MUSIC 2021.08.06

“Happier Than Ever”発表を経て 今、Billie Eilishが思うこと

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

2019年に『WHEN WE ALL FALL ASLEEP, WHERE DO WE GO?』がリリースされて以降の2年、Billie Eilishが新曲を発表する度、それまで以上に音楽性、歌詞の内容、本人のファッションから言動までが世界中で話題になってきた。
MVにおける表現は、どの作品もそれぞれに異なっていながら魅力的で、どこを取っても驚かされるものばかりだ。世界中の誰もが認める次世代のアイコンであり、どんな些細なことにも世界が注目する。そのあたりの葛藤の一部が『世界は少しぼやけている』で描かれ、そこに対しての反響も絶大であったわけだ。
あんな素晴らしい1stアルバムが出て、次の作品はどんな形で世に生み出されるんだろうか。というか、そう簡単に発表されることはないだろうと勝手に思っていたわけだが、Billie Eilishのニューアルバム『Happier Than Eve』は完成していて、この7月30日に公開されたわけだ。Billie Eilish自身が「今まで作ってきたものの中で一番お気に入り」と語る本作、どんな内容なのかは聴いてみるのが1番早い。

この新作に関するロングインタビューもRolling Stone Japanに公開されているので、ここからもどんな作品なのかをリスナーは窺い知ることができるだろう。和訳付きのムービーも公開されている。

さて、ここでは、『Happier Than Eve』リリース以降、日本へのメッセージや自らと同世代へ向けたショートインタビューを紹介していく。

―ニューアルバム『Happier Than Ever』のコンセプトや方向性を教えてください。これは前作の続編?それとも、まったく別の新しい世界?

Billie Eilish(以下、Billie):『Happier Than Ever』と前のアルバムに関連性はない。でも同時に180度変わったわけじゃなく、だた前回とは異なる新しい作品というだけ。不思議なのは同じものを作っても文句を言われるけど、方向性を変えても怒られること。どっちにしろ批判されるんだったら自分がやりたいことをやればいい。最近そのことをよく考えてる。もし似たようなジャンルの作品を作って見た目も何も変えなかったら、『またこれかよ』ってやじられるし、逆に変えたら、『なんで変えたの!?気は確か!?』って言われちゃう。どっちにしろ嫌われるなんてやってらんない。

※Billie Eilish自身がディレクションしたMV「Happier Than Ever」

―「Happier Than Ever」のミュージックビデオのコンセプトは?

Billie:「Happier Than Ever』のMVは今までで1番楽しい撮影だったし、1番誇りに思えるビデオ。色々なもののメタファーになってる。特に感情操作や感情的虐待の隠喩とかね。

―日本では、多くの人が“次のビリー・アイリッシュ”になることを夢見て、自分の部屋で音楽を作っています。音楽を作るうえで最も重要なことは何だと思いますか?また、ベッドルームで曲作りをしているたくさんの人にメッセージやアドバイスはありますか?

Billie:私がずっと感じていて、最近になってより確信を持つようになったのは、今何が起こっているかを理解するのは人間にとってすごく難しいんだ、ということ。逆に2年前を振り返って理解するのは簡単なのに、自分の目の前に現れたものを瞬時に把握するのは難しい。若いときは特にそう。例えばアルバムのことを聞かれても、それは今起こっていることだから説明できないんだよね。私にとっても新しい出来事だから自分でもわからない 『19歳でいるってどんな気持ちですか?』なんて聞かれても、そんなの言葉で説明できる? 難しいよね。作品で表現されているのは、その世界。注意散漫で頭が働かないから、家が水浸しなことにも気づかない。周りが見えなくなっている状態だから水位がどんどん上がってきて、家が浸水し、気づいたら水の中。これが象徴しているのは周りの出来事に盲目になり、精神的に利用され、振り回されている状態。でも自由に解釈してね。インスピレーションを得るって悪いことじゃない。何でも批判する人たちがいる”それは真似だ”とか”オリジナリティがない”とか新人を責める。でも私は、最初は誰だってそうだと思う。いきなり独創性なんて生まれない。まずは自分の好みや可能性を追求しなきゃ。ただの真似と、そこから何かを学ぶことには違いがある。わかるでしょ? インスピレーションを得ることはコピーではない。どんなアーティストだって誰かからインスピレーションをもらうことからスタートするの。だからそれを恐れないで、それが私の1番のアドバイス。自分がやりたいことをやっていれば達成感が得られるはず。

―次に日本に来たときに見たいもの、やりたいこと、食べたいものはありますか?日本のどこに行ってみたいですか?

Billie:日本に行くのが待ちきれないよ。日本での思い出は、本当に素晴らしいものばかり。なのに長いこと行けてないんだよね。(日本に行ったら)ご飯を食べて、買い物もして、会えてない人たちにも会いたいな。オーディエンスのみんなにも。もう3、4年会えてないし、行きたくてしょうがないな。

―日本のファンは、昨年の秋のツアーをとても楽しみにしていました。そんな日本のファンへ向けてメッセージをお願いします。

Billie:日本のみんな、大好きだよ。みんなに早く会いたいけど、会える日まで一緒に我慢。絶対に行くから。大好きなみんなのために、そばにいるからね。

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