ART 2022.11.16

名越啓介の写真展『ON THE LINE』が香川で開催。1st写真集『EXCUSE ME』からのセレクトも交えるエクスクルーシブな展示に

EYESCREAM編集部

今年6月に東京で開催して以降、大阪、熊本、石川と巡回してきた写真家・名越啓介の個展『ON THE LINE』が、11月19日（土）より香川県高松市のCENTER/SANUKIにおいて開催される。

名越啓介の写真展が2会場で同時開催。アメリカをトレインホッピングしながら撮影した新作展と俳優・渋川清彦を捉えた写真集『ALL.』からの展示

名越啓介の写真展『ON THE LINE』が石川県加賀市で開催。名越の現在地を浮かび上がらせる展示構成となる

『ON THE LINE』は、名越が今年2月に約3週間、アメリカのトレインライダー（貨物列車で生活をする人々）とともに生活／移動しながら撮影した新作写真展。これまで名越は、世界の辺境地域やマイノリティーなコミュニティーに入りこんで、寝食をともにすることで被写体の素顔を引き出してきたが、本展においてはこれまで取り組んでこなかった、自分の心と向き合いながら撮影したランドスケープ写真が展示される。

今回のCENTER/SANUKIにおいては、『ON THE LINE』の写真に加え、名越の初の写真集となった『EXCUSE ME』（2006年）からもセレクト。フィリピン、韓国、タイ、モンゴルとアジア4カ国を巡り、路上をさまよい、撮りたいと思った被写体に「エクスキューズ・ミー」と声をかけて撮影していった本作について作家は「初期衝動一発だった。あのときのような初期衝動に帰りたいけどもう帰れない」と語る。しかしまた、『ON THE LINE』のステートメントのなかで名越は「もう過去の自分はいらない。おさらばして新しい自分を愛す時がきた。」とも書いているように、『ON THE LINE』＝新たな一歩と、最初のはじまり＝『EXCUSE ME』が巡り合うことで作家の現在地を浮かび上がらせる、特別な展示となりそうだ。