ART 2022.06.07

名越啓介の写真展が2会場で同時開催。アメリカをトレインホッピングしながら撮影した新作展と俳優・渋川清彦を捉えた写真集『ALL.』からの展示

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

写真家・名越啓介の展覧会が代官山DINER$ CLUBと原宿RADIALL HEADSHOPの2会場で6月10日より同時開催される。

名越は1977年奈良県生まれ。19歳で単身渡米し、スクワッター(不法占拠者)と共同生活をしながら撮影したのを皮切りに、世界の辺境地域やマイノリティーなコミュニティーに入りこんで、寝食をともにすることで被写体の素顔を引き出してきた。

代官山DINER$ CLUBで開催される『ON THE LINE』は、名越が今年2月に約3週間、アメリカのトレインライダー(貨物列車で生活している人たち)とともに生活し撮影した新作写真展。今回はいつものような被写体の素顔を撮るスタイルとは違い、いままで取り組んでこなかった自分の心と向き合いながら撮影した写真が展示される。なお、本展は7月23日より大阪・中津IMA:ZINEにおいても開催される。

『ON THE LINE』について、名越は以下のように語っている。

2022年のバレンタインデー。カルフォルニア、ベーカーズフィールドからスタートした約3週間の目的地のない撮影。
生まれてはじめて貨物列車の隙間から見える美しい光景に心を奪われ、死んでもいいと思った。
車輪の真横で戦争が始まったニュースを聞いた。列車の轟音の中、不思議と静けさを感じた。

自由と不自由。世界が疫病、戦争の混乱状況の中、全ての人が同じ境遇にある事を知った。

どこにいても逃げることのできない現実に自問自答しながら自分の心と向き合った。

カメラのファインダーを覗いても待ってはくれない貨物列車は過去に向かって走って行く写真の様であった。

今まで被写体に頼りすぎた。
自分などどうでもいい。被写体の魅力が伝わればいいと25年やってきた。それはそれで間違いとは思わない。

今回の写真は180度違う作品。
ある意味被写体も目的地ももたず、マイナス20度の中ただ走る貨物列車の真横で車輪を見つめながら自分の心と正直に向き合い滲みでた作品達です。
この作品を様々な視点で感じてもらえたら幸いです。

そしてその視点や感受性こそが人それぞれの個人の自由である事を信じています。

名越啓介





対して、原宿RADIALL HEADSHOPにおいては、俳優・渋川清彦を被写体としてアパレルブランドRADIALLとタッグを組んだ写真集『ALL.』から厳選された写真を展示。写真集の発売から1年を経て行われる本展では、そのままの写真を活かすのではなく、印刷所での⾊味調整のテスト段階において偶然重なり合った写真たちを新たに撮り下ろすという、他では見られない⼿法をとっているという。6月10日には渋川清彦らをDJに迎えたオープニングイベントも開催される。

INFORMATION

名越啓介写真展『ON THE LINE』

会期:2022年6月10日(金) – 6月26日(日)12:00 – 19:00
会場:DINER$ CLUB(東京都目黒区青葉台1-5-2)
https://www.instagram.com/dinersclubtokyo/

会期:2022年7月23日(土) – 8月4(木)
会場:IMA:ZINE(大阪市北区中津3-30-4)
https://www.instagram.com/imazine_osk/

名越啓介写真展『ALL.』

会期:2022年6月10日(金) – 6月24日(金)12:00 – 20:00
会場:RADIALL HEADSHOP(東京都神宮前3-30-6 Zet JINGUMAE B1)
https://www.radiall.net/headshop/

・オープニングイベント:6月10日(金)18:00 – 21:00
DJ:渋川清彦 / 笹井トシオ(BLAST JAMS!!) / MISAKI(ELECTRIC SERVICE) / 高山洋一(RADIALL)

『ALL.』
発売中 / ¥3,960(税込) / 128ページ
出版:CONVOY & FUNK Inc.
販売先:https://www.radiall.net/product/all/

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