ART 2017.08.10

写真家ジェイムス・オザワ。変人による変人の写真展、開催

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

ぜひとも、このWEBサイトを観ている人にご紹介したい写真展がある。写真家、ジェイムス・オザワによる写真展「The Dreamer -message from a human being-」だ。
展示されるのは銀塩プリント作品63点、スライドフィルム・プロジェクション46点。これはジェイムスが2016年中頃より8ヶ月に渡って撮影してきたもの。注目すべきは、その内容である。基本的には人物のポートレートをメインにしているのだが、それはオーストラリアの山奥の村で、彼が車中生活しながら出会った人々を映しとったものだ。彼が滞在していたこの村は、言ってしまえば自治区的な(実際はそうではないが)現代社会の流れとは少しかけ離れた、エアポケット的な場所なのだろう。そこに存在する人は世界中から集まった“変人”だったとジェイムスは言う。

無論、この写真展は、ただの奇人変人のかき集めでは決してない。そこに集っていたのは、一般常識から見れば、少し外れた人間たちであった、ということだ。
つまり、写真に収められている人々がどんな人間だったのかと言うと、

何の制約もなく、
思い思いに自分のやりたいことを表現し、
それぞれに干渉し合うことなく夢を追いかけている人々。

金銭的な損得勘定なしに、ひたすら真っすぐ生きる姿に、ジェイムスは、それまでの自分の常識を吹っ飛ばされたのだそうだ。自身に忠実に生きている仲間のポートレートには、彼のメッセージが凝縮されている。

ジェイムスが日本で展示をすることを決めたのは、日本社会の仕組み、現代人の生き方への警鐘を鳴らす意味合いもあるという。銀塩写真にこだわり、デジタルを一切使用していないこともポイントだ。

オーストラリアに行く以前は、日本でビジネスフォトグラファーとして生きていたジェイムス・オザワ。彼が渡豪を決めたのは、唐突であった。本当にある日突然、彼は何のアテもなく飛行機に飛び乗り、大海の向こうへ飛んでいってしまった。その背中を見ながら「オーストラリアに行ったら野生のコアラとか撮れるのかな?」 などと、彼が樹の上にファインダー向けている姿をぼんやり思い浮かべたりしていた。

ある夜、これまた唐突に、ジェイムス本人から『撮れました』という連絡を受けたときの驚きは今も鮮明だ。ーというのも、彼がオーストラリアの何処で、何の写真を作品として撮り続けているかを知らなかったから。
そこで私は尋ねた

「…もう、いいのかい?」
『ええ。今のところは』
「そうか。ところでだ、今どこで何をしているんだ?」
『つまり、探求ですよ。僕なりの』
「…」

LINE電話の声はコンプレッサーが効いていて、その声から感情の機微を推し量ることはできない。だが、そこには、冷静さを装った人間独特の高揚した声の震えを聞くことができた。そして少し、イマジンの話をした。なぜだか少し嬉しくなった。

『近く、日本へ帰ります』

それからサンプルとして送られてきた写真を見て、初期衝動でしか生み出すことのできない膨大なパッションとエナジー、そして人間愛が込められていることを知る。

変人って、割りかし身近に存在するものなのだな、と感じた。
変人、変態、偏執的。偏愛的。そうでなくではアートなんて表現できるわけもなし。

彼の作品の最大のテーマは“愛”。
名付けられたエキシビジョンのタイトルは「The Dreamer」。
ジョン・レノンの楽曲『Imagine』のリリックに由来する。そう、どこまでも愛、愛、愛、EYE。

こちらが写真家、ジェイムス。 イエス。

開催期間は8月28日から9月15日。場所はギャラリーNP原宿にて。夏の終わりに蝉時雨の中、気狂い写真家の人間を通じた愛の探求劇でショートトリップ。いかがでしょう。

INFORMATION

ジェイムス・オザワ写真展「The Dreamer -message from a human being-」

days_2017年8月28日(月)~9月15日(金)
venue_ギャラリーNP原宿
address_東京都渋谷区神宮前6-13-11 NPビル3F
hours_10:00~18:00(土曜日 17:00まで 日祝休館)
tel_03-3486-6984
http://www.nationalphoto.co.jp/
入場無料
後援:コダック アラリス ジャパン株式会社

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