Talk session
「MAKE A BOOM #7 -evergreen-」
開催を前に
フロントマンによる前哨戦 【前篇】

Photography—Hiroki Asano、Text—Chinami Hachisuka

Talk session
「MAKE A BOOM #7 -evergreen-」
開催を前に
フロントマンによる前哨戦 【前篇】

Photography—Hiroki Asano、Text—Chinami Hachisuka

ストリーミングサービスにSNS、YouTubeなどから発信される音楽が多く聴かれる近年は、スマートフォンから巻き起こるムーブメントが世界中を席巻しているといっても過言ではないだろう。そんな“ブーム”を生み出しているアーティストの楽曲で構成されるプレイリストプロジェクト「BOOM BOOM BOOM」のリアルイベント「MAKE A BOOM #7 -evergreen-」が6月30日(日)に恵比寿LIQUIDROOMにて開催。Ivy to Fraudulent Gameカネヨリマサルkoboreパーカーズプッシュプルポットの5組のバンドが集結する。

そんな一夜を前に各バンドのフロントマン5人のトークセッションを敢行。前篇、後篇の2回にわたってお届けする。今回はお互いの出会いやそれぞれの印象などを語ってもらった。

Left to Right
豊田賢一郎(パーカーズ)
山口大貴(プッシュプルポット)
佐藤赳(kobore)
ちとせみな(カネヨリマサル)
寺口宣明(Ivy to Fraudulent Game)

山口大貴(プッシュプルポット):よっしゃー、やるぞー! 何喋ろうか、徹夜で考えてきましたから!

――頼もしい。よろしくお願いいたします。今日は「MAKE A BOOM #7 -evergreen-」に出演する5バンドのボーカリストに集まってもらいました。まず、Ivy to Fraudulent Gameから寺口宣明さん。Ivyはパーカーズ以外の3組と対バンしたことがあるそうで。

寺口宣明(Ivy to Fraudulent Game):そうですね。パーカーズとは同じサーキットイベントに出たことがあるんですけど、まだ対バンしたことがなくて。

豊田賢一郎(パーカーズ):パーカーズはハッピーを大事にしながら活動しているんですけど、最近は自分の気持ちをちゃんと届けるような、カッコいいライブをしたいなと思っていて。僕はまだIvyのライブを拝見したことはないんですが、勉強させていただきたいなと思っているので、当日がめっちゃ楽しみです。

寺口:お互い全然色が違うと思うので、寄せにいくこともなく、自分たちらしく堂々とやり合えたらと思ってます。

――対バンしたことのある3人から見て、寺口さんはどんな人ですか?

ちとせみな(カネヨリマサル):めっちゃ美しいお兄ちゃんって感じ。バンドはめちゃくちゃ熱くてカッコいいから「すごい……」と思いながらライブを観てたんですけど、楽屋とかでもホンマにシュッとしてて、美しいなと思いました。

寺口:岐阜でのライブだったんですけど、その日渋滞がすごくて。出番の20分前くらいに着いたから、シュッとしてたわけないと思うんですけど(笑)。

ちとせ:それでもシュッとしてましたよ。

寺口:……どうも、美しいお兄ちゃんです。

山口:自分で言うな(笑)。

佐藤赳(kobore):まあ僕も「ウェーイとか言わない人なんだろうな」というイメージを勝手に持ってたんですよ。だけど、そんなことはなくて。ライブが始まった瞬間スイッチが入ったように豹変するし、初めて会った日、ベロッベロで「タケちゃん、イェーイ」みたいな感じだったんですよ(笑)。その時に撮ったチェキは今でもうちの冷蔵庫に貼ってあります。

寺口:「イメージと違った」みたいなことはけっこう言われるかも。

山口:僕も「思ったよりバカなんだな」って思ってました(笑)。

寺口:それは違う! お前がバカすぎるから引っ張られちゃったの。ライブが始まるギリギリまで一緒に喋ってたから。

――どうしてそんなに急速に距離が縮まったんでしょうか?

山口&寺口:お互いバカだったから?

佐藤:何ですか、それ。バカすぎて会話終わっちゃったよ(笑)。

――続いて、この中で唯一のスリーピースバンド・カネヨリマサルから、ちとせみなさん。パーカーズの豊田さんは以前からカネヨリマサルの曲を聴いていたそうですね。

豊田:はい。「もしも」から入りました。クラウチングスタートしてるアルバム、あるじゃないですか。

ちとせ:『突き動かされてく僕たちは、』?

