CULTURE 2018.06.30

FOCUS : 横浪 修 × 前野 健太 写詩ン集 『初恋』 について語る
from EYESCREAM NO.166

Photography— Osamu Yokonami Styling—Kyohei Ogawa Hair&Make—Motoko Suga Text—Azusa Iwasaki
EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

フォトグラファー横浪修とシンガーソングライター前野健太。個性極まる2人が前野のニューアルバム『サクラ』のアートワーク撮影で出会い、共鳴したことで誕生した写詩ン集『初恋』が5月31日に発売された。

EYESCREAM 7月号では、横浪・前野の両氏、さらにデザインを手がけた木村豊を交えた3人が、『初恋』の制作秘話や裏話について語ったインタビューを掲載している。今回は特別に、WEBでもその模様を全編お届け。前野が「どうしても使いたかった」という写真と併せてご覧あれ。

ー前野さんと横浪さんが出会ったきっかけは?

前野 「今回はレコード会社のディレクターが横浪さんにマエケンを撮ってほしいと依頼して、それを最終的にデザイナーの木村さんにも相談して色々と決めていきました」

ー頭や肩に野菜や果物を乗せている写真が印象的ですね。

木村 「このときはスーパーにあったものを用意して」

横浪 「その場にあるものでいいかなって。前野さんの本や情報をもらっていたので、なんとなく自分の写真に合いそうだなと思ってましたけど、どこまでやっていただけるかわからなかったので、確認のたびに『すみません、すみません』って。加減がわからなかったので(笑)。どんどんのってきてエスカレートしてしまいました」

前野 「アハハ(笑)」

横浪 「決め込んでも振り幅があるほうがいいと思うので、現場の空気を大切にしたいんです。でも、普通は笑ってツーっと流されるような写真なので、自分のツボに入る、ちょっとシュールな写真は日の目を見ることがないんです」

木村 「むしろそういう写真を前野くんが使いたがってましたよね」

横浪 「わかってもらえるのが嬉しかったですね。ほかだったらありえないです」

前野 「横浪さんの写真は言葉で表せない感情になるというか。俺はシュールとは思っていなくて、詩よりもわからないからワクワクするというか、見ていて嬉しくなりますよね。『サクラ』のブックレットとか、俺がいいなと思ったものはことごとくはずされてて・・・でも、それがいいんですよ。木村さんの並べ方とか展開がエグいんですよ」

木村 「前野くんの選んだ写真がエグすぎてCDにあわないんだよ(笑)」

前野 「木村さんの選ぶそのエグさや展開、横浪さんの写真のわからなさを受け入れるのが楽しかった。それが『サクラ』だったり、『初恋』だったりしますね。セッションはこういうものだって思っていたものと違うものが楽しかったですね・・・。なにこれ? って感じで」

ー書籍の話が出たときはどう思われました?

前野 「俺は自分の顔がこんなに写ってる本はうざいんですよ・・・ありえない」

横浪 「僕は嬉しかったです。こういう展開になると思っていなかったので。この本は撮影したときの欲望のまま」

木村 「間に前野くんがいるからクッションになっている。俺だけのせいじゃないぞ、と(笑)」

前野 「アハハハ(笑)」

ー何かあったら前野健太のせいにできますよね。

横浪 「インスタをみてちょっとシュールな写真の依頼がくるんですけど、今まで形にすることがなくて、これからこういうかたちで発展していきたいです。仕事ではなく趣味というか、欲望。自分のなかで、瞬間的に思ったことがやれているからありがたいですね」

木村 「これを写真集にしようと言ったのはCDを作るときじゃないかな。あまりにもいっぱいあって、まとめないともったいないと思って」

ー前野さんがどうしても使いたかった写真があったそうですね?

前野 「本を出さなかったら亡霊たち(ブックレットでカットされた写真)に・・・本当に恨まれますよ」

木村 「撮ってるときから、これ(『初恋』の中で、ヘアバンドをして椅子に座ってる写真)が好きって言ってたもんね」

横浪 「スタイリストさんがいるのに勝手にヘアバンド使っている時点で、使われないと思っていたから・・・こんな風に使ってもらえてよかった」

ー本の後半は文豪に愛された山の上ホテルで撮影されていますね。

前野 「文豪になれって言われて、カンヅメになって本の原稿を書いたんです。この写真がなければ出てこなかったエッセイがつまってますね」

横浪 「じんわりきますよね。自分のテイストと前野さんの文がリンクしているなって思います」

ー横浪さんから見た前野さんの印象は?

横浪 「撮ってて前野さんの存在感がよかったですね。普通にシュッとしている感じが。ポーズではなく、目とかスッと抜けた表情に存在感があるなって」

前野 「俺、女性のカメラマンのときは、あわよくば・・・の表情になるって言われたことあるんですけど、横浪さんだとまた不思議な表情になるんです。たぶんこいつら(パプリカ)がそういう表情にさせるんですよ」

木村 「パプリカに意識がいってるからカメラに意識がいかないんじゃない?」

前野 「うん。それが横浪マジック。俺がしたことがない表情ばっかなんですよ」

ー(本の中の)ヘアバンドをして椅子に座ってるときの写真なんて本当にピュアな表情をしていますよね。

前野 「家ではこの表情ですけど」

ー競馬中継を聞きながら?

前野 「はい。この表情です」

横浪 「僕は眼鏡に桜の枝を挿している写真と、お尻にイカがのぼってきてる写真も好きです」

木村 「お尻のはさすがにほかで発表できないですもんね」

横浪 「これ(机に向かっている写真)も好きです」

木村 「どちらものぞき見感がありますよね」

前野 「俺の表情がいいとか言いながら、顔写ってないじゃないですか(笑)!」

INFORMATION

『初恋 横浪修×前野健太 写詩ン集』
発売中
https://books.spaceshower.jp/books/isbn-909087201

『サクラ』
発売中
https://maenokenta.com/sakura/


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