KANDYTOWN issue:Gottz × tofubeats
Talk SESSION from EYESCREAM No.173

Photography — Takaki Iwata Text — Shogo Komatsu

KANDYTOWN issue:Gottz × tofubeats
Talk SESSION from EYESCREAM No.173

Photography — Takaki Iwata Text — Shogo Komatsu

現在発売中の最新号 EYESCREAM No.173では、KANDYTOWNの魅力を再検証すべく、約40Pに渡って大特集。そんなKANDYTOWN issueでは、KANDYTOWNでもひときわ存在感を放つラッパー、GottzとDJ/音楽プロデューサーのtofubeatsによるトークセッションも繰り広げられている。
楽曲の上ではまだクロスオーバーしたことがない2人だが、果たして共通点はあるのだろうか? 語ったのは、互いの制作に関するスタンスについて。WEBではその一部を公開しよう。

俯瞰して見つける自分らしい音楽

ー まず、お2人が出会ったきっかけを教えていただけますか?

tofubeats:どっちだっけ? KEIJUくんたちとメシ行ったのが先? 撮影が先?

Gottz:多分、撮影が先ですね。

tofubeats:そうだ。KEIJUくんと一緒に作った『LONELY NIGHTS』のMVにGottzくんが出演してくれた時に話したのが最初。第一印象は、派手な人だなって(笑)。

Gottz:tofuくんって、IOくんとかと同い年ですよね? 全然そのイメージがなかったんですよ。見た目が上に見えるとかじゃなくて。はじめてtofuくんの曲を聴いたのは、『水星』だから7年前。前々から曲を聴いていたから遠い存在だと思っていた。そしてキャリアが長いから、もう少し年上かとも思っていたけど、2歳上だし、フランクに話してくれたから親近感が湧いたんですよね。

tofubeats:Gottzくんは、全然しゃべらない人かと思っていたけど、MVの撮影の時にめちゃくちゃKEIJUくんをイジってて、すごく接し易かった(笑)。

Gottz:ありがとうございます(笑)。都内で活動しているアーティストって、構えている人が多いからtofuくんは話しやすいです。俺よりしゃべる人ってあんまりいないけど、tofuくんは俺よりもしゃべっていた(笑)。

tofubeats:だから、はじめてGottzくんの楽曲を聴いてビックリしましたよ。KANDYはオーセンティックな曲が多いけど、Gottzくんはディスコっぽい曲でもラップしていて。オーセンティックな曲はKANDYのメンバーたちとやっているから、ソロの曲では違った表情を見せようとしているのが伝わってくる。優劣をつける訳じゃないけど、Gottzくんの楽曲は好きですね。

Gottz:DJで掛けてくれているそうですね。ありがとうございます。

tofubeats
DJ、音楽プロデューサー。
2003年から楽曲制作を開始し楽曲提供やプロデュースを行う。
最新シングル「Keep on Lovin’ You」が配信中。
@tofubeats(ig)tofubeats.com(HP)

tofubeats:どういう基準でビートメイカーとか、フィーチャリングのアーティストを選んでいる? 正直、ちょっと意外な組み合わせがあるから気になっていて。

Gottz:単純に気になっている人を選んでいます。面識がなくても一緒に曲を作りたい人はざっくりと考えていて。偉そうですけど、プロデューサーのような視点。このビートをあのラッパーに渡したら、もっといい曲が完成するんじゃないかな? って。ビートを聴いてからアーティストをイメージしています。

tofubeats:なるほど。僕は逆。まずはアーティストを選んで、その人に向けて曲を作る。ラッパーとの曲は、一応トラックを作って渡すけど、ラップが乗って戻ってきたら、それに合わせて丸々トラックを作り替えることもある。さらに言えば、僕がサビを入れた状態で渡すことも。トラックを渡して、ほったらかしにしたくないんですよ。Gottzくんと俺は、制作のスタートは逆だけど、プロデューサー的な視点と共通しているかも。

ー それぞれ、制作のこだわりはありますか?

Gottz:リリックが浮かんでこない時は、一旦置いておきますね。ふとした瞬間、あのビートにこの言葉が合いそうってひらめいたら、スマホにメモる。1小節目というか、ひと言目でほぼ決まるんですよ。それがバシッとハマれば、30分くらいで完成します。あと、今MUDと一緒に曲を作っているんですよ。まずはお互いにビートを送り合って、どっちが主導でリリックを書くか決めています。それで、スマホのボイスメモで録ったバースをラインで送り合うんですよ。

tofubeats:今っぽいやり方!

