ART 2018.12.21

Black Boboiとしても話題のJulia Shortreedの個展「Unconscious」が開催中

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

アーティスト、Julia Shortreed個展「Unconscious」が、12月26日までQUIET NOISE arts and breakで開催中だ。
カナダと日本をルーツに持ち、アシッドフォークやアンビエントを融合させ、ノスタルジックな世界をギターと声で表現するJulia Shortreed。2016年4月から音の製作のためアイスランドへ2ヶ月滞在し、アイスランドで見た色や空気を色で残したいという衝動を覚えたことをきっかけに、アクリル絵の具を使い、キャンバスで作品を作り始めた。

以下は、同展に寄せた作家からのコメント。

ヨーロッパへ旅をした時、経年で色が剥がれた壁が好きで、見つけては写真を撮っていました。
時間の経過で生まれた意図していない傷や剥がれた後の歪な線に美しさを感じ、こんな絵を描けたらと思っていました。
ある日、作品を描く道具として使っていた板に絵の具が何層にもなっていることに気づきました。
そして、その絵の具の塊を剥がしてみると、そこに出現したのは、まったく意図していない魅力的な存在。
剥がしてみて初めて目にする色彩や形状や描かれた曲線は、まるで私の好きな鉱物のようで、思わずハッとさせられました。
人の意識や意図が及ばない、無意識が導いてくれた美しさに、すっかり魅せられてしまったのです。
今回の作品は、意識的に描いたものの裏側に存在していた、無意識の造形。
私自身も、描き終えてようやく作品と対面することができるので、意図せず描いていた絵とも、
私の中に存在する無意識という名の〝彼らとも〟、「やっと会えた」という感覚なのです。
無意識の中で生まれた作品とあらためて向き合い、私の中に存在する〝彼ら〟の歪さや不思議さと対峙しながら、
背景の色をセレクトして意識的に額の中に存在させること。それは、私にとって、偶然性を必然性に変える大切な時間でした。
無意識には、たくさんの情報が蓄積されていると言われています。
残したかったけど忘れてしまった瞬間や、抑圧されて表に出てこれない想い、世代を越えて受け継いできたもの、
祖先の経験や動物的な過去の痕跡があるとも言われています。
私の作品にも、そんな記憶にも残っていない情報が紐づいているのかもしれない。
そう思うと、ひとつ一つの作品がとても愛おしく感じられます。
今回の作品たちは、〝彼ら〟の居場所が私の中にあり、〝彼ら〟がいることによって、私は存在しているということ、
そして、すべてのものは、ただ〝そう〟在るだけで美しいということを、静かに語りかけてくれます。
わたしの中にも、そしてきっと、作品と出会ってくださるみなさんにもー。

Juria Shortreed

INFORMATION

Julia Shortreed EXHIBITION “Unconscious”

〜 2018年12月26日(水)11:00-20:00 ※期間中無休

QUIET NOISE arts and break
東京都世田谷区代沢2-45-2 1F

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