スケーター特有のライフスタイルから、スケートボードとそのカルチャーの魅力を再検証する本企画、PROJECTFREEDOM。
6回目となる今回は、「HELLRAZOR」のライダーとして都内のストリートスポットを果敢に攻める脇山拓也さんが登場。ストイックな姿勢を貫く自身のスケートスタイルについて話を訊いた。
“ストリートを滑ることが多いから、
新しいスポットを常に探している”
ここ数年、東京のスケートシーンがより一層盛り上がりを見せる中、その中心的な存在として台頭しつつあるのがHELLRAZORというスケートクルー。感度の高いファッション好きや東京のスケーターたちにとってはお馴染みのアパレルラインはもちろん、スポンサードするライダー陣も粒揃いと評判なのだ。
なかでもブランドを創設時から支える支柱的存在でもあるライダーが、ワッキーこと脇山拓也さん。出身である福岡から上京してすぐに都内を拠点として東京でのスケートライフをスタート。当時まだ慣れぬ土地だった東京を知る上で、スケートは大いに役立ったとも言える。
「誰かの映像作品だったり、雑誌で見たスポットをチェックすることも多く、普通に街を歩いていたり、移動する時なんかもスポットシークは欠かせないですね」。
本企画の撮影時に訪れた土地でも早速気になるスポットを見つけては、すかさずiPhoneで写真を撮り、チェックを怠らないワッキーさん。それほどまでスポットにこだわるのには理由がある。
「普段からストリートをメインに滑ることが多いので、どんなスポットがあるのかを常に把握していたいんです。トリックによって相性もあるし、いつどんな撮影があっても良いようにストックしておきたいじゃないですか。けれど、どんなにストックが溜まっていっても、都市開発などによって絶好のスポットだった場所がなくなってしまうなんてことも少なくないんです。だからこそ常にスポットは探していますね」。
HELLRAZORの面々や彼と近しいスケーターの多くが、彼のそんなストイックな姿勢に対して一様に賛辞を送る。スポットシークだけに限らずスケートをすることに対して常に真摯な態度で挑み、そのマインドは誰の目から見ても純粋そのものなのだ。最近では、スケートボードのカルチャー的な視点から表現活動を行ったり、ファッションや音楽、アートなどとリンクしながら活動していく人も少なくない中で、あくまでもプレイヤーとしてスケーターであることにこだわり続けるワッキー。そんな彼のスケートボードへの想いは単純明快だ。
「好きなことだからずっと続けられるし、ずっと飽きない」。
一見変哲なく聞こえるその言葉も、ピュアネスの極みを体現する彼のスケートスタイルを知っていればこそ、すんなりとその言葉にも頷ける。
PROFILE
脇山拓也
福岡県出身。20代前半で拠点を東京に移し、「HELLRAZOR」のライダーとして都内のスポットを中心にスケート三昧な日々を送る。スケートボードに対するストイックな姿勢は、周りのスケーターからも一目を置かれるほど。
[PROJECT FREEDOM]
Vol.01 HAKASE
Vol.02 SOUSHI
Vol.03 TORA
Vol.04 RENAN
Vol.05 KAITO SASAMOTO