Gottz:tofuくんは、どこからトラックを作るんですか?

tofubeats:それに関しては、ケースバイケースです。

Gottz:『RUN』はどうでしたか?

tofubeats:音から。あの曲は、あるテーマを設けていたから、それに合わせて作ったんですよ。スケッチみたいな感じで出来上がって、角を取って丸くしていった。最初はイントロもアウトロもなくて短すぎたから、倍くらいの尺にして。

Gottz:そんなに変わったんですね。

tofubeats:トラックの制作は、量をこなさないと、うまくならないと思っているんです。できないことは無理にやらないけど、やりたいことはどんな角度からでも全部やる。今、トライしていることがあって。もうちょっとメロディとコードにフォーカスしています。今まで感覚でやってきたけど、30歳を目前にして、もっと音楽を理解するためにソフトウェアを勉強し直しているところ。だから、メジャーデビューして以来、毎年アルバムをリリースしていたけど、今年は出さなかった。

Gottz:確かに! 年に1枚も2枚もリリースしていますもんね。

tofubeats:今はもう、年に1枚もリリースしなくていいよう環境を整えていて。次のアルバムも同じような仕上がりだと意味がないからね。雰囲気を変えられるように、いろんなアプローチをしているんですよね。

ー 制作で何かから感化されることはありますか?

Gottz:あんまり他から影響を受けないかな。自分で見て、聞いて、感じたことが大事。少し違うけど、イチローを見ていると、俺も頑張ろうって刺激になりますけどね。

tofubeats:イチローって意外!

Gottz:イチローに限らず、スポーツ全般が好きなんですよね。ベテランもそうだけど、若いアスリートが出てくると、負けてらんねぇって思う。ラッパーで言ったら、亡くなっちゃったけどNipsey Hussleが刺激を与えてくれましたね。ゆくゆくはNipseyみたいに、フッドに還元する男になりたい。tofuくんは?

tofubeats:俺は本。3枚目のアルバムくらいから、とにかく読書をするようになった。ちょうど今、次のアルバム制作に向けたレーンに乗ったところで、めちゃくちゃ本を読んでいる。本っていっても小説じゃなくて、音楽と関係ないジャンルの入門書とか、物語じゃない読み物。それが自分なりに着想を得やすいって気づいたんだよね。関心があるけど知らないカテゴリーの本だと、自分がどこに反応したか、自分がどこに興味を寄せたかって分かりやすいから、本に聞くというか。

Gottz:そうなんですね。俺もやってみようかな。

tofubeats:ラッパーって、自分の身の回りで起きた出来事をリアルに綴るのが大事な力だと思うから、影響を受けすぎないのはいいことだと思う。でも、僕はもうちょっと引いて見なきゃいけない。ライヴやDJをやらせてもらっているから、自分の主観に寄ってしまいがち。でも、本をひとつ挟むと少し引いて考えられるようになるんだよね。Gottzくんは、自分を俯瞰して見ているように感じるから、自分の目標に対して着実に向かって行けると思う。

Gottz:tofuくんは目標ってありますか?

tofubeats:いい曲をたくさん作ることが人生の目標。自分のテンションが上がる曲って、ほんとに難しくて、年に1曲とかしか完成しない。

Gottz:俺は人生の目標って言うとまだ漠然としているけど、3枚目のソロアルバムが大勝負だと思っています。他の作品も同時進行しつつ、ビートを集めているところ。来年の上半期にリリースできたらいいですね。Nipsey Hussleが、マラソンって言葉をよく使うんですよ。まさにその通りだと思います。給水所がアルバムのリリースなんですよね。長いスパンでリリースし続けて頑張らないと、人生の目標となるゴールテープを切れない。だから、リリースし続けているtofuくんはすごいと思う。

tofubeats:15年くらい走り続けてますね(笑)。

INFORMATION

EYESCREAM No.173

11月1日(金)発売
第1特集『KANDYTIWN 探求:その存在、深さと意義』
出演者:
KANDYTOWN
二階堂ふみ
オカモトレイジ(OKAMOTO’S)
tofubeats

第2特集『HELLO, 神山羊』
出演者:
神山羊
Shu Sasaki、OSRIN(PERIMETORON)
JUN INAGAWA
窪田慎(CEKAI)&北田正太郎
東洋医学
magma
服部昌孝

お取り扱いは全国の書店、大型CDストア、Amazon等にて



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