MUSIC 2026.07.06

Photo Report:tsuchifumazu “Party” 2026 in Tokyo

Photography_Shoichi Okatake
EYESCREAM編集部

映像の力で音楽の景色を拡張し続けるクリエイティブユニット・tsuchifumazuが主催するパーティー「tsuchifumazu “Party” 2026」。4月のソウル公演をSOLD OUTで終え、その熱をそのまま海を越えて持ち込むように、6月27日、渋谷・MIDNIGHT EAST(Spotify O-EAST & AZUMAYA)にて東京公演が開催された。台風が接近する不穏な空模様すら巻き込むように、深夜0時の開場とともにフロアは確かな熱を帯びていく。

この夜の主役は、ステージの上だけにいるわけではない。Spotify O-EASTのメインステージ、O-EAST 3Fステージ、そして東間屋——3つのステージを舞台に、tsuchifumazu自身がキュレーションしたアーティストたちがフロアそのものを塗り替えていく。日本と韓国、ジャンルもスタイルも異なるアーティストたちが、映像と音の交差点で次々と火を灯していった。
メインステージに足を踏み入れると、まず視界を満たすのはスクリーンに走る光だ。tsuchifumazuのビジュアルが空間を包み込み、音が鳴る前から、ここが特別な一夜であることを予感させる。彼らがインタビューで語っていた「アーティストに寄り添う」という姿勢そのままに、それぞれのアクトに呼応した映像が、出演者の魅力を一段と引き上げていく。

そしてこの夜の焦点となったのが、韓国から来日した二組だ。ソウル公演でも共演を果たしたAzikazin Magic Worldは、tsuchifumazuの映像と重なり合うことで、その世界観はさらに鮮烈な輪郭を帯びていった。
日韓の音楽シーンが地続きにつながっていく——まさにこのパーティーが掲げてきたテーマが、最も鮮やかに立ち上がった場面だった。
Salamandaは、アンビエントとダンスミュージックの狭間を漂うようなサウンドで、フロアの時間の流れそのものをゆるやかに溶かしていく。tsuchifumazuの映像と二人の音が呼応するその瞬間、会場全体が一つの呼吸を共有するような、深い没入の時間が流れた。
そして、その静寂を断ち切るように現れたのがVaVaだ。Salamandaが作り上げた深い没入と沈黙の余韻を、ほんの数音で一変させる。フロアの空気が音を立てて切り替わり、それまでゆるやかに漂っていた身体が一斉に跳ね上がっていく——あの夜の流れを決定づけた、紛れもないターニングポイントだった。

Azikazin Magic World

Salamanda

VaVa

一組のアクトがここまでパーティー全体の温度を左右するのかと、目の当たりにして思わず息を呑む。静と動、緩と急。誰の音をどこに置き、どこで張り詰めた糸を緩め、どこで一気に引き絞るのか——その繊細な緩急のディレクションこそ、tsuchifumazuがオーガナイザーとして発揮した手腕に他ならない。映像作家としてアーティストに寄り添ってきた彼らだからこそ描けた、一夜全体を貫く“演出”がそこにあった。

夜が明けに向かうにつれ、フロアの熱はさらに加速していく。終盤、長年tsuchifumazuと深く制作を重ねてきたパソコン音楽クラブが立ち上がる。どこかノスタルジックでありながら瑞々しいそのサウンドは、明け方へと向かう空気に溶け合っていく。スクリーンに広がる映像は、まさにこれまでのライブ演出で築き上げてきた信頼の延長線上にあり、音と光が分かちがたく重なり合うその光景には、二人三脚で積み重ねてきた年月そのものが滲んでいた。
そして、その余韻を引き継ぎ、この一夜を締めくくるように現れたのがlilbesh ramkoだ。轟音と歪んだエネルギーでフロアを一気に掌握し、明け方の熱狂をさらにもう一段引き上げていく。tsuchifumazuがPOP YOURS 2026でもライブ演出を手掛けてきた間柄だけあって、映像と音の噛み合い方には一切の隙がなく、その猛烈なグルーヴにフロアは限界まで押し上げられていった。最後の最後まで音と光が途切れることなく走り抜けた、まさにクライマックスと呼ぶにふさわしいステージだった。

パソコン音楽クラブ

lilbesh ramko

この一夜の熱を語る上で欠かせないのが、メインステージと並んで独自の景色を描き続けた、もう二つのステージの存在だ。フロア全体が一つの大きなうねりとなっていたこの夜、それぞれの場所で異なる時間が流れ、互いに呼応し合っていた。
O-EAST 3Fステージでは、MANONやsysmoをはじめとするアーティストたちが、エネルギッシュな空気でフロアを満たしていった。そして東間屋(AZUMAYA)では、かねてよりtsuchifumazuと交流を重ねてきたDJ KROらが登場。より親密で深いグルーヴが流れ、夜通し途切れることのない熱が、この空間ならではの濃密な時間を紡ぎ出していた。

メインステージの大きな波と、二つのフロアそれぞれの呼吸——その三つが重なり合うことで、この夜全体が一つの大きな“パーティー”として立ち上がっていた。
ここで全ての出演者に触れることは叶わないが、それぞれのステージで火を灯したアーティストたち一人ひとりの存在こそが、この一夜を特別なものにしていたことを、最後に記しておきたい。
音が途切れることなく繋がっていったこの一夜は、tsuchifumazuがずっと大切にしてきた「混ざり合う場所をつくる」という想いを、あらためて鮮やかに描き出していた。映像と音、日本と韓国、ステージと客席——あらゆる境界がゆるやかに溶け合うその光景こそが、彼らの目指すパーティーの原点なのだろう。

INFORMATION

tsuchifumazu “Party” 2026 in Tokyo

◼︎tsuchifumazu

https://tsuchifumazu.com/

◼︎tsuchifumazu “Party” 2026 in Tokyo
開催日時:2026年6月27日(土)
開場・開演:24:00
開催場所:渋谷 MIDNIGHT EAST(Spotify O-EAST & AZUMAYA)
出演者:Azikazin Magic World(KR) / DOGGIE / 土偶センパイ/ HEAVEN’S GATE CREW / It’s US!!!! / LAUSBUB / levi / lilbesh ramko / MANON / PAS TASTA / パソコン音楽クラブ / Salamanda(KR) / sysmo / VaVa / 揺楽 瑠香

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