Tokyo Culture Vibes
#01. 清水こづえ
トレンドが目まぐるしく交差する東京のストリート。しかし、本当に目が留まるのは、流行を追う姿ではなくその街のノイズに溶け込みながらも確かに滲み出る「その人だけのムード」だ。街の空気を呼吸し、独自のスタイルを体現するモデルやクリエイターたちのリアルに迫る連載企画「TOKYO CULTURE VIBES」。第1回は、モデル/イラストレーターとして活動する清水こづえさんにフィーチャー。彼女纏うファッションと、その背景にあるパーソナルなストーリーをショートインタビューとEYESCREAM的スナップから紐解く。
(Edit&Text&Photography_Rio Osugi)
清水こづえ
大学在学中からモデルとイラストレーターとして活動を開始し、以来、大手企業やアパレルブランドとのコラボレーションが絶えない。クラシックバレエで磨かれたしなやかな表現力を活かし、ファッション誌やアパレルのルック等、多岐に渡るクリエイティブなプロジェクトに参加している注目のモデル。
Instagram:@cozue_52
──自己紹介をお願いします。
清水こづえです。モデルとイラストレーターをしています。モデルの方は普段アパレルだったり広告のお仕事をメインに活動させていただいていて、イラストレーターの方は商業施設のビジュアルだったり、最近だとベビー服のパターンを作ったりする仕事をしています。
──何をしている時間が好きですか?
もともとは家で植物を育てたり、編み物をしたり、もちろん絵を描くこともそうですが、何かを作ったり育んだりする時間が好きでした。それが昨年末に息子が生まれてからは、ちっちゃい生き物が一生懸命に生きているのを、すぐ隣で一緒に感じられる時間がすごく愛おしいなと思っています。
──モデルやイラストレーターとして、表現の道に進んだきっかけや転機を教えてください。
小さい頃からバレエを習っていたのもあって、身体で表現することが大好きだったんです。アートに関しても、両親がともに創作活動をしていた影響で、日常の中に絵を描くことが当たり前にある環境で育ちました。
大学は普通の4年制に進んだのですが、周りが就職活動を始めるタイミングで、「自分は、たとえ血を吐くくらいしんどくて大変な思いをしても、何を原動力なら頑張れるんだろう?」と自問自答したんです。その時に残ったのが、絵と身体表現でした。自分なりの就職活動としてモデル事務所を探し、会社員になった友達に負けないくらい、ちゃんと地に足をつけて生活していこうと必死にやってきたことが、少しずつ形になって今に繋がっています。
──モデルの仕事を始めてから、イラストの道へ?
いえ、実はイラストを仕事にしたいという気持ちの方が先だったんです。ただ、私はアートの専門学校を出たわけでも、専門知識があるわけでもなくて、本当にただ好きで描いてきただけ。それをいきなり仕事にするのは、マネタイズの面でも難しいんじゃないかという不安がありました。
だからこそ、イラストの活動にとってもプラスになり、かつ自分自身が心の底から楽しんでご飯を食べられる仕事を見つけようと思って、行き着いたのがモデルでした。事務所に入る時も「イラストの仕事も並行してやりたい」と伝えて、今の二足のわらじのスタイルになりました。
実は、学生団にいた頃までバレエを熱心にやっていて、当時は「自分は最強だし、頑張ればバレリーナになれる」と信じて疑わなかったんです。その目標がある自分のことが誇らしくて好きだったのですが、様々な事情でそれを諦めざるを得なくなった瞬間があって。初めて足元がグラグラと崩れるような大きな挫折を味わいました。その時に、私を救ってくれたのがイラストだったんです。
── EYESCREAMのテーマでもある「偏愛」について。清水さんにとっての、少し偏ったこだわりや、愛してやまないものについて教えてください。
世間一般の偏愛という言葉に当てはまるかはわからないのですが…。例えば、綺麗な夕日を見たときや、愛猫を眺めているとき、その瞬間瞬間に心がギュッと動いて「かわいい、愛おしい」と思った感情を、そのままちっちゃい瓶に詰めて閉じ込めたくなるんです。
両親がアートをやっていたこともあって、昔から「キャンバスは大きく、もっとダイナミックに描きなさい」と言われて育ちました。でも私の中では、そのダイナミックさよりも、自分が「いいな」と感じたミニマルな世界を小さな瓶に閉じ込めて、それをずっと近くで眺めていることの方がずっと大切で。
大きくドカンと見せる素晴らしさもわかるけれどこの手のひらに収まるちっちゃい世界が好き、という静かなこだわりが、私にとっての偏愛なのかもしれません。
──最後の質問です。清水さんがこれから先も守り続けていきたい自分自身のあり方はありますか?
10年後も、20年後も、私は私であり続けたいし、私を取り巻くこの大切な世界を守りたいと思っています。ありがたいことに、私はこれまでずっと、自分を見失わずに「私」のままでいさせてもらえました。いつでもフラットでありたいと思っていますが、世の中には色んな情報が溢れていて、社会情勢も移り変わる中で、フラットであり続ける、自分自身であり続けることって、実はすごく難しいことだと思うんです。
だからこそ、この先も死ぬまでずっと自分が自分らしくあるために、周りの人たちもハッピーにしたい。私のイラストやモデルとしての表現を通して、受け取ってくれた人たちもまた「その人らしくいられるような空間」を、自分発信で作っていけたらいいなと思います。そういうことに向かって一生懸命に頑張れる自分のことが、私は好きなんだと思います。






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◼︎#01 清水こづえ
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