WORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREW

2020年、ヴィンテージミュージックの革命を追う
Vol.01 About BLAST JAMS!! CREW Interview: Toshio Sasai

Photograph_Yui Nogiwa, Edit&Text_Ryo Tajima [DMRT]

WORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREW

2020年、ヴィンテージミュージックの革命を追う
Vol.01 About BLAST JAMS!! CREW Interview: Toshio Sasai

Photograph_Yui Nogiwa, Edit&Text_Ryo Tajima [DMRT]

東京を拠点として活動するBLAST JAMS!! CREW。彼らは”VINTAGE MUSIC FOR TEENAGERS”を掲げたユースDJクルーで、全国各地でパーティやDJ活動を行っている。ヴィンテージミュージックのカルチャーをユースの手で世間に伝えるべく活動しているレジスタンスたちだ。現在のメンバーは笹井トシオ、takuma、ヒラノツヨシ、ゴーゴージュリー 、Shinyah、MACHI、WOODCHUCK、7名のDJとクルーのフォトグラファーとしても活動しているYui Nogiwa。
今まではアンダーグラウンドで活動してきた彼らだが、10月11日に恵比寿のLIQUIDROOMでデカいパーティ”BLAST JAMS!! 2020″を開催する。本イベントに先立ち、ヴィンテージミュージックのカッコよさや魅力を教えてもらうBLAST JAMS!! CREWの連載”WORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREW”。
今だからこそフレッシュでカッコいい。そんなヴィンテージミュージックの世界をバンドとクルーの対談や写真でお伝えしたい。同時に各連載の最後に、BLAST JAMS!! CREWによるスペシャルプレイリストを掲載。音楽で具体的に魅力を届けてもらおう。

第1回目はクルーを主宰するDJ、笹井トシオにBLAST JAMS!! CREWとは、どんな集団なのか。なぜLIQUIDROOMでパーティを開催するのか。どんな思いを持っているのかを話してもらう。本連載スタートにあたっての導入編としてお読みいただきたい。

Vol.01 About BLAST JAMS!! CREW Interview: Toshio Sasai

最初はこのシーンで同世代の仲間を増やしたいという思いから

ーまずはBLAST JAMS!!というDJクルーについて教えてください。スタートしたのは何時ごろですか?

笹井トシオ(以下、トシオ):具体的には2014年、第1回目のDJパーティを幡ヶ谷ヘビーシックでやってスタートしました。当時のメンバーは僕ともう1人、モッズを流すDJの2人だったんです。そこからメンバーを増やして、今では7人のDJとフォトグラファーが1人います。

ーなぜDJクルーを始めたんですか?

トシオ:18歳のときに上京してきて、ロカビリー、サイコビリー、モッズ、ファンク、スカ、レゲエなどのヴィンテージミュージックのパーティに遊びに行っていたんですよ。具体的には、有名ですけどLONDON NITE。まだクラブ、WIREがあった時代で、よく行っていました。ガレージパンクのイベントならBACK FROM THE GRAVE。ロカビリーならTHE BASH、今でも僕の憧れのイベントです。あと、毎年開催されているんですけどモッズの祭典、MODS MAYDAY。それに、10月11日にもゲストDJとして出演してもらうんですけどノーザン・ソウルのNIGHT FOX CLUBとか。そういったイベントは行けば当然楽しいんですけど、同世代の友人ができないということに悩んでいたんです。やっぱり共通の趣味を持っている同世代の仲間と一緒に何かをやりたいという気持ちは自分にもあって。

ー確かにヴィンテージミュージックのパーティは若い人が行きにくいイメージがありますね。

トシオ:そうですね、シーン全体の年齢層は高いです。それに、DJ界の話で言えば上下関係がすごく厳しいんですよ。ハードルが高いから若い子が入ってこれず、徐々に先細りになっていくシーンを真横に見て、僕にできることは何かと考えたときに、自分自身でイベントを始めることを思いついたんです。同世代、もしくは少し下のDJたち、次世代のバンドと一緒に。それでDJクルーをスタートさせるに至りました。その頃は具体的にコンセプトを掲げていたわけではなく、このシーンで同世代の友人を増やしていくという思いでやっていました。

ートシオさん自身がバンドを結成しようとは思わなかったんですか?

トシオ:いえ、考えていました。なので、上京してロカビリーバンドを結成したいという思いを抱いて原宿のAttractionsというショップに行き「同い年くらいでロカビリーのベースとドラムいないですかね?」って店長のAtsushiさんに相談して。そしたら「いや、いるわけないだろ。とりあえず見つかるまでDJでもやれば」って進められてDJを始めたんです。そのAtsushiさんが僕のDJの師匠で、リキッドルームのイベント”BLAST JAMS!! 2020″にもゲストDJで参加してくれます。結果的に、僕はDJに落ち着いたわけなんですけど、今では良かったと感じています。というのも、同世代のバンド、THE TOKYOのライブを見ても思うんですけど、自分にはあんな風にカッコよくライブすることはできないでしょうし、向いていないと思いましたね。でも、DJとしてカッコいい音楽を世間に紹介していくことは僕にしかできないことですから。

※これまで開催してきたBLAST JAMS!!によるパーティの模様

音楽だけではなくスタイルとしてのカッコよさが強い魅力

ー現在、BLAST JAMS!!には7人のDJが所属していますよね。各DJの特徴について教えてください。

トシオ:では、1人ずつ説明します。まず僕はジャンル問わず、あらゆるヴィンテージミュージックをセレクトしています。1番好きなのはロカビリーと60年代のガレージですね。takumaは大阪を拠点に活動していて、彼も60年代のガレージをかけます。ヒラノツヨシ、彼はモッズのイベントにも出演しているんですけど、R&Bの中でもポップコーンと呼ばれているマイナーなR&Bやソウルをかけています。ゴーゴージュリー、彼女は昭和歌謡やGS(グループサウンズ)など日本の音楽を得意としています。Shinyahはジャマイカオンリー。スカ、レゲエ、ロックステディ全般です。MACHI、彼女もソウルなど、幅広いセレクトをしますが、60年代にトレンドだったガールズポップを得意としています。WOODCHUCK、彼は完全にガレージとパンクです。全員同世代なんですが、この7人を集めるのは本当に大変でした。各ジャンルから1人ずつ、僕の知りうる限りの全員を誘って出来た形です。普通の人から見ればジャンル的にすごく偏っているように見えると思うんですけど、ヴィンテージミュージックのシーンから見れば、革命的なクルーになっていると思いますね。交わることのない音楽が一挙に集まっていて、自分たちにしか実現できない空間をイベントで作り出していると思います。それと、決めてるわけではないんですが全員、7inchのレコードでDJをやっています。

ー同じシーンの人からはBLAST JAMS!! は異端児的なクルーとして見られている?

トシオ:そうだと思います。最初に結成したときは先輩から怒られると思っていたんですよ。ストイックな人が多いシーンなので「ふざけたことやるなよ」って言われるんじゃないか、と。でも、諸先輩方も、自分と同様に、このままだと日本からヴィンテージミュージックのカルチャーが無くなってしまうと危惧していて、自分達みたいなクルーがいた方が良いと思うってことを言ってくれて。事実、その通りだと思っています。

ーこれまでのBLAST JAMS!! のパーティを見ても、ファッション性が非常に高いですよね。50~60’sのファッションを若いお客さんがうまく取り入れていることに驚かされます。

トシオ:ヴィンテージミュージックシーンのファッションは本当にカッコいいと思いますね。過去のスタイルを踏襲して今流の着こなしに落としこんでいる人が多くパーティに来てくれていますが、やっぱりカルチャーの入り口にあるものは音楽だけではなく、その周辺カルチャー、つまりファッションだったりすると思うんですよ。僕も最初に見たときは、そのスタイルのカッコよさに衝撃を受けたので。同様に、服装からカッコよさを知って入ってきてくれる人が来てくれています。このシーンの強い魅力の1つだと思っています。

※これまで開催してきたBLAST JAMS!!によるパーティの模様

これまで見たことのないカッコいい光景と音楽を体感して欲しい

ーこれまでは下北沢THREEなどで開催されることが多かったわけですが、10月のハコはリキッドルーム。一気に大きな規模での開催となるわけですが、どのくらいから計画されていたんですか?

トシオ:具体的に考えていたのは、ここ1年くらいのことです。僕たちはヴィンテージミュージックが大好きで、世間に大々的に発信したいという気持ちがあるから色んな人と繋がることができたんですけど、そこで思ったのは、バンドも含めて自分の周辺にいる人たちと協力し合えば、一気に大きなステージに立つこともできるんじゃないかな、ということだったんです。それに、昔から何か大きなことをやってやろうと考えていた中で”2020″という美しすぎる数字が出てきたというのも大きいですね。自分が死んだとき、経歴としてBLAST JAMS!! とその周辺カルチャーは2020年に表舞台へ上がったってことが書けたら最高にカッコいいな、と思って(笑)。もちろん数字に捉われているわけではなく、1つのタイミングとして今年を選びました。リキッドルームというハコを選んだのは、構造的に1階、2階に分かれていて、しっかりDJを聞いてもらえる空間を作ることができるからです。僕らはDJクルーなので、当然、DJタイムも楽しんでほしいし、バンドのライブだってちゃんと見て欲しい。それに各バンドのファンがいると思うんですが、彼らに、バンドのライブを目的で来てもらった上で、ヴィンテージミュージックのカルチャーがあるんだってことを知って欲しいんです。それが1番綺麗に見せられるのがリキッドルームなんです。

※BLAST JAMS!! 2020開催にあたって公開されたティーザームービー

ーなるほど。当日出演するバンドはどのように選んだんですか?

トシオ:メインステージに出演してもらう9バンドは平成生まれの同世代以下のバンド、2階ステージに出演してもらう8バンドは各カルチャーから誘ったバンドです。これまでにパーティを続けていくうちに仲良くなった17組のバンドですね。DJだけではなくバンドも同じ世代でやらないとカルチャーは絶対に作れないと思うんです。そもそもロックンロールだとか、僕らが発信しようとしている好きなものはユースカルチャーなので。やはり主役は若者であるべきだと考えてバンドに声がけしました。出演してくれるバンドとは10月の開催に向けて定期的に決起集会を開いているんですよ。僕らだけではなく、出演者全員が1つの音楽シーンにいる集団として出ていかないと絶対に日の目を浴びないと思うんです。もちろん今後、単体ですごく売れていくバンドもいるでしょうし、それはそれで素晴らしいことなんですけど、その1バンドの活躍だけでは背景にあるカルチャーまでリスナーがリーチすることができないと思うんです。全員で一丸となってカルチャーを打ち出すことで、世間にも目を向けてもらえるんじゃないかと。

ーでは、ゲストDJについては?

トシオ:Tokyo Rockin’ Crewは冒頭にお話したロカビリーのイベント、THE BASHが現在は休止中なので名義を変えて出演してもらうんです。本当に憧れのカッコいい集団で、ロカビリーのシーンの中でもストイックな人たちなんですよ。もう1つも前述の通り、ノーザン・ソウルのNIGHT FOX CLUB。ダンスがめちゃくちゃカッコいいんです。アクロバティックで見応えがありますよ。この2つに共通しているのは、ストイックで自身の思いを貫いてやり続けているということです。

ー10月11日のイベント当日は、来るお客さんにどのように楽しんで欲しいと思いますか?

トシオ:まずは、自分の目当てのバンドを見にきて欲しいです。お客さんの入りはそこだと思うので。でも、それで帰るのではなく、1日中イベントに居て欲しいですね。見どころは全部。バンドのライブはもちろん、2階に行けば聞いたことのない音楽、見たことのないダンスをしている人がいるから。それを見てどう思うかはお任せしますけど、めっちゃカッコいいと思ってくれたら嬉しいですね。音楽以外にも、クルーのフォトグラファー、Yui Nogiwaが撮りためてきた本当のアンダーグラウンドを記録したZINEや、バンドとの繋がりを示すレコードを制作して販売する予定です。

ーちょっと気が早いですが、イベント終了後にBLAST JAMS!! はどんな存在になっていたいと考えていますか?

トシオ:僕が1番の目標としているのはカルチャーとしてBLAST JMAS!! が残っていくことなんです。後々、「2020年代にBLAST JAMS!!っていうイベントがあって、その感じが好き」とか、未来の若い子に言われたりしたら、もう堪らないですね。それが目標なんですが、今では自分の周りにDJだけではなく、大勢のバンドマンがいるので、彼らと一緒にビジネスとして成立していくことができたら最高だと思っています。まずは、みんなに知ってもらうこと。大きい場所でも小さいハコでもできるカッコいいカルチャーとして浸透させることを理想として、それを実現させたいです。

第2回目は10月11日のパーティ”BLAST JAMS!! 2020″にゲストDJとして出演するTokyo Rockin’ CrewとNIGHT FOX CLUBとそれぞれ笹井トシオが対談を行ったコンテンツを掲載。ヴィンテージミュージックシーンにおけるDJクルー同士の対談となっている。

次回のWORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREWもお楽しみに!!

INFORMATION

BLAST JAMS!! 2020

2020年10月11日(日)
OPEN,START 13:00
¥3500(adv), ¥4000(door)

-LIVE ACTS-
THE TOKYO, THE THROTTLE, JOHNNY PANDORA, ALI, Drop’s, RESERVOIR, 999999999, THE NUGGETS, submarine dog
&
FADEAWAYS, STOMPIN’ RIFFAFFS, LOS RIZLAZ, PSYCLOCKS, the GENO LONDON, UPDOWNbeats, ザ・ハイマーツ, THE MILLION DOLLAR DOGS

-DJs-
BLAST JAMS!! Crew -笹井トシオ, takuma, ヒラノツヨシ, ゴーゴージュリー, Shinyah, MACHI, WOODCHUCK-

-GUEST DJs-
Tokyo Rockin’ Crew, NIGHT FOX CLUB, And Friends

BLAST JAMS!!
https://twitter.com/BlastJams
https://blastjams.com/

笹井 トシオ
https://www.instagram.com/toshio_sasai/
Yui Nogiwa
https://www.instagram.com/nogiwarian/

LIQUIDROOM
https://www.liquidroom.net/schedule/blastjams2020_20201011

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