新世代を牽引するティーンガールのアイコン。
Pretty Sickのサブリナが今思うこと。

photography_Yuki Aizawa(Interview), Kazumasa Kawashima(Report), edit&interview_Yuho Nomura, translation_Saya Nomura

新世代を牽引するティーンガールのアイコン。
Pretty Sickのサブリナが今思うこと。

photography_Yuki Aizawa(Interview), Kazumasa Kawashima(Report), edit&interview_Yuho Nomura, translation_Saya Nomura

ニューヨークのハイスクール時代に3ピースのガールズバンドを結成し、早熟とも言える音楽性はもとい、卓越した楽曲センスから多くのファンを虜にしてきたPretty Sick。現在はそのメンバーを一新し、旧メンバーから引き続きボーカル兼ベースを担い、バンドのフロントマンであるサブリナを筆頭に「ONYX COLLECTIVE」のドラマー、Austin Williamson「Virgins」のギターであるWade Oatesを迎えて構成。新生Pretty Sickとしての活動を再始動させた。新生Pretty Sickとしての活動を始動させた。
先日紹介した通り、新体制での先駆けとなるシングル“Dumb”のMV試写会のために来日した、ティーンエイジャーのアイコンであるサブリナへ今回特別にインタビューを敢行。今年18歳となり、ロンドンへ拠点を移した稀代の若き才能が思うこととは。

ーまずはじめにサブリナが音楽に興味を持ったのはいつ頃だったのでしょうか?

小さい頃から音楽が身近な環境ではあったんだけど、本格的に音楽に目覚めたのは確か12歳の時。聴いているだけではなくて、自分でもなにかやってみたいと演奏への衝動が湧き出て来て、独学でギターを弾き始めたの。それからすぐにベースも弾くようになったらそっちの方が自分には合っていたみたいで、それからは楽器はずっとベースを弾いているかな。

ーその頃はやはりロックミュージックばかり聞いていたの?

うん。幼い頃からスマッシング・パンプキンズやジーザス&メリーチェイン、ダイナソーJr、ビョークなんかを聞いて育ったので、この辺りの音楽には影響を受けていると思う。いつかはビョークと一緒のステージに立つことが夢なの。

ーその頃から自分がミュージシャンとして活動することを意識していたんだ。

そうなの。それである程度ベースが弾けるようになって来たら、近所にロックミュージックが流れるカフェがあったんだけど、そこがフリーエントランスで誰でも気軽に演奏したり、コーヒーやお酒を飲んだりできる場所だったので、そこで私もソロで演奏をしたりしながら、せっかくロックをやるならバンドを組みたいなって思い始めたって感じかな。

ーそれがハイスクール時代に結成したPretty Sickの始まりに繋がってくるわけだね。

うん。とはいえ学生時代はなかなか音楽的な趣味の合う仲間と知り合うことができなくて、変わり映えのない毎日に退屈していたの。そしてあらゆる刺激を求めていた頃に、ニューヨークに住む学生たちに広く開かれていたアフタースクールプログラム「ROCK CAMP」で、ようやく気の合う仲間と出会えた。それがバックアップコーラスとギターを担当していたエラとドラムのエヴァ。彼女たちは私よりも二つ歳上だったんだけど、音楽以外にもファッションだったり、当時の私たちの世代やニューヨークを取り巻くあらゆることに対して価値観が合ったの。

ーサブリナは元々3ピースのガールズバンドを結成しようと思っていたのかな?だとすればその理由も訊きかせてください。

なんとなくだけどね。女性だけでやってみたいなって。理由はいたってシンプルで、私が女性と仕事をしたり、時間を共有することが好きだからかな。男性社会にいることって皆が思っている以上に窮屈だからね。

ー旧Pretty Sick時代の音源を聴いていると、今よりもよりグランジーで、歌詞のメッセージ性も過激なものが多かったりする気がします。例えばLGBTQに対して言及していたり、me too問題についても触れていたり。それがガールズバンドであるサブリナ たちのピュアな言葉としてすごくエネルギーを持っていたなと感じたいたのですが、その辺りに関してはどうかな?

強く意識してはいないといえば嘘になるけど、その時々で私たちが関心を持っているテーマを歌っていたのは間違いないかな。LGBTQという問題に関しては、ニューヨークの街にとっても深い繋がりがあったし、だからこそ特に当時は私自身が形作る音楽にもそうした想いが感じられていたのかなって思うわ。

ーその頃に制作していた音源はどんな形で発表していたの?

基本はSoundCloudなどのインターネット上に存在するストリーミングサービスがほとんど。フィジカルの作品にするにはそれなりにお金もかかるし、レーベルなどを通さないといけなかったり、当時の私たちにとっては少しハードルが高かったから。それでもアナログ的な趣向は私たちにとっても大切なモノだという認識はあったので、過去にMIXCDは一枚だけ作ったことがあるの。いつかはカセットテープとかで出せたらいいな、とは思っているんだけどね。

ーそれはサブリナをはじめ、ミレニアル世代特有の感覚だよね。ただその後、Pretty Sickはすぐに新体制となったわけだけど、メンバーを入れ替えたのにはなにか理由があったのかな?

エラとエヴァが高校を卒業することになって、大学へ進学するのと同時に自然と今までのような活動を続けていくのが難しくなってしまったから。それでも、私自身の内で燃えていた音楽への想いは消えることがなかった。

ーそれで今のメンバーと出会い、新生Pretty Sickとしてリスタートを切ることになったと。それぞれのメンバーとの出会いはなんだったのかな?

