MUSIC 2018.01.20

BEAMS for The xx第2弾、本日発売! The xx、来日直前インタビュー。

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

09年に発売されたデビューアルバム『xx』がイギリス最高峰の音楽賞、マーキュリー・プライズをいきなり受賞。英国はインディー・ロック・シーンから誕生した新星と世間を賑わせたのが、The xxだ。Romy Madley Croft(v/g)、Oliver Sim(v/b)、そしてJamie Smith(beat)、3人の友誼にしか織りなせない、淡く、刹那的なサウンドこそが、彼らの色だろう。

そして前作『Coexist』から約4年半もの年月を重ね、待望の3rdアルバム『I See You』をリリース。ここ日本でも人気が高い彼らは、BEAMSとタッグを組み、カプセルコレクションBEAMS for The xxを発表してきた。その大好評企画の第2弾が、ツアーに先駆け、本日ローンチする!今回は、そんな来日ツアーを直前に控え、多忙を極めるRomyにメールインタビューを行った。

-まず、今回もBEAMSとのカプセルコレクション第2弾を発表することになりましたが、そもそもBEAMSのことを知ったきっかけはなんだったのでしょうか?

Romy Madley Croft (以下Romy):2016年の終わりに、3rdアルバム『I See You』のプロモーションで来日した時に行ってみたんだけど、入店した瞬間にイケてるショップなんだと感じた。日本のスカジャンのような刺繍が施されているシャツに一目惚れをして、買ってみたの。そんなBEAMSと、グッズでコラボレートできるって分かった時は、率直に嬉しかったわ。ファンへの贈り物として、これ以上ないスペシャルなアイテムをお届けできたこともね。

-これまで何度か来日していると思いますが、滞在中はいつもどんなことをしていますか?

Romy:東京大好き!来日する時はいつもホテルから飛び出して、いろんなところを探検するの。買い物がメインではあるんだけど……渋谷のリユースショップで、とっても素敵なSAINT LAURENTのレザージャケットをゲットしたわ!Jamieは、もっぱらレコードを買い漁っているわね。彼に連れて行ってもらったGrandfather’sという小さなバーが最高だった。おじいちゃんが70年代ロックのイケてる選曲をするの。もちろんヴァイナルでね……もう大好き。

-普段、どのような服を着ますか?

Romy:ステージでは、スマートかつカジュアルみたいなスタイルを心がけている。それに持ってこいなのがボンバージャケットで、これまで相当な数を着てきたと思う。GUCCIとSAINT LAURENTのを持っているんだけど、この逸品を所有できたのが誇らしく思えるくらい、綺麗なの。普段は、もっとカジュアルかな。スケーターが着ていそうなフード、キャップ、トレーナー、Vansといったスタイルやアイテムからインスパイアされる。あと最近、X-girlというブランドに出会ったんだけど、久しぶりに、運命を感じた。どれもカッコいいし、90’sのムードなんだけど、肝心のポイントは、どのアイテムにも“X”が入っているところ!私にピッタリだと思うでしょ?ちなみに私は、レオパード柄には目がないのよ…どんなものでも好きになってしまうわ。

-The xxのキーカラーは黒と言われるように、皆さんのアウトフィットもミニマルに黒でまとめていますよね。その中でも例えば、Romyはパンクなテイストを滲ませたりしていて、ファッションにおいても自分の音楽性をリンクさせて表現しているのでしょうか?

Romy:黒でまとめるっていうの、実はこれといった打ち合わせはしていないのよ?でも全身ブラックで決める感じは好きみたい、なんかパワーがみなぎってくるの。よくお互いの服装をお世辞抜きで誉め合うから、ついつい似たような格好になってしまうのかな。不良の群れが、揃いに揃って同じような装いをするでしょ?同じように、仲間意識が勝手に働いているのかも。でも、最近は私たちにも少しずつ色が入ってくるようになった。私は、もともとパンクが好きで、自分のバックボーンでもあるから、服装や佇まい、スタイルにおいて大いに影響されているの。ほとんどレザージャケットさえあれば……という感じなくらいに。

-そして本日、BEAMS for The xx第2弾がローンチされます。前回以上にアイテムのバリエーションも豊富で、どのアイテムにも鮮やかな桜が施されてたり、デザインやアイディア出しにも熱心なのを感じました。

Romy:前回以上に色を意識的に取り入れてみたわ。個人的にもフラワーパターンやフラワーモチーフのアイテムを着ることが多くて、そういう花がデザインされたアイテムが特に素敵だと感じる。BEAMSが日本の国花でもある桜を取り入れてみたら?って提案してくれて「それだ!」と思ったの。日本の伝統とThe xxの新たな色がこうして結晶になったというわけ。

-ちなみに、もし買うならどのアイテムを選びます……?

Romy:キャップ。すでに、家ではいつもかぶっているってくらいお気に入りよ。

-2017年に3rdアルバム『I See You』がリリースされましたが、これまで発表したアルバム『xx』、『Coexist』、『I See You』3作をそれぞれ振り返ってみて、どういう作品だと感じますか?

