現代美術シーンを代表するアーティストとして、ビョークとのコラボレーションなどで知られる奇才、マシュー・バーニー。今年の下半期は、そんな彼の映像作品を日本で鑑賞することができる絶好の機会だ。

今月24日、「YCAM爆音映画祭2017」のオープニング作品として、山口情報芸術センター［YCAM］で上映されるのは、本邦初公開となる『RIVER OF FUNDAMENT』。
本作は、音楽家ジョナサン・ペプラーと共同制作した三幕構成・6時間に渡る壮大な映像オペラ作品。米国の小説家ノーマン・メイラーが1983年に発表した小説『Ancient Evenings』を下敷きに、古代エジプトと現代アメリカが交錯するミステリアスな世界感が繰り広げられる。
YCAMのWEBサイトでは、本作のあらすじ<リンク：http://portal-admin.ycam.jp/asset/pdf/misc/river-of-fundament.pdf>も公開されている。

Matthew Barney and Jonathan Bepler RIVER OF FUNDAMENT: BA, 2014 Production Still Photo: Hugo Glendinning © Matthew Barney, Courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels.

一方、11月25日から東京都写真美術館ホールで上映されるのは、1994年から2002年にかけて発表された『クレマスター』シリーズ全5作品。自ら制作、監督、一部出演も行い、各作品ともほぼセリフがなく、全5部作ながら、作品番号と制作順が一致しないなどの謎めいた構成も相まって、伝説的な作品となっている。なお、同作は金沢21世紀美術館や青森県立美術館での上映も予定されているとのこと。

Cremaster 3 ©2002 Matthew Barney, Photo Chris Winget, Courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels.

各作品の上映時間は、『RIVER OF FUNDAMENT』が350分、『クレマスター』シリーズは全5作品通算397分（！）。8月は山口、11月は東京で、腰を据えてじっくりマシュー・バーニー作品に浸ってみてはいかがだろうか。