豊田:そうです! あのアルバムに入っている「本当はどうでも」を聴いて、「めっちゃいい!」ってなって。

ちとせ:嬉しいです。アルバム曲も聴いてくださっているなんて。

豊田:それ以来、カネヨリマサル、めちゃめちゃ聴いてます。YouTubeで弾き語りとかも観てたんですけど、めっちゃよかったです。対バンできて嬉しいです!

ちとせ:ありがとうございます!

寺口:ちとせさんはとにかく声がいいですよね。岐阜で対バンした時も「いい声してる……」と思いながら観てました。

――声といえば、ちとせさんは、koboreが2023年にリリースした曲「雨恋 feat. ちとせみな」にゲストボーカルとして参加していましたね。2組の関係性を改めて伺いたいです。

佐藤:実はカネヨリマサルと初めて対バンした時に、うちのベース(田中そら)がちとせさんが年上だってことを知らなくて、ずっとタメ口で喋ってたんですよ。「マサルさん」とか呼んでめちゃめちゃイジりだすから、俺がこっそり「年上だよ」って教えたんですけど、そしたら顔面蒼白(笑)。

ちとせ:あははは!

佐藤:そこから地味に、自然に敬語に戻していってたのは面白かったな。最初にどっちから声かけたのは覚えてないけど、曲聴いて、「一緒にやりたいね」みたいな話になって、対バンするところから始まって。プライベートとかで仲いいバンドの曲を聴くことってあんまりないんですけど、カネヨリマサルだけはプライベートでも聴くくらい、マジで曲が好きです。

――カネヨリマサルとプッシュプルポットは「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR 2023」で一緒でしたね。

山口:それまではほぼ面識がなかったんですけど、列伝ツアーを一緒にまわったことでめちゃくちゃ仲よくなって。そこからお互いのツアーに呼び合うようになりました。

――どうしてそんなに急速に距離が縮まったんでしょうか?

山口:お互いバカだったから?

寺口:だから違うって。うつってるだけ。

ちとせ:それは分かります。

山口:分かりますって……!

ちとせ:列伝ツアーは2週間で5ヶ所まわるスケジュールだったんですよ。短いスパンで対バンしまくると、人となりも知れるじゃないですか。人として波長が合ったんかなと思います。

山口:去年のクリスマスイブに僕たちのツアーに出てもらったんですけど、みんなでクリスマスプレゼントを持ち寄って交換したんですよ。

佐藤:いいなー、楽しそう。

豊田:山口さんは何をもらったんですか?

山口:俺はサボテン栽培キットをもらった。まだ育ててないけど(笑)。

――お二人は何を用意したんですか?

ちとせ:私はスキンケアセットです。

豊田:めっちゃいいですね。

山口:僕は無印のカレーライスとバームクーヘンのセット。

寺口:もうちょっとあったでしょ。クリスマスプレゼントだよ?

山口:だって予算3000円って決まってたから。3000円やったらカレーがベストなんやって! 美味しいし!

――続いて、プッシュプルポットより山口大貴さん。豊田さんから見て、どんな人ですか?

豊田:僕らパーカーズはプッシュプルポットとまだ対バンしたことがないんですけど、つい最近イベントで一緒になって、その時初めて山口さんとちゃんと話したんですよ。Arakezuriという共通の知り合いのバンドの、(白井)竣馬さんから「絶対にプッシュ好きだと思う」「合うと思うよ」とずっと言われていたんですけど、実際に話してみたら、めちゃめちゃハッピーな人で。対バンできるの、めっちゃ嬉しいです。

――ここまでのやりとりを見て、山口さんは愛され上手で後輩力が高い人なのかなと思いました。

寺口:でも、ぐっちとはこんなに仲良くなると思わなかったな。

佐藤:最初、ドラムの明神(竜太郎)ばっか絡んできて。

寺口:そうそう。「他のメンバーは?」って聞いたら、「あいつらはビビりだから」って言ってたから、ぐっちとここまで仲良くなるイメージがなかった。

山口:明神はすごいんですよ。コミュ力の鬼。他のバンドへの挨拶とかはあいつがだいたい何とかしてくれるんです。俺は自分からいきなり行くのは難しい。0から1を作ることが苦手なんですけど、あいつが挨拶に行ってくれてたり、既に対バンしたことがあるバンドだったりすると、「1はもうできてるから」って頑張れるというか。

