FASHION 2019.03.01

TRANSMISSION BLOCKーEYESCREAM的、今が在る場所ー LA編 Mister Green Life Store

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Photograph - Ryuta Hironaga, Edit - Ryo Tajima

洋服屋、セレクトショップ、お店は世界中にたくさんあるが、今ではネットやSNSから幾らでも物が買える。だから、せっかく足を運ぶなら、そこじゃなくちゃいけない理由がある場所に行きたい。物だけじゃなくてスペースとしてカルチャーを感じられる場所、文化の発信地に遊びに行きたい。そんなところ=TRANSMISSION BLOCK、LA編の第2回。喫煙具やオリジナルウエア、アクセサリーを展開するMister Green Life Storeをピックアップ。

先日ご紹介したLAのセレクトショップVIRGIL NORMAL(ヴァージル ノーマル)の店から車で15分かからないくらいのストリートに面しているライフスタイルショップ、Mister Green Life Store(ミスター グリーン ライフ ストア)。LITTLE ARMENIA(リトル アルメニア)とEAST HOLLYWOOD(イースト ハリウッド)の真ん中くらいで近くにはロサンゼルスシティ大学もある住宅街だ。

Mister Green Life Storeのオープンは2015年。グリーンとショップ名に入っている通り、ここは大麻があるスタイリッシュなライフスタイルを提案している。“大麻”。今でさえ、日本で、この文字面を見ると、ちょっと拒絶反応が出る人も多いのではないだろうか。「ダメ、絶対」的な。ギャング然としたラッパーがグリルの間に挟んでブッシューーとジョイントを吹かすとか(笑)。曲解で恐縮だが、そんな光景が思い浮かんでくる人がいても、おかしいとは思わない。

ご存知の通り、昨年、アメリカの一部州では嗜好用大麻が解禁されており、カリフォルニア州も御多分に洩れず。カナダに至っては国を挙げて解禁されている。2018年後半からの世界的なトレンドを見ると、大麻合法化というのは1つのうねりだ。実際、このときにLAの街並みを眺めていると、喫煙率は確実にタバコより大麻の方が多かった。お姉さんからお年寄りまで誰もが皆、嗜好品として喫煙している。HIPHOPのライブを観に行けば、同様にステージでジョイントを回している。なんだか、そこに1種の違和感を覚えつつ、合法なので別に特別な光景でもないのかー……と変に自分を納得させたりしていた。




話が逸れてしまったが、Mister Green Life Storeはギャングの店でもなんでもない。非常にクリーンで上質なお酒を楽しむのと同じように喫煙を嗜むスタイルを提唱している場所で、灰皿やパイプなどの他にオリジナルのTシャツやキャップ、パーカなどアパレルウエアも多数並べている。





まず内装が整頓されていてリラックスできる。ウッド調のラックに赤レンガの壁、静かな店内に微かな響くエレクトロミュージック。陳列されているアパレルグッズを見てみると、これがお洒落。LA拠点のアパレルレーベルらしい、ポップなグラフィックと色使いが個性的だ。ピンバッチやソックスもかわいい。

このコンヴァースはお店が独自にカスタムを施してスタッフが履いたりしている。コラボというわけではなく、DIYで作っている特注品。

おや? ミドリサン 東京。このフォント何なのだろう? 独特な線の細さだ。ちなみにMister Green Life Storeのインスタグラムをチェックして見れば分かるが、#ミドリサンはショップのハッシュタグ。オーナーのAriel(アリエル)さんは日本の文化も大好きだそうで”ミドリサン”の音の響きを気に入っているのだとか。日本全国のミドリさん、このパーカは買うべき1点ではないでしょうか!?




お香立てや灰皿、パイプも、いわゆるギャング然としたものではなく、インテリアとして飾っても可愛いデザインばかり。飾られている大麻のアートピースも販売中。大麻に関する本も並べられている。

ショップには友達の家に遊びに来るような感覚でお客さんがフラッと入ってくる。オープンギャラリーのようでカフェのような雰囲気。Arielさんも話しかけてくるお客さんと世間話を続ける。

最近ではお洒落なビジュアルのウィードブランドも出てきていて、今後、大麻を嗜好品として楽しむ時間は(解禁された国々の)人々の生活により密接になっていくだろう。しかし、アメリカ国内で大麻が解放されている州と、そうでない州があるというのは、どういう感覚なのであろうか。現代社会において大麻をどう扱うのか? という問いは、各国で長年、取り沙汰されてきたことで、メビウスの輪っ! とまでは言わないが、正解が幾つも用意されている国語の問題みたいだ。回答者が変われば、導き出す答えも変わってくるという意味で。

大麻をドラッグと捉えるのか、嗜好品と捉えるのか。果たして、モラルとマナーを持って扱えるのか。それはアルコールにもタバコにも言えることだが。
我々は現代を生きる人類として、さらなる感性の進化を求められているのかもしれない。

さて、そんな堅苦しい話はさておき、Mister Green Life Storeは誰でも気軽に入れる、オシャレなLAのライフスタイルショップ。HPではオリジナルグッズを使用したビジュアルも掲載されている。LAに行った際にはアパレルグッズや小物など、お土産を買いに立ち寄っていただきたい。

INFORMATION

Mister Green Life Store

4884 Fountain Ave.
Los Angeles, CA 90029
https://www.green-mister.com/
@shopmistergreen

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