Diggin’ in the Culture – from New York – #6: Shredmaster Keith

Diggin’ in the Culture – from New York –

Photography – Koki Sato, Report – Mimi Tamaoki, Special Thanks – Akira Mowatt (am/after midnight nyc)

音楽、アート、ファッションと、新しいサブカルチャーが生まれるのは、いつもこの街、NY。そこではリアルタイムで何が起こっているのか。現地からレポートしていく連載”Diggin’ in the Culture“。写真はKoki Satoさん、レポーターはMimi Tamaokiさん。

今回連載第6回目でディグしたのは、NYの若手スケーター、Shredmaster Keith (シュレッドマスター・キース)こと、Keith Hardy(キース・ハーディー)。

Shredとは通常「ずたずたに切り刻む」という意味だが、これは横乗り系でよく使われるスラングで、この場合「スケートボードのマスター キース」ということ。ネーミングの通り、初心者レベルのスキルでは、シュレッドマスターであるなんて言い方はしないが、とにかくキースの滑りは、自信に満ち溢れ、一際輝いている。キースに初めて出会ったのは、確か4年前のLESスケートパークだった。当時16歳だった彼は、細身のパンツが主流だった時代に、極太のビンテージのトミー・ヒルフィガーのデニムパンツを履いて、爽快にライディングしていた姿が記憶に新しい。

そして、今回NYの長年の友人でもあるam/after midnight nycのAkiraのおかげで、キースと再リンクすることができた!Thank you, Akira!! amはキースのスポンサーの1つでもあり、元々キースが、14、5歳の時に、当時AkiraがプロとしてスポンサーされていたNew Breed Skateboardsのメンバーとよく滑っていたのがキッカケで、2人は出会ったそう。その他にも、Deathwishやエリック・エリントンとデニス・マーティンのHRS等のブランドからスポンサーされていたり、シュプリームやG-Shockのモデル、映画「The Skatekitchen」への出演も果たした今NYのストリートで話題の若手スケーターだ。

キースと澄んだ秋晴れの日にラファイエットストリートで待ち合わせした。シンプルな細身のコーディネートにローファー×ハンチング帽の組み合わせがスタイリッシュだ。決してトレンドに流されず、独自のスタイルを確立している。顔には、「枯れた薔薇」、彼の生まれた年である「1999」、映画「キングダム・ハーツ」に登場してくる鍵つきの剣からインスピレーションをうけてオリジナルでデザインした剣など、フェイス・タトゥーが目立つ。「お気に入りは、右腕のキース・へリングとスクービー・ドゥー!スクービー・ドゥーは俺が子供の時にいつも観ていたアニメで、母親が買い物とかに行く時に、この番組をいつもつけてれば、俺は静かに座って留守番してたんだ。ベビーシッターのようなもんだった」。と微笑ましいエピソード。

いつもストリートをクルージングしているか、LES Skateparkにいるそうだ。「ホーミーでもあるGang Corpの奴らとLES Skateparkで合流して、そこでチルしたり、滑ってる。LES Skateparkは俺たちのホームであり、一番好きなスポットなんだ」。ブロンクスで生まれて、マンハッタンやブルックリンの複数の場所で育ったそう。「スケボーを始めたのは、7歳の時」と笑いながら話し始めた。「ブルックリンのブロードウェイ・ジャンクションの近所を歩いてた時に、たくさんのゴミ箱が外にあって、そこで、スケボーを見つけたんだ。最初は簡単じゃなかったけど、練習していくうちにすぐにできるようになってきて、それ以来スケボーは俺の人生にかかせない存在になっていった」

彼のようにブランドのスポンサーをつけて、プロ入りしたいと願うスケーターはたくさんいるし、実際に自分のライディングのビデオを企業やブランドに送って、プロモーションするキッズもいるそうだ。そんな中、キースのスケボーに対するアティテュードは、カッコいい。「スケボーをしていることで、スケボーの業界、そして人生についても学ぶんだ。俺はただ楽しんでやって、友達とチルして、物事シリアスに考え過ぎない。今まで俺がスケボーを通して経験させてもらってることは、全部トライしているわけではなく、ただ、毎日楽しんでスケボーして、いろんな人と出会って、俺とスケボーに興味を持ってくれて、それがオーガニックに、スポンサーや仕事に繋がっていったんだ」