佐藤:1から1000にするのは超上手いよね。その才能はすごくあると思う。急に1000くらいで来るから、一気に距離が縮まるというか。

――なるほど。そして、koboreからは佐藤赳さんが来てくれました。

ちとせ:koboreはとにかくライブがカッコよすぎて。対バンけっこうしてるんですけど、毎ライブホンマに最強やなって思える。私たちより年下なんですけど、「完璧なヒーローみたい」と思いながら、ホンマに憧れみたいなレベルでリスペクトをしてます。

寺口:自分たちのツアーのファイナルに出てもらったことがあるんですけど、その時もめちゃめちゃいいライブをしてくれました。言葉も曲も熱いバンドなので、こうやってまた一緒にできて嬉しいです。

豊田:自分にとってもkoboreは本当に大きな存在で。というのも、大学のサークルでコピーバンドをしていたんです。

佐藤:えっ、マジですか!

豊田:「ヨルノカタスミ」や「幸せ」でkoboreに出会って、いろいろな曲をコピーしました。

――すごい。だいぶ初期から。プッシュプルポットはkoboreと何度か対バンしてますよね。

佐藤:俺、ぐっちに似てるってめっちゃ言われるんですよ。

山口:俺もめっちゃ言われる!

佐藤:対バンするようになる前から「プッシュプルポットってバンド知ってる? ボーカルのぐっちってやつが、赳にめちゃくちゃ似てるんだよね」ってけっこういろいろな人に言われて。

寺口:それはステージが似てるってこと? それとも見た目?

佐藤:自分ではあんまり分からないけど、歌い方とか話し方が似てるらしい。あと、譲らないところも似てるって言われる。

山口:赳くんに似てるって言われて、最初は嬉しかったんですよ。俺も大学でkoboreのコピーとかやってたので。だけど赳くんという人間をだんだん知っていったら、別にそうでもなくなったというか(笑)。

佐藤:ふざけんなよ(笑)。

――そう言えるほど、今は気の置けない関係だと。パーカーズからは豊田賢一郎さんに来てもらっています。ギターが3人にいるバンドは出演者の中ではパーカーズのみですが、この編成にはやはりこだわりが?

豊田:たまたまそうなっちゃったんですよね。大学のサークルで僕らコピバンとかしてたんですけど、そこからバンドを組もうとなった時に、「俺も」「俺も」ってギターが3人になっちゃって。

寺口:待って、一番バカかもしれない(笑)。

豊田:(笑)。始まりはそんな感じだったんですけど、never young beachへの憧れもあったので、「やってみようか」という話になってギター3人になりました。

寺口:それはそれで、住み分けが難しそうだね。

豊田:高音域、中音域、低音域みたいな感じで割り振ってます。

佐藤:合唱みたいに?

豊田:そんな感じです。

寺口:面白い。4ピースバンドだと、リードギターの隙間をバッキングギターで埋めるみたいな考え方になるけど、もう完全に住み分けてるんだ。

豊田:そうですね。正直最初の頃は、「自分の出したい音や好きな音があるのに譲らないといけない」みたいな難しさがあったけど、意外といい感じですよ。迫力が出るので。

――パーカーズとちゃんと対バンしたことがある人はまだいないみたいですが、音源からはどんな印象を持ちましたか?

ちとせ:曲を聴きながら、「ハッピーな感じでいいな」「心があったまるな」と思ってました。なので、ライブがどんな感じなのか、すごく楽しみです。

佐藤:どこか懐かしい感じがするよね。僕は音が好きです。「このメロディ、どこかで聴いたことがある気がするんだけど思い出せない……!」みたいな絶妙さがあるなと思っていて。あと、音がいい。カラッと乾いているんだけど、奥行きのある音ですよね。僕らもレコーディングでは当然音にこだわったりしてるんですけど、このバンドも突き詰めてるなと。パーカーズって名前はシンプルでも、一筋縄じゃいかないバンドだなと思いましたね。

豊田:めっちゃ嬉しいです。ありがとうございます!

前篇はここまで。5組のフロントマンによる熱い語らいはまだまだ続く。
後篇はコチラをチェック。

INFORMATION

MAKE A BOOM #7 -evergreen-

開催日:2024年6月30日(日) OPEN 14:30 / START 15:30
開催場所:恵比寿LIQUIDROOM
ARTIST:
Ivy to Fraudulent Game / カネヨリマサル / kobore
パーカーズ / プッシュプルポット

イベント公式サイト
イベントチケットサイト
BOOM BOOM BOOM プレイリスト

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