Interview: Kenta Dedachi 歌で世界を変えていこうとする姿勢

1999年生まれ、現在22歳。現在はLAの大学に通いながら音楽を発信しているシンガーソングライター、Kenta Dedachi。メロウでポップな楽曲が世界中で沸々と話題を集めているアーティストだ。4月13日に「Fire and Gold」を配信リリースし、これがメジャーデビュー作となる。本楽曲は国際工科専門職大学CMソングでもあり、今後ますます注目を集めていきそうだ。これからアーティストとして本格的に世界へ羽ばたくKenta Dedachiがどんな人物なのかをインタビュー。

讃美歌とゴスペルが根源的ルーツ

ーKentaさんは幼少期よりアコースティックギターを嗜んでいたということですが、どういう経緯で楽器を手にするようになったんですか?

Kenta Dedachi(以下、Kenta):いくつか理由があるんですけど、家庭環境が影響しているんです。通っていた学校がインターナショナルスクールだったんですけど、小学生から高校生までが一緒に生活するようなところでした。そこで、先輩たちが昼休みにギターを弾いて歌ったりしていたんです。それを見て、カッコいいと思ったから弾き始めたんですよ。当時、小学6年生だったと思います。それと、僕の父は牧師なので、日曜日に教会で讃美歌を歌うんですけど、その奏楽みたいな感じで弾いてくれない? って言われたりしていたのも、きっかけになっていますね。

ーでは、音楽的なルーツも必然的に、その頃に聴いたり弾いたりしていたものになりますか?

Kenta:そうですね。ワーシップ・ミュージックが多かったです。

ー14歳からはYouTubeへカバー動画投稿を開始し、今はTikTokなどでもムービーが視聴できますが、そこでカバーしているアーティストたちが、Kentaさんの音楽性にも影響を与えていると言えますか?

Kenta:はい、ギターを始めた頃からはポップスも聴くようになっていきましたし、カバーしているエド・シーランやテイラー・スウィフトといったアーティストはルーツとしてありますし、今も聴いています。最近で言えば、コナン・グレイやアリアナ・グランデも自分の音楽に影響を与えていると思います。僕はハーモニーだとか、声を重ねるボーカルが好きで、アリアナ・グランデはリファレンスとして勉強がてら聴いている感じもありますね。コナン・グレイは、声の出し方が繊細で、しかも豊富なカラーを表現しているので、それを学ぶ意味合いもあって聴いています。

海外生活で気づいた自分の中の日本人らしさ

ー何か聴く音楽に特定のジャンル感はありますか?

Kenta:あまり意識していないんですけど、好きな音楽はポップス寄りだと思います。やっぱり聴きやすくて乗りやすいですから。でも、作りたい曲のテーマがあったら、それに見合う音楽を探して、自分でプレイリストを作って研究したりしていますよ。

ーちなみに、KentaさんはLAの大学に通われているわけですが、その経験が音楽制作に活かされている部分はありますか?

Kenta:大学では音楽を専攻しているんですけど、ヒスパニックや黒人、アジア人といろんな人種の友達がいて、それぞれルーツの音楽が違うんですよ。そんな彼らと授業の一環でバンドをやったりしていると、ヴァイブスや歌唱表現も色々と種類があるんですよね。彼らの表現を真横で見ていると、すごく影響されますね。どう歌っているのかを聴いて一緒に練習したりとか。そんな風に友達との交流を経て、様々なことを吸収していきましたね。

ー日本ではなく、LAの大学で音楽を勉強することで学んだことはありますか?

Kenta:逆に、自分の中に日本人らしさを見つけた気がしますね。子供の頃から海外の人に囲まれて育ってきたし、聴いてきた音楽も洋楽が多かったんですけど、やっぱり僕は日本で生まれ育って、そこでベースとなる感性が身に付いていたんだなって。例えば、歌詞表現がネイティブの人と、ちょっと異なるんですよ。これはニュアンスの話で具体的には説明できないんですけど。

ー日本人らしい英語の表現になるということですか?

Kenta:歌詞を英語で書くとき、できるだけシンプルにストーリーを伝えたいと思うんですけど、1つのパートに色々な意味を入れたくなるんですよね。そこが異なる部分だと思うんです。例えば「20」という楽曲はKrysta YoungsというLAのソングライターと一緒に歌詞を書いていったんですけど、やっぱりアメリカっぽい表現だなって感じたんですよね。考え方も日本人とアメリカ人じゃ全然違うし、その辺りの差を感じました。あと、自分の曲の中で「I can’t seem to let you go」は他と比べてストレートな書き方をしていて、それが世界で一番聴かれているのも興味深いです。ストーリーとして英語歌詞を描くということは、今後も成長していかなくてはいけない部分だと思っています。

世界を変えられるはずだと歌う曲「Fire and Gold」

ーでは、4月13日リリース予定の「Fire and Gold」について。まだ配信前なので、どんな楽曲になのか教えてくれますか?

Kenta:ひと言で言うと、“僕らなら世界を変えられる”というコンセプトを持たせています。CM(国際工科専門職大学CMソング)が決まったこともあって、自分たちの世代、20歳前後の大学生から、大学を目指して勉強している人たちに向けて書きましたね。世界に出ていったときに、生まれながらにして自分に与えられたギフト(才能)を磨き上げて、それをどう使って世界に影響を与えていくのか、ということは、以前から自分の中でテーマとしてあったことなんです。

ーでは、Kentaさんがずっと考えていたことの一部を「Fire and Gold」で表現しているということになる?

Kenta:そうですね。僕が音楽をやる理由は、人をハッピーにしたり、聴いてくれる人のためになるものを作りたいという考えが根底にあって。現代は、自分の音楽を簡単に世界へ発信することができるじゃないですか。サブスクなどを介して。世界のどこかで、自分の音楽を聴いてくれた人がハッピーになってくれたら、それも世界を変えるということに繋がるんじゃないかって思います。これから音楽を発信していく中で、そういうことができたらいいなと思っているんですよ。

ー「Fire and Gold」はKentaさんにとってメジャーデビュー作となるわけですが、今後アーティストとしてやっていきたいことは、どんなことですか?

Kenta:メジャーデビューするということで、これからスタッフが増えて、チームが大きくなって、もっと楽しいことができるんじゃないかって考えています。やっぱり海外での活動も視野に入れてやっていきたいですね。音楽で世界中の人と繋がれたらいいなって気持ちは、強くあります。日本国内だけではなくて、世界中の音楽的なボーダーがなくなって、もっとフラットに音楽を楽しめるような世界になればいいと思うし、僕はそこのブリッジになるような存在になっていきたいです。