まさに、パッションを持ってやっていると、人を惹きつけ、それがカタチになっていく。幼少の時は、キースの母親がスケボーとボロボロに履き古したシューズを買い換えるために、必死に働いていたそうだが、今はスポンサーのおかげで、好きなスケボーにお金をかけずにできるということにキースは深い感謝をしている。「スケボーを通して、人生にポジティブなことが起き、そして、ポジティブなエネルギーを持った友達を引き寄せてくれたし、スケボーをやっていなかったら、こんなにたくさんの友達に出会うことはできなかった」。と話す。現在20歳のキースは、「俺にはたくさんのアイディアがあるんだ。大きいブランドを目指すんじゃなく、自分のやりたいアイディアをTシャツ、そして服で表現したい。俺のマインドは限界がないから、また何かやりたいことがパッと思いつくかもしれない。そして、いつも楽しみながらやっていきたいんだ」

今回の会話を通して、自由気ままに遊びの延長で、決して構えるのではなく、チルして物事を判断しているキースのマインドは新鮮だった。今後のシュレッドマスター・キースの動きが楽しみだ。

Five Questions For You

Shredmaster Keith
https://www.instagram.com/shredmasterkeith/

①NYを一言で表現すると?
Wild。NYと言えば、家から出ると、100万人以上の人口に遭遇する街で、ストリートを一直線に歩くことすらできないし、人の波にダイブしても、みんな気にもしないし。ストリートがどんなに臭い匂いがしてもある意味みんなチルなところ。俺はもちろんそんなNYにLoveがあるし、時々旅行する度に気づくのは、NY以上に好きな街はないなってこと。

②NYのどこが好き?嫌い?
好き:便利なところ。俺はいつもマンハッタンにいるけど、スケートパークにも行きやすいし、ストリートを歩けばいつも知ってる奴らに会ったりできる、そんな便利さが好きだな。
嫌い:特に嫌いなところはない。唯一時々イライラすることは、人がたくさんいすぎることだけど、それもNYだから、特に気にしてないし。NYで生まれ育ってるから、全てが俺にとっては普通だな。

③NYの好きな場所
LES Skateparkの近くにあるデリ 、俺たちは「コーナーデリ」と呼んでるんだ。スケボーした帰りに、そこでサンドイッチを買ってる。みんな行くデリだよ。

④朝起きて一番初めにやることは?(平日&休日)
平日:まずは水を飲んで、卵料理を朝食に食べること。俺は朝食を必ずとるんだ。ヘルシーに食べる機会があったら、野菜と卵をしっかり食べてるよ。それから仕事へ向かう。
休日:平日と同様に水飲んで、卵料理の朝食。そして、友達と会ったり、スケボーしたり、楽しい時間を過ごす。

⑤もし大統領だったら、何をする?
絶対にありえないことだな(笑)。でも、俺の好きなBLTサンドイッチを国民が無料で食べられる法律にする!エクストラのベーコン、マヨネーズ、塩とたっぷりの胡椒も追加してさ。ベジタリアンの奴らは食べれないから損だけど、俺がベーコンが好きなんだよね(笑)。

ARCHIVES
Diggin’ in the Culture – from New York – #5: Let’s Play House!!!
Diggin’ in the Culture – from New York – #4: Dizzy Magazine
Diggin’ in the Culture – from New York – #3: Public Housing Skate Team
Diggin’ in the Culture – from New York – #2: Nothin’ Special
Diggin’ in the Culture – from New York – #1: Dirty Tapes NYC

INFORMATION

Shredmaster Keith

https://www.instagram.com/shredmasterkeith/