Romy:1stアルバム『xx』は、右も左も分からないような時期だったし、自分たちの音楽性を模索し、もがきながら作り上げた1枚だったと思う。そして、私たちのサウンドを多くの人に発信できたとも言えるわ。2ndの『Coexist』はそれを踏まえて磨きをかけていった。最初の2作は全てロンドンでレコーディングをしたり、制作フローも似たようなものだった。だからこそ、今回はこれまでのようにミニマルにまとめることをやめようって。もっと視野を広げて、別世界にも目を向けるようになったの。それはソロで活動した4年ちょっとの間でそれぞれに培われていったわ。そういう意味で、『I See You』は、今まで以上に開放的なレコーディングになったと思う。初めてロンドンから出てみて、世界各地でレコーディングをしたのよ。このアルバムは、そんな成長した私たちが今、改めて、お互いと向き合ってみるということから始まった。自分自身に向き合うことよりも、その目の前にいる友人を真に理解することで、私たちが見えてくるの。

-OliverとRomyがまず歌詞とデモを作り、そこにJamieが音を乗せて曲を作るという制作スタイルだったと思いますが、今回も同様の流れですか?

Romy:これまで何度も変えはしてきたんだけど、ほとんどOliverが自分のパートを書き、私が私のパートを書き、最後にJamieが音を乗せるという方法だった。けど、最近はもっと発展してきて、Jamieのアイディアが先行してくるパターンもあるのよ。そういう時は、後から歌詞を乗せる。逆に、私とOliverでまず曲の構想を練るところから始めてみる時もある。

-歌詞を書く2人はどんなことを題材にしているのですが?また、自分を観察・分析しようと試みるものですか?

Romy:ほとんどの歌詞が、私やOliverのパーソナルな経験や友情、恋愛関係だったりする。自分自身に耳を傾けて、それが自分にどんな作用をもたらしたのか、しっかり向き合う作業をしているわ。

-改めて、音楽はどういったものからインスピレーションを得ますか?

Romy:今まで数えきれないほど、多くの音楽に触れてきて、好きな音楽も山のようにあるの。だから、私たちは今Spotifyのプレイリストがあって、そこにThe xxの全てをぶち込んでいるわ!Sade、The Velvet Underground、Fleetwood Mac、Cat Powerは常連ってとこかしら。

-The xxがバンドとして存在し続けている、理由は何ですか?

Romy:バンドとしての私たちの距離感やコミュニケーション方法が好きなの。それが、The xxの音楽性そのものでもあるわ。

-『I See You』は全体を通してダンサンブルな曲もあり、ローな曲もあり、これまで以上に楽曲の幅を感じますが、このアルバムの構成は意識的にされたのでしょうか?

Romy:うん!それは全てのアルバムに対しても言えるけど、アルバムを通して聴いてほしいという願いがあるから、トラックの順番まで考え込んでいるの。だけど、楽曲制作の現場においては、そこまで考え込まなくてもいいんだけどね。

-4年半もの年月を経ての本作ですが、リリース日に投稿していたInstagramのテキストが、あなた達にとって『I See You』がどういう作品なのかを一番ダイレクトに表していたように思えます。The xxにとって、本作が持つ意味はなんでしょうか?

Romy:このアルバムは、私たちがお互いの世界を切り開いてくれた大切な1枚よ。バンドとしてOliverやJamieをどう見つめているのか、また彼らがどう私を見てくれているのかをレコーディングした。完成した暁に、私たち全員が本当の意味でひとつになれたと思う。

-また、本作においてコアとなる場所が、メキシコ国境近にある小さな町、マーファですよね。マーファといえば『MARFA JOURNAL』という名の通り、その地にインスパイアされたエッジーなファッション雑誌があったり、ラリー・クラークが映画を撮ってしまったりと、表現者を魅了させる“何か”があるように思えます……The xxも、本作の制作に着手し始めた場所でもあり、第一弾目のMV『Oh Hold』の舞台でもありますが、一体マーファって何なんでしょう?

Romy:あなたの言う通り、マーファには何かがあるようね。このアルバムのレコーディングをしたのもそうだし、マーファで過ごした時間がとても愛おしいの。歓迎された感じ。そんなマーファへ、感謝を込めた何かをしたくて、MVを撮ろうってなった。マーファの人たちに沢山登場してもらったのよ。

-これまでのミニマルな空気から一転し、『Oh Hold』、『Say Something Loving』、『I Dare You』の3作品のMVは、いずれもAlasdair McLellanが手がけた温かみのある仕上がりです。元々彼のファンだったそうですが、The xxのムードやアイデンティティもまた、彼が描いたように変化したと解釈できますか?

Romy:Alasdairが映し出した楽しそうな雰囲気、綺麗なライトニングとカラーリング……どれも素晴らしいよね。彼は本当に、私たちが感じているムードを見事に投影してくれたわ。ユースのパワーと、そこに登場する人たちの温かさ、綺麗な青空、何より私たちがマーファをどれほど好きなんだということもね。

-バンドのムードが変化していったのが突発的ではなく、オーガニックな流れの中でというのは伝わってくるのですがThe xxの中で、具体的に何がそうさせました?

Romy:これまで、どちらかというとