FASHION 2024.10.25

Interview:長谷部悠生(Kroi)とSUBUのモノづくり。 Kroi×SUBUのコラボシューズ第2弾が発売

Photography_Reina Tokonami、Edit&Text_Mizuki Kanno
EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

SUBUKroiのコラボシューズ“Spangle”に続く、第2弾コラボ“Wooly”が、11月に発売される。その話を聞き、第2弾絶賛製作中の4月某日、Kroiのグッズをプロデュースする長谷部悠生(Gt)とSUBUのデザイナー陣との打ち合わせ現場にお邪魔し、取材を決行。今年1月に開催されたKroiの日本武道館公演で特設ブースが設置され即完した第1弾“Spangle”製作の裏側から、今作“Wooly”の構想について話を聞いた。
丸みを帯びた愛らしいフォルム、種類豊富なデザイン、足を入れた時のあの包み込まれるような安心感。SUBUの魅力はそのままに、Kroiの圧倒的センスが落とし込まれた即完必須の“Wooly”のローンチが待ち遠しい。

Left to Right→
坂田祥一(SUBU/Sales)、永森和馬(SUBU/Designer)、
府川俊彦(SUBU/Director)、長谷部悠生(Kroi/Gt)

言語化せずとも、感覚で分かち合えた

ーKroiとSUBUのコラボのきっかけはEYESCREAMでの撮影がきっかけと伺いました。光栄です…! 実際に撮影現場でも大人気でしたもんね。(その記事がこちら)

長谷部悠生(以下、長谷部):千葉と益田がSUBU × EYESCREAMの企画でモデルをさせてもらって、2人が大絶賛だったので僕も履いてみたら、見事にハマりました。ツアー中の移動や、スタジオでの制作作業、撮影の合間など、脱ぎ剥ぎの手間がかからないのに、履き心地も良いのでリラックスできて、見た目も可愛い。最高ですよね。その頃、ちょうどKroiのグッズで靴を作りたいと考えていたので、SUBUさんと一緒だったら面白いものが作れるんじゃないかと思い、ご相談したんです。

府川俊彦(以下、府川):僕はちょうど出張中で、その撮影現場には行けなかったのですが、Kroiチームがとても気に入ってくれて、その場で買ってくださったと聞いて、とても嬉しくて。僕らは普段、セレクトショップをはじめとしたアパレルやアウトドア関係の方とのお付き合いがほとんどで、ミュージシャンに履いていただいたのは初めてだったんです。もちろん、ミュージシャンとのコラボをリリースするのも初めて。EYESCREAMさんの撮影がきっかけで、SUBUとしての可能性も広がりました。

ー我々もSUBU×Kroiの完成を楽しみにしていました。第1弾コラボとなる”Spangle”はブラックベースにスパンコールのデザインがKroiらしくもあり、とても可愛いですよね。制作はどのように進めていきましたか?

長谷部:皆さんが知っているSUBUの魅力はそのままに、僕らのカラーを加えられたらと思い、まずはSUBUさんの事務所にお邪魔して、実際に生地のサンプルをみながら自分のイメージに近いものを絞っていきました。

永森和馬(以下、永森):長谷部さんから「ミラーボールが当たって反射する感じ」などといったキーワードをいただいたので、そのイメージに沿った生地を僕らの方でもピックアップしてご提案しました。ちょうど中国から面白い生地をたくさん持って帰ってきていたので、いいタイミングだったんです。

長谷部:スパンコールの煌めきって、ミラーボールの光だったり、僕らの好きなファンクを彷彿とさせる雰囲気もあるので、Kroiのグッズとして相性がいいなと思ったんです。“全ての色を混ぜると黒になる”というKroiのバンド名の由来から、ベースのカラーはブラックにしようと決めていたので、アッパーのデザインは、割とすぐに決まった記憶があります。

府川:僕らの中でのKroiのイメージなども含め、さまざまな生地をご用意していましたが、実際に長谷部さんとお話ししている中で、僕ら的にも見えてきた感じがあって。言語化せずとも感覚で分かち合えたので、製作もとても順調に進みました。

ーアッパーのクールな雰囲気と対照的な、フットベットのヴィヴィッドなオレンジ地のストライプがアクセントになっていますよね。

長谷部:フットベットのデザインは、Kroiのグッズを一緒に作っている、僕と怜央の高校の同級生でデザイナーのPiggy bankが考えてくれたグラフィックを提案させてもらいました。何案か作りましたが、結果的にこれが一番よかったですよね。品のあるブラックのスパンコール地を生かす品のあるグラフィック。そのバランス感は、結構こだわりました。

府川:ここまでインパクトのあるフットベットのデザインは初めてなので、僕らとしても新鮮で、Kroiとのコラボならではの特別感があります。

長谷部:実際の反響みたいなところってどうでした(笑)?

