

ちなみにこの無秩序めいたなか敢行した撮影は、「写真はいいけどアンケートに答えたりはメンドウだからイヤ」な人ばかりだったので今回は、これまでのようなスナップ＆アンケートを断念。フォトレポートとしてお送りする。