ART 2022.02.04

baanaiによる個展「UNLOGICAL」が開催。重層的かつ瞑想的な絵画に引き込まれていく

baanai, 「ARIGATOUGOZAIMASU」 (BBF 020H-36), 2022, acrylic on canvas, 227.3 x 545.4 cm
EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

「ARIGATOUGOZAIMASU」の言葉を繰り返し描くことを軸に芸術実践を続けるアーティスト、baanaiによる個展「UNLOGICAL」が2月5日よりMAKI Gallery / 天王洲 IIにおいて開催される。

baanaiは神奈川県藤沢市鵠沼生まれ。現在もこの地で活動している。アーティストとしての経歴は、COMME des GARCONSの川久保玲にポートフォリオを送り、作品が採用されたところからはじまっており、以降もNEW ERAやRVCA、Audio-Technica、CONVERSE SKATEBOARDINGといったブランドに作品を提供するなど、活躍の場を広げている。

本展のタイトル「UNLOGICAL」は、三島由紀夫が東大全共闘との対談集のあとがきで述べた「私の考へる革新とは、徹底的な論理性を政治に対して厳しく要求すると共に、民族的心性(ゲミュート)の非論理性 [UNLOGICAL] 非合理性は文化の母胎であるから、(…)この非論理性非合理性の源泉を、天皇概念に集中することであった」より引用。

baanai, 「ARIGATOUGOZAIMASU」 (BBF 019G-70) 2021
 (detail)
baanai, 「ARIGATOUGOZAIMASU」 (BBF 019G-70) 2021
 Acrylic on canvas, 227.3 x 181.8 cm
baanai, 「ARIGATOUGOZAIMASU」 (BBF 019G-71) 2021
Acrylic on canvas, 227.3 x 181.8 cm

baanai, 「ARIGATOUGOZAIMASU」 (BBF 019G-71) 2021
 (detail)

baanaiはまた、以下のようにも語っている。

「正しいかどうか分からないことを懸命にやり続けること、自分が信じたいことに真っ直ぐ突き進む。それが1つのアートとしての姿勢になるのではないか。ARIGATOUGOZAIMASUの実験は、極めて個人的な解釈であり、世間的に、また宇宙的に正しいかどうか分かりません。文字(ARIGATOUGOZAIMASU)をアートとして成立させたい。そのために取り組んでいることは『文字』を『想い』に変換すること。目に見えない波動、念や想いこそが大事なのではないか。具体的には、最下層に一面ARIGATOUGOZAIMASUを描き、それを塗り重ねて見えなくすることで文字(言葉)を想いに変換出来るのではないかと考えます」

作家にとって過去最大級となる本展。重層的かつ瞑想的な絵画に、深く潜り込んでいきたい。

INFORMATION

baanai「UNLOGICAL」

会期:2022年2月5日(土) – 3月19日(土)
会場:MAKI Gallery / 天王洲 II(東京都品川区東品川1-32-8)
営業時間:火~木、土 11:00~18:00/金 12:30~20:00
定休日:日、月

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