坂田祥一(以下、坂田):身近なところで言うと、お取引先の方がKroiの武道館公演に行っていたみたいで、このコラボを見つけたらしく、テンション高めなコメントをいただきました。SUBUを知っている方からしたら、Kroiとのコラボは意外で、僕ら以上に新鮮だったと思います。

府川:インスタにも「Kroiとのコラボだ!」みたいな、コメントが結構届いていたよね。ポジティブな反響がとても多かった。

長谷部:僕らもコラボしてグッズを作ったのが初めてで、そのお相手がSUBUさんでとても嬉しいです。大満足の仕上がりになりました。第2弾も、皆さんの期待に応えられる仕上がりになると思います。

府川:第1弾を作っていた時から、長谷部さんの中に、まだまだ作りたいイメージがありそうな気配は感じていました。

長谷部:第1弾の製作中に一目惚れした生地があって。めっちゃいいなと思ったので、その生地を使って第2弾を作ることを決めました。家の中でも外でも履けることがSUBUの魅力のひとつですよね。第1弾はどちらかと言えば、外で履くシチュエーションをイメージしていたので、次はルームシューズとして欲しくなるデザインにしたいなと思っています。

ーソールのカラーもバリエーションがたくさんあって、悩みますね。

永森:形は一種類だけですが、色や素材で遊べるようになっていて、生地との相性をみながら検討していくんです。

長谷部:悩みますよね。この生地に合わせるなら、グリーンも可愛いし、少し落ち着いたブルー味の強いグリーンも良いな。こうした作業がすごく楽しいんです。

“グッズ”の概念を壊したい

ー長谷部さんが今日着ているアイテムは全て、長谷部さんがプロデュースされているKroiのグッズなんですよね。

長谷部:ゲームシャツとマウンテンハットがKroiの3rdアルバム『Unspoild』のツアーグッズで、パンツは6月に開催する赤レンガでのフリーライブの際に発売予定のものです。(※パンツは現在SOLD OUT)

坂田:シルエットも色味もめっちゃいいですよね。

長谷部:自分自身も欲しいと思うものとなると、ボディから作ることになっちゃうんですよね。その分、価格はちょっと高くはなってしまいますが、妥協したくないなと思って。バンド活動を一生懸命やっていると、グッズまで手が回らないこともあると思いますが、せっかく作るんだったら、良いものを作りたい。ありがたいことに、Kroiはおしゃれと言って頂けるようになり、ブランドの洋服を着て撮影する機会も増えたので、そのグッズがカッコ悪かったら嫌じゃないですか。なので、グッズの概念を壊したいと思い、2021年くらいから力を入れるようになりました。今のところ、満足のいくアイテムが作れていると思います。(長谷部悠生とデザイナーPiggy bankによるKroiのグッズ製作への想いを語った対談記事もこちらからぜひ!)

府川:僕もライブに行くのが好きなので、いろんなバンドのマーチを買いますが、確かになかなか日常では着れないんですもんね。型から作るって、時間もコストもかかるし、音楽活動をしながら、作り続けることはすごい。

長谷部:だけど、僕が作っているのはあくまでマーチで、Kroiの屋号があってこそだと思っているので、今までもこれからもKroiのロゴは絶対に入れていきたいなと思います。でも、小さく(笑)。府川さんがSUBUをデザインする上で、大切にしていることはありますか?

府川:足元って身につけるものの中で、一番生活と密接な関係性にあると思うんです。なので、プロダクトデザイン的なことで考えると、まずは機能的なところを担保して、あとはリラックスできることも大切にしています。僕はSUBUのことを白黒で見ているんですよね。コラボする相手の個性や特徴にあわせて、その都度塗り絵をしていく感覚。長谷部さんはそれがとってもお上手だなと思います。足し算、掛け算のセンスが効いていますよね。

長谷部:恐縮です。ありがとうございます。実際に生地を見て、ソールやフットベットの組み合わせを考えたりする作業が純粋に楽しいんですよね。第2弾のSUBU×Kroiのコラボシューズも期待していて欲しいです。

INFORMATION

SUBU×Kroi“Wooly”

発売日:11月初旬予定
SIZE:00/0/1/2/3

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