WILD GAME MEAT

NEW TIDE FOOD

Photography—JAMANDFIX Edit&Text—Aki Fujii Illustration—HONGAMA

WILD GAME MEAT

NEW TIDE FOOD

Photography—JAMANDFIX Edit&Text—Aki Fujii Illustration—HONGAMA

CASE STUDY IN
GIBIER

ジビエの代表的な種類と肉質や味の特徴をご紹介。イノシシ1種をとっても、時期、雄雌、地域、餌などによって味はまったく異なるので、一期一会の食材と言える。ちなみに、生食は感染症や肝炎のリスクがあり危険。

クマ/熊
東北地方・北海道ではもともとマタギ文化が根付いており、ツキノワグマやヒグマなど、海外に比べ日本で多く捕獲・食されている。肉よりも胆嚢(たんのう)を取って乾燥させた生薬“熊の胆(くまのい)”が目的で狩猟されていた。肉質はずっしりとやや固めで鍋や煮込み料理に適している。

シカ/鹿
日本では王道のジビエ。赤身の濃い味が楽しめる鹿肉は牛・豚と比較しても脂質が少なく、低カロリーなのに高タンパクとヘルシーなため、ダイエット食としても人気が高い。鉄分も豊富なので、貧血や冷え性の予防にも。

野ウサギ/兎
フランス料理では定番のジビエも、高タンパク・低カロリーで近年注目を集めている食肉。運動量が多く、非常にしっかりとした弾力のある白身肉で、淡泊なキジよりも鶏肉に近い肉質。よく噛むことで野生らしい肉々しさが出てくる。

イノシシ/猪
豚の原種だけあり高タンパク・低カロリーで、シカと並び人気のジビエ。草食のシカと比べ、タケノコからどんぐりまで季節の美味しいモノを食べる雑食性のため、生息地域の違いで味の違いが大きく出る。特に風味の違いを感じられる脂身部分は、豚など一般的な脂と異なり、猪はコラーゲンが主。並走するウリ坊もハントされることがある。

キジ/雉
日本では平安時代に、貴族社会のハレの饗膳や宮中の元日の儀式で重用されていた歴史あるジビエ。クセがなく鶏肉に近い、滋味深さが特徴。可食部は少ないが、脂質も少なく、凝縮された味わいを楽しめ、骨から3回くらいはダシが取れる。

ハト/鳩
平和の象徴のハトだが、フランスをはじめ世界では一般的に食べられている食材。公園など身近にいるドバトは食べてはダメだが、野山や森にいるキジバト(山鳩)は食していい。食味はあっさりだが、コクがあり、美食家に人気。

GUIDE TO

□第一種銃猟免許(散弾銃、ライフル銃)
□第二種銃猟免許(空気銃)
□わな猟免許
□網猟免許
狩猟免許は大きく分けて上の4種類。運転免許でいう普通免許をとると原付き免許が付いてくるように、第一種をとれば第二種も兼ねるため、第一種とわな猟と網猟の3種をとるパターンが多い。鳥獣保護管理法に基づき、環境省の委任を受けた各都道府県により交付。第一種と第二種に関しては、銃の所持許可(各都道府県の公安委員会によって交付)も必要。

HUNTING LICENSE

「ジビエは“畜産動物以外すべて”だと思っています。一般的にはジビエ=野生鳥獣の肉と言われますが、シカやイノシシ以外にも、例えば街中にいるスズメやカラスも狩猟OKですし、目に見える鳥獣はほとんど野生でジビエになります。牛豚鶏など家畜の肉に比べて、ジビエの方が種類は多いですね。もちろん国や地域によって狩猟禁止に指定されていたり、狩猟が可能な時期、銃か罠などの猟法によっても可猟区は異なりますし、狩猟免許も必要です。免許取得も面白いので、ぜひ勉強してみてはいかがでしょうか」(ハンター兼食肉生産卸会社経営 石﨑英治)

Eiji Ishizaki:
今回取材したいくつかのジビエ店でも名前があがった(株)クイージの代表。自ら狩猟免許を持ち、島根県にてイノシシの食肉処理施設の運営や、エゾシカ・ニホンジカの卸業に取り組んでいる。「ジビエを食べられるお店が少なかったのでアンテナショップとして」と、昨年まで7年間、本業とは別に三軒茶屋でエゾシカフェを週一日営業していた。

POPULAR