うん。ウィリアムズバーグにある「SHIZEN THE OVER SEA」というクリエイティブサロンで行われたレセプションパーティに行った時に、ギターのウェードに出会って、ドラムのオースティンはスケーターでアーティストのアダムがやっているスタジオで紹介してもらったのがきっかけ。

ーサブリナの周りには音楽関係の人だけじゃなく、スケーターやフォトグラファー、デザイナーなどクリエイティブな若者が常に一緒に居る印象が強いんですが、そうしたコミュニティはどのようにして生まれて行ったのでしょう?

ニューヨークは広いように見えて実は狭い。遊ぶ場所だったり、行きつけのお店が一緒だったりすると自然と仲良くなっていくし、共通点や好きなものが一緒だったらそこからどんどん友達の輪が広がっていくの。私も気が付いたらこの数年でどんどん仲間が増えて、今一緒に居るような仲間たちとこうしたコミュニティの中で過ごせるようになった。同時に成長もさせてもらってる。

ーなるほどね。ただ一緒に居て楽しいと言うだけではなくて、互いに成長できる関係っていうのがいいよね。

別でバンドを組んでる仲間もいるから、ギターやベースを教えてもらったり、音楽の話をしたり、アドバイスをもらったりね。とても刺激的なコミュニティだと思う。

ーサブリナにとってとってニューヨークってどんな場所なんだろう?

ニューヨークは私にとって生まれ育った場所、すなわち家みたいなところ。多くの人にとってニューヨークは何が起こるか誰にも予想できない、クレイジーな大都市のようにも言われているけどね。今は昔ほど危険でもないし、安全なエリアだと思うわ。私は今高校を卒業して、ロンドンにアートの勉強で留学しているけど、やっぱりたまに恋しいなって思う瞬間がある。特別な場所なの。

ーうんうん。ニューヨークは特別な場所でありながらも、いつでも帰ってこれる家のような感覚だからこそ、潔くロンドンへ拠点を移したり、今回のように東京でゲリラ的なイベントを行うような、アクティブに行動できる原動力になっているのかな。

そうかもしれないわね。今回はたまたま原宿にある「ドミサイル東京」というセレクトショップで私たちの仲間のブランドのポップアップイベントがあったのと、ハロウィーンの時期と被っていたし、みんなで遊びに行こうってなって。それでせっかくなら最近できたばかりのシングルのMVの上映会もやろうってなったの。本当に急に思い立って企画したから全然準備ができなかったけど、いつもとは違う場所、すなわち東京でやれたのはとても面白かったし、いい経験になったわ。私たちにとってMVは、音源と同じくらい重要な表現。それはきっと私自身が音楽が中心でありながらも、興味や関心がそれだけに収まりきらないという一種のアウトプットに対する答えでもあると思う。それはクリエイションに限らず、家族との時間や友達と過ごす時間。あるいは私たちの中ではケア・プロジェクトと呼んでいるけど、誰かに対して手を差し伸べられるようなサポートもしていきたいと考えているの。だから音楽以外の活動も私にとっては一貫していると思っている。

ーその考え方というのは、以前のPretty Sickの時と比べると変わってきた部分でもあるのかな?

そうね。結果的に聴く人にとってなにかしらのハッピーや気付きを与えられるものであればいいと思っているけど、以前に比べて政治的だったり、社会的なメッセージは減ってきたかなと思う。それはあくまでも手段だったり、その時の私の気分も反映されていることだから。

ーサブリナには他の18歳とは異なる、どこか大人びた印象を感じるんだけど、自分ではどう感じる?

そんなに特別だとは感じないけど、Opening CeremonyやTeen Vogueという雑誌だったり、Obesity&Speedっていうブランドでもモデルをやらせてもらったり、周りにサポートしてくれる歳上の人たちが多かったのはあるかもしれない。本当にこの数年間で劇的にライフスタイルが変わったとは思うから。でもみんなと同じようにInstagramをしたり、パーティをして楽しんだりしているから感覚は変わらないかな。

ーInstagramの勢いはアメリカでもすごいんだね。

私たちの周りでももちろん流行ってはいるけど、そこまで固執はしていないかな。だってInstagramだけの為に送る生活なんて最悪じゃない?私たちのコミュニティにはいないけど、そうした人たちをクラウドチェイサーって呼ぶ言葉も生まれているの(笑)。

ー日本でいうインスタ映えみたいな感じかな(笑)。そうしたSNSと向き合う際に意識していることとかはある?

情報の収集という面では良くも悪くも本人に判断が委ねられるメディアではあると思うけど、私たちのようにこれから社会のことを知っていく世代にとってはやっぱり重要な存在だと思う。この前の選挙での反応もいろんな意見が散見できて、自分なりの考えを整理できる良い機会でもあったし。溢れかえる情報をどう見極め、自分なりに吸収できるか。それ次第で変わるよね。

ーうんうん。やっぱり大人だね(笑)。それじゃあPretty Sickとしては今回のシングルのリリースを機にアルバム制作や次なる取り組みも予定しているみたいだけど、その展望やなにかしらのインフォメーションがあれば教えてください。

昔に比べて今は音楽制作やレコーディングする環境がどんどん良くなっているから、とにかく今は私たちにとっての最初のアルバムを早く作りたいと思っているわ。今回の東京でも手応えを感じられたし、どんどんライブもやっていけたらと思っているの。日本のみんなにも是非聴いてもらいたいから楽しみにしていてね。

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以下は中目黒Berryで行われた、Pretty Sickによる国内では初となる新作シングルのMV上映会の模様。当日はローカルフレンドでもあるニューヨークのスケーターやモデル、アーティストたちが集結。東京のミレニアル世代も数多く駆けつけ、現在のバンドの勢いを象徴する一夜となった。

INFORMATION

Sabrina Fuentes
https://www.instagram.com/sickysab/