ART 2019.01.10

Talk Session: Ryohu×花井祐介 “アーティスト同士のコラボ学 そこに必要な思想”

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Photograph - Haruka Shinzawa, Edit - Ryo Tajima

先立って予告していたRyohu×花井祐介の対談が到着。1月11日(金)よりhotel koe tokyoにて“Ten Twenty Tour rest at hotel koe Tokyo”と題されたプロジェクトが展開されるが、ここではRyohu×花井祐介×Rureのカプセルコレクションが販売される。音楽とアートで表現をする両者、その根底には同じマインドがあった。アーティスト同士がコラボして何か1つのものを生み出すとはどういうことなのか? フリートークを交えつつ、その考え方を語り合ってもらった。

“今の自分だからこそできる。良いタイミングで一緒にやることができました”
ーRyohu

“コピーで終わるかスタイルを作れるかが仕事として成立するかの境目だと思うので”
ー花井祐介

ー1月11日(金)よりRyohu×花井祐介×Rureのカプセルコレクションがリリースされますが、今回のプロジェクトは音楽とアート、ファッションがクロスオーバーした企画です。こういった形のコラボレーションの面白さは、どういう点にあると感じますか?

Ryohu:オレの場合、今までは人に自分のアートワークを完全に託すことまで考えられていなかったんですよ。音楽にしてもそうなんですが自分のものは自分でやるって感覚だったんです。自分がリリースする作品に関しては他の人の手を触れさせたくないと思うタイプだったんですね、もともと。だから他のミュージシャンの作品にラップで参加しているのに、自分のソロ作品には誰も参加させないってことをずっとやっていて。でも、年齢的なものもあって意地になって1人で何もかもやるのは良いことがないと考えるようになったんです。誰かとコラボレートすることで自分が思ってもいなかったようなことが実現できるかもしれない、その現象を面白いと考えられるようになってきたんです。そういう意味で今回、花井さんと一緒にやれてよかったなって。昔のオレだったら成り立たなかったであろうことなので。絶対に良いことだと思うんですよね、目に見えるアートと音楽が一緒に何かを作るということは。

花井祐介(以下、花井):そんな風に若いアーティストに言ってもらえるなんて嬉しいですね。音楽とアートの共作という点において、僕はすごく自然なことだと考えています。ミュージシャンの友達も多いですし、そういった仲の良いミュージシャンのアートワークはこれまでにも手掛けてきたので。レコードのジャケットにしてもそうなんですけど、絶対に必要な存在じゃないですか。特に自分のアートは音楽とも親和性が高いと思っています。

Ryohu:ちなみに失礼なんですが、今回の件でオレは花井さんのアートを深く知ったんですよ。花井さんは自分の音楽は聴いてくれていました?

花井:申し訳ない、僕も今回の件でRyohuくんのことを調べさせてもらいました。中でもズットズレテルズ、あれ、ものすごくカッコいいと思って。

Ryohu:ズットズレテルズは18歳くらいのときにやっていたんですよ。

ズットズレテルズ 僕の果汁PV

花井:でしょ? ビックリしました。こんな若い子達がファンクを織り交ぜつつ、こんなにカッコいいロックバンドをやっているんだって。そこから他の作品も聴き込んでいったんですけど、この間「アフター6ジャンクション(※)」に出演していましたよね? あれもカッコよかった。
※アフター6ジャンクション……TBSのラジオ番組。ライムスター宇多丸の聴くカルチャー・プログラム。2018年12月7日にRyohuが出演した

Ryohu:ええ! やりました。先輩たちに囲まれながら頑張りました(笑)。ちなみに花井さんは、もともとどんな音楽が好きなんですか?

