[Photo Report]kojikoji
1st solo show @LIQUIDROOM

Photography_Hiroki Asano
Text&Edit_Maho Takahashi

[Photo Report]kojikoji
1st solo show @LIQUIDROOM

Photography_Hiroki Asano
Text&Edit_Maho Takahashi

kojikojiのワンマンライブ「kojikoji 1st solo show」が去る6月16日(木)、LIQUIDROOMで開催された。満を辞して行われたこともあり、チケットは即ソールドアウト。タイトルの通り初のソロ公演となったわけだが、それを感じさせない繊細ながら自信に溢れたパフォーマンスを披露した。この日サポートメンバーには、ニューリーが参加。息の合った二人のセッションは言うまでもなく、少ない音数の中で揺らぐグルーヴと、全てを表現する柔らかな歌声は、会場をメロウな世界へと誘った。そんなエモさや幸福感、神聖さすら入り混じった一夜を振り返る。

部屋を模したステージには、大阪の事務所などから持参したというマガジンラックやソファが並ぶ。テーブルライトの明かりを見つめながら、静かに待ち侘びる客席。ニューリーの繊細な鍵盤で「TASOGARE」を予期しつつ、その音色に聞き入っていると、この日の主役kojikojiが登場。澄んだ歌声が会場に響き渡り、その崇高さに息を呑む。

早々に引き込まれたkojikojiワールドに浸っていると、ベースに持ち替えたニューリーと、kojikojiのギターセッションで軽快にアレンジされた「for you」をプレイ。続けて、ギターを片手に「愛のままに」を心地良いフロウで歌い上げる。楽曲を引き立たせるサウンドは、二人だから為せる業なのだろう。

ワンマン前日6月15日(水)にリリースしたばかりの新曲「true to true」では、良い意味で脱力したヴォーカルとグルーヴが、オーディエンスの身体を自然と揺らす。途中、機材トラブルやアクシデントにも見舞われたが、『機材もワンマンで興奮しているみたいです』と笑いを誘いつつ、『体調の悪い人は言ってくださいね』と暖かくフォロー。潔い音数で魅せるヴォーカルに没入する一方で、垣間見えるkojikojiの癒しの空気感が観客の頬を緩めた。

その後も新曲「WAN-TAN」「POYON」を披露しつつも、『ワンマンなので普段やらない曲もやります』と歌い上げた「BLUE」では、切なくも暖かい空気が会場を包み込む。ニューリーと互いのギターを入れ替えてプレイした「VIBES」で、アップテンポなアレンジで観客のバイブスも上々に。

続けて、「せもたれ」をチルに歌うと、繋ぎ目を感じさせぬまま「味のない summer」へ。切なくも爽やかな音の中、「I Gotta Go」でさらにエモーショナルに訴えかける。かと思えば「いつかのDAYS」では、『私みたいな恥ずかしがり屋な人でも参加できる方法です』とフィンガースナップで会場の一体感を生み出した。

再びギターを握ったkojikojiは、ニューリーが奏でる鍵盤ハーモニカのノスタルジックな音に乗せて「ペタッ」をプレイ。ニューリーが舞台を去ると、薄暗いステージのソファーに腰かけるkojikoji。『まさに、こんな感じで自分の部屋の椅子に座ってインスタライブをしていました』と当時を振り返りながら「現実 Feelin’ on my mind」、「NICE」を弾き語る。『リキッドでワンマンをさせてもらえるなんて、あの時は考えられなかったことです』と、当時配信を見ていたリスナーにとっても感慨深い光景となっただろう。

そして、ライブも終盤に差し掛かると、『今日は何も食べれないくらい緊張してたけど、暖かく迎えてくれてありがとう。最後まで楽しんでいきましょう』と「かさぶた」で柔らかな歌声を響かせた。本ライブを通して改めて、kojikojiによるカバーは原曲へのリスペクトだけでなく、作品の世界観や解釈が拡がっているから、心に染みるのだと感じた。

ラストは最新EP『PEACHFUL』(2021)から二曲をチョイス。しっとりと歌い始めた「ほろよい」は、リズミカルなアレンジであざとげな歌詞を軽快に歌い上げると、続く「もも」では、ピンクのライトに照らされ、ぽつりぽつりと奏でる音色と瑞々しいウイスパーボイスで共鳴。拍手に包まれる中『素敵な思い出をありがとうございます』と舞台を後にした。

その後、アンコールに応える形で再び舞台にkojikojiが現れると、ニューリーと同じくチームメイトの空音がサプライズで登場。三者によるイベント「Broth Works presents MORROW」をLIQUIDROOMで8月23日(水)に開催することを発表した。リスナーにはお馴染みのメンツながら、新たな試みとなる本企画はすでに待ち遠しい。8月31日(水)にリリースされるファーストアルバム『Mining』に重ねて、嬉しい報告となった。そしてショーは「普通」で締め括られた。

set list
1.TASOGARE
2.for you
3.愛のままに
4.true to true
5.wan-tan
6.BLUE
7.POYON
8.VIBES
10.味のないsummer
11.I gotta go
12.いつかのDays
13.ペタッ
14.現実Feelin’ on my mind
15.NICE
16.星を見上げる
17.かさぶた
18.じっくりコトコト
19.ほろよい
20.もも

encore
普通

INFORMATION

kojikoji

1st Album 『Mining』
発売:2022年8月31日(水)

「Broth Works presents MORROW」
開催:2022年8月23日(火)
会場:LIQUIDROOM
出演:kojikoji / 空音 / ニューリー
開演:19:00~ (開場 18:00~)
チケット:¥4,500(オールスタンディング)
販売:e+

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