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「Edges Ahead=先端のその先」とは、今年111周年を迎える刃物メーカー貝印の掲げるテーマだ。今という時代の“その先”にある景色こそ見たいし、追いかけたいし、フォーカスしていきたいというのがEYESCREAMの姿勢でもあるから、じゃあもう一緒になって探っていくしかない。今に息づくカルチャーの“先端のその先”にあるのはきっと、もっと自由で、情熱的で、リアルな日常の気がする。
「えっ、そもそも貝印って?」となるかもだけど、君の部屋のどこかにもたぶん貝印のアイテムが転がっているから「KAI」のロゴを探してみるのもおもしろいかも。ツメキリだとか、カミソリだとか、包丁だとか、ほらそこに。
毎回、異なった角度から“その先”へと踏み込んでいくシリーズ。初回は東京ストリートから迫る、Skate Issue。
フォーカスしたのはSOUSHI。彼は、スケーターであり、ストリートブランドKirimeのデザイナーであり、DJ兼トラックメイカーであり、モデルでもある。自身のやりたいことに忠実に体1つで表現していく彼はユースの象徴そのものだ、と形容しても言い過ぎじゃないと本気で思う。
『貝印って知ってる?』ってSOUSHIにLINEで聞いてみたら、次の日には「オレが使ってるカミソリ、貝印でした」って笑顔な感じで答えてくれて。めっちゃ切れが良いので気に入っていますってことだったので、SOUSHIと”Edges Ahead”するために送りましたよ、貝印の商品をたくさん。そして彼のライフスタイルに馴染んだ頃合いを見るために数日待って、SOUSHIのホリデイに撮影へ向かったわけだ。なんだか実験のような気分でもって。その日は34度を超える猛暑日だった。セミがうるさかった。
11:00 at home ー起床から出かけるまでの身だしなみをー
kershaw耳かき(2way)革ケース付 ¥5000+TAX、長柄 ゴールドアルファ ¥130+TAX、
kershawツメキリ リーフタイプ ¥4000+TAX、kershawユニバーサルツメキリ ¥9000+TAX
誰でもそうだと思うけれど、出かける前はキッチリ身だしなみにこだわるだろう。SOUSHIが気に入ったのは、イヤーピックと一枚刃のカミソリ。ベランダで欠伸混じりに、ひと言「暑いっすね」と呟きつつ、室外機がガンガン言ってる前に座って耳掃除。室内ではクーラーが頑張って働いていた。生え際を整えてヒゲ剃り。本当に切れ味がいいから気をつけてくれ、と心配して声をかけたけど、慣れた手つきでササっと身支度を整えていたので杞憂だったかな。爪を切っていたのはデスク前の作業チェア。MPCの横にはツメキリがスッと置かれている。コンパクトでミニマルなデザインが気に入ったようで、部屋に貝印のアイテムがマッチしている光景を見て「実験成功」と、心のうちに思い、フフフとしたわけです。
13:00 at HATOS OUTSIDE ー行きつけのお店でお昼はランチー
お昼時、お腹が減った。ーというわけでSOUSHIとランチへ行く。KirimeのTシャツに大きめのデニムパンツ、キャップにバックパックでスケボー片手、腰にはキーチェーン。SOUSHIのファッションは映画『KIDS』の頃から続くスケータースタイル。いつの時代もストリートのユースの後ろ姿って変わらないものかもしれない。国境も同様に何かを隔てるものではないんだろう、とストリートへの思いを巡らせながら、やって来ましたHATOS OUTSIDE。場所は世田谷線の下高井戸駅から歩いて5分強。ここはSOUSHIお気に入りのカフェで夜はバーとしても営業している。スタッフさんもスケートを愛する御仁だ。目当てはカレー。ここはカレーとクラフトビールが美味いのだ。SOUSHIがこの日、注文したのはキーマカレー。店内にはTシャツも置いてあったりするし、ターンテーブルもあって、ポップアップや音楽イベントを開催したりもしているスポット。サッとカレーを平らげて、ご馳走様。
じゃあ、次の場所へ向かいましょう。
17:00 at STRAIIIGHT ー仲間も集まる溜まり場でー
L-001 職専カッター大 ¥1800+TAX
やって来たのはSOUSHIが友人と集まる原宿のスケートショップ、STRAIIIGHT。オーナーのユーキさんのセレクトが非常にセンスフル、世界中からブラックカルチャーの香りが漂うアパレルが集まっており独特。友人と集合するときは、まずSTRAIIIGHT、というのがSOUSHIたちの流儀だ。このショップにやって来る途中、渋谷のFTCでニュースケートデッキをゲットしてきたSOUSHI、友人がやって来るまでの時間を使って、貝印のカッターでデッキテープを刻みながら、自由にカスタムしていった。
デッキの頭の部分が貝印のブランドロゴ”KAI“の型に刻まれているのがポイント。
19:00 at STREET ーショップ周辺の路上で友人たちとー
関孫六ツメキリtype102 ¥1900+TAX
日も暮れた時間帯、STRAIIIGHTの周辺を軽く流す。集まったのはSOUSHIのスケート仲間、Daisaku Rei HidakaとShohei Takagi。3人でアレやコレや話しながらのスケートタイム。キッチリシューティングさせていただきました。このときやっと気づいたけど、おや、キーチェーンには貝印のネイル クリッパーズがぶら下がっているんだね。どんなときもツメキリを忘れない。男の嗜みを忘れないのも、さすがジェントル・スケーター、SOUSHI。プッシュだけではなくて、気づけば何か新しいトリックに挑戦し始めたりする彼ら。かと思えば、デッキがチップして叫んだり。まったくスケーターって生き物は本当にクリエイティブでリアルだ。だからこそ、そこに魅力を感じずにはいられない。気づけば、貝印のアイテムをSOUSHIに使ってもらうシーンを意図的に撮影したいと思っていた、今回の企画だけど、どうやら、シャッターチャンスを狙う必要なんてなかったようだ。道具があれば、それを適材適所に持ち出すのがスケーターだし、何でも楽しそうに使いこなしてしまうのが彼らだ。ひと言、アイテムについてのインフォを追加しておくとすれば、貝印のカッターが、SOUSHIの友人も含めて本当に大人気だった(笑)。本来は壁紙をカットするために作られた精密なものだけど、デッキテープを切るにしてもサクサクカットできるし、Daisaku Rei Hidakaはアナログのコラージュアート制作も行なっている。この日をキッカケに、貝印のカッターで細かなコラージュにもチャレンジしてくれるのかも。
貝印という伝統や歴史はさておき、道具として自分のライフスタイルにハマるから使う。当たり前のことではあるが、なかなかどうして、その当たり前のことがわからなくなってしまうことが多々ある。というのも、僕らは刃物の切れ味について、そんなに詳しくないし、そんなに種類があると日頃から考えていないから。もしかしたら貝印とスケーター、2つの存在は世間的にかけ離れている存在なのかもしれない。でも、そんな固定概念、人が道具に触れた瞬間に関係なくなってしまう。使う人が、道具をさらに進化させ、それまでに思いもよらなかったような使い道を開拓していくんだ。
この日のSOUSHIたちみたいに。