花井:僕は中学校くらいのときにグランジが登場した世代なんですよ。そこからジミ・ヘンドリックス(Jimi Hendrix)、ニール・ヤング(Neil Young)、グレイトフル・デッド(Grateful Dead)などの、いわゆるアメリカンロック系にハマっていってジャムバンド好きになったんです、フィッシュ(Phish)やメデスキマーティンウッド(Medeski Martin & Wood)とか。そういうバンドを聴いていて、今はジャジーな音楽もよく聴いていますよ。

ージャムやセッションというとRyohuさんが表現されていることにも共通する部分があるように感じます。

Ryohu:オレの場合はやっている音楽というより生き方がそっちというか。身の回りに起こる出来事、中でも自分が良いと思ったことに関しては誰かと一緒に自由にやりたいタイプなんですよね。だからフリースタイルで面白いものができていく瞬間ということは、これまでにけっこうありましたね。

花井:けっこう色んな人とコラボしたり、フィーチャリングで参加したりしていますよね?

Ryohu:意外とそうなんですよ。2018年の活動を振り返ってみても色んな人とやっていましたね。ジャンル関係なく。

ーその1つとして、今回の花井さんとのコラボレートも考えられますね。

Ryohu:そうですね。

花井:繰り返しになりますが、本当にありがたいことです。一緒にやることができて楽しかったですよ。

ちなみにコチラが今回展開されるプロダクト群




Ryohu:ところで、これは個人的に聞きたかったんですけど、なんで花井さんはああいうスタイルのアートになったんですか? ずっと自分の好きなことを続けていたら辿り着いたんですか?

花井:もともと60〜70年代のサーフィン雑誌の中にあるコミックを描いている人の絵が好きだったんです。その人のマネをしていたんですけど、人のマネをずっとしていても意味がないですからね。自分のオリジナルを生み出さなくちゃいけないと思って。今、自分のスタイルをしっかりと確立できているのかはわからないんだけど、そうしなきゃなって考えながら表現しているのが、今のあの感じなんですよ。自分だけのオリジナルというのは常に探しています。でも、音楽も同じじゃないですか?

Ryohu:そうですね。オレも昔はカラオケで人のラップを歌っていましたから。

花井:そう、バンドであれば誰かのコピーをしてってことだと思うんです。そのままコピーで終わっちゃう人と、その人のスタイルを作れる人っていうので、仕事としてやれるかどうかが決まってくるんじゃないですかね。自分がそうなれていればいいなって考えて、今もそれを模索しているんです。

Ryohu:間違いないです。本当にそうですね。

花井:10代の頃、アメリカのカルチャーに感動して、そこに影響を受けたようなことをやっていたんですけど、同時にアメリカでも仕事をするようになって。そうなると日本人の僕がアメリカ人のアーティストのマネをしていても、誰も振り向いてくれないじゃないですか。

Ryohu:ええ、確かに。

花井:それが最近ではようやくアメリカ人からはすごく日本っぽくて面白いと言われるようになったし、日本人からはアメリカの空気感を感じられて面白いって言われるようになってきて。

Ryohu:そのハイブリッドな感じ、めっちゃいいですね。

花井:まだまだなんですけど、やっと、そう見てもられるようになってきたのかな、と。

“自分の生き方と違うことはやっちゃいけないと思う”
ー花井祐介

“自分がどんな人間かを知ってもらってから一緒にやりたいんです”
ーRyohu

ー日本人としての表現というのは世界規模で見ると重要な部分ですが、それは同時に自身のローカルへの考え方にも繋がってくると思います。ちなみにお2人が住んでいるのは?

花井:もともと横浜なんですが今は逗子に住んでいます。

Ryohu:僕は生まれも育ちも二子玉川ですけど、逗子っていいですよね。最近、友人がそっちの方に引っ越して。材木座海岸の方なんですけど。

花井:ああ、鎌倉の方ですね。その人はサーフィンもする人ですか?

Ryohu:いえ、単純に海が好きなヤツで。毎年一緒に海に行っていたんですよ。「いつか住みたいね」なんて話をしていたんですが、昨年急に引っ越しますって。

花井:そしたら、もう都心には戻ってこれなくなるかもね? オレはもうサーフィンしたいんで他に移住できないんですけど(笑)。

Ryohu:そうかもしれないですね(笑)。やっぱりオレも海のそばに住みたいって気持ちはありますよ。人間としての心を取り戻したいです。

花井:あはは! 人間としての心って(笑)。でもね、サーフィンしている人はもっとヒドいかもしれないです。

Ryohu:ぇええっ!?

花井:今はサーファーのイメージも良くなってきていますけど、僕がサーフィンを始めた頃は怖い人ばっかりで。サーフショップなんてもう本当におっかなかったんですよ。街の悪い人がそこに溜まっているって感じでドキドキしながら行くような場所でした。

Ryohu:実際、どんな風な感じだったんですか?

花井:大事なことではあるんですけど、なかなか面倒くさいことがありますよ。サーフィンには波が来るポイントがあるんですけど、そこには必ずローカルな人がいるんです。そこでルールやマナーを知らずに変なことをしようもんなら、すごく怒られたりしてね(笑)。最近はあんまり聞かないですけど、昔は世界中どこでもサーファーがいるところは、そういう文化があったんですよ。もちろん、そのカルチャーには二面性があって、そういったローカルな人が海を守ってくれて掃除もしっかりやっているので良い面もあるんです。特に僕が今住んでいる逗子、鎌倉辺りはローカル愛は強いと思いますね。

Ryohu:クラブのバウンサー的な感じですかね?

花井:うん、似たところはあると思います。ちゃんとルールを守ってやっていればいいんですけど。昔からの上下関係的なところと似ているのかもしれないですね。

Ryohu:サーファーのローカリズムと言えば、少し昔の話になりますけど、あの”鳩サブレー”の話が……。

花井:そうそう!!

ーどんな話でしょう?

花井:2013年に鎌倉市が由比ヶ浜の命名権を売りに出したことがあったんですけど、”鳩サブレー”を販売している地元のお菓子屋、豊島屋が権利を自分で買い取って、由比ヶ浜にしてくださいっていうことがあって。名称変更しなかったんですよ。

Ryohu:あれは超カッコいいと思いましたね。ローカルを守ったんだなって感じがすごくして。

花井:ローカリズムと言えば、ラッパーの人は特にそういう意識が強いような気がするんですけど、どうですか?

Ryohu:オレや自分の仲間はゴリゴリのギャングスタなスタイルではなくて。もちろん挨拶だったり人として当たり前のことはしなくちゃいけないんですが、それ以上もそれ以下もないというか。みんなが忘れていることをやるべき、それぐらいですね。そんなに面倒なしがらみがあるとは個人的には感じていないです。もちろん、そういう人たちのルールはあると思っています。オレが踏み込んでないからわからないことも多々あるはずです。きっとサーフィンにしてもその土地のマナーに則ってやるということだと思うんですけど、音楽も同じ部分があると思いますね。それに、今となっては誰でもラップをできるというか。HIPHOPのTV番組もあるくらいなので、ラップ自体がキャッチーな存在になってきていますから。

花井:確かにその通りですね。40歳くらいの世代では感覚的に日本語ラップを受け入れにくい人も多いと思うんですけど、20代の人であれば当たり前に、それは音楽として存在しているわけですもんね。

Ryohu:たまに公園でラップしているヤツをみかけることがありますからね、何人かで。オレもやっていたなって思いますもん(笑)。

花井:これだけWEBとSNSが世代を超えて普及すれば、もう隔たりはないですよね。自分たちの頃は雑誌だったりアナログなメディアがメインでしたけど。

Ryohu:やっぱり早いですからね、情報の伝達の仕方が。

花井:だから良いですよね、世界中の同じ感覚を持った人と繋がれるんだから。

ーそれでは最後に、今回はコラボレーションを通じてトークセッションをしていただきましたが、こうやって誰かとコラボする際、お2人が大事にしていることは何ですか?

花井:僕は色々コラボレーションはやるんですけど、自分を消費しすぎちゃうようなことはやらないんです。ちゃんとクオリティの高い人、集団、あるいは自分の好きな人とやりたいと思うんです。あとは、今まで自分の作品を見てくれていた人がガッカリしないこと。喜んでもらえて楽しんでもらえることしかやりたくないですね。ただ単にイラストレーターというスタンスなのであれば、来る仕事は拒まずに引き受けてもいいと思うんですけど、それよりもアーティストとして生きていきたいと考えているので、自分の作品と、そのイメージが合うのかは重視しています。やっぱり、ただ単に金儲けだけのものは自分がやるべきことではないんです。自分の生き方と違うことはやっちゃいけないな、と。

Ryohu:そっちの方が後に残りますよね。何でもやっていたら消費されているだけになってしまう。

花井:そう、消費されて終わるのが一番怖くて。逆にRyohuくんと一緒にやることは周りから「合うのかな」と思われるかもしれないけど、違う意味の面白さがあると思うんですよね。

Ryohu:そうですね。オレは音楽に関しては、まず友達になってから一緒にやることが多いです。例えばバンドの客演で参加するにしても、最初の頃はライブハウスに遊びに行って仲良くなって、呑みに行ったりして「なんか曲をやろうよ」っところから話が始まっています。何もしていなくても人として繋がって、且つちゃんとクオリティ高いものを作ろうっていう、今も昔もそれは変わらずというか。熱意を持っている者同士がやると絶対に良いものが生まれると思っているんですよ。作るものに関しては楽しく作りたいタイプなので。花井さんとやらせていただいた今回の件にしてもそうなんですが、オレは音楽をやる側なので、自分が参加するときは音楽にしろ何にしろ、自分がどんな人間なのかをわかってもらおうというのが一番にあって。互いを理解したうえで、壁を超えて行こうってことを考えながらやることが多いですし、お互いを理解し合えているとそういうことが実現できると思うんです。結局オレは好きにやりたいタイプなので。友達同士でやっているってくらいの感覚で、今後もやっていきたいなって。

明日の20:00からはhotel koe Tokyoでエントランスフリーのパーティも開催。Ryohuはもちろん、MURO氏、KANDYTOWNからMasato、Minnesotahも出演する。

“Ten Twenty POP UP in hotel koe tokyo” OPENING PARTY
2019年1月11日(金) 20:00〜23:00
hotel koe tokyo 1F 「koe space」
エントランスフリー
act_Ryohu, Masato, Minnesotah, MURO

Ryohu INFORMATION

Ryohu 『Ten Twenty』
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Ten Twenty Tour Osaka
2019.02.01.(fri)
Venue:Umeda BananaHall
Guest Act: SIRUP
Contact::YUMEBANCHI 06-6341-3525 (平日11:00 ~ 19:00)

Ten Twenty Tour Nagoya
2019.02.03. (sun)
Venue:Nagoya CLUB UPSET
Guest Act:Campanella
Contact:JAILHOUSE 052-936-6041

Ten Twenty Tour Fukuoka 
2019.02.09. (sat)
Venue:FukuokaThe Voodoo Lounge
Guest Act:Yelladigos
supported ENCORE
* This is the only all-night performance
Contact:The Voodoo Lounge 092-732-4662

Ten Twenty Tour Nagasaki 
2019.02.10. (sun)
Venue:Nagasaki BETA
supported LAZY PERSON
Contact: CLUB BETA 095-828-0505

Ten Twenty Tour Tokyo
2019.02.24.(sun)
Venue:Shibuya WOMB
Guest Act:KEIJU
Visual Collaboration:YOSHIROTTEN
Contact:club WOMB 03-5459-0039

Reserve TICKET http://www.ryohu.com/news/posts/post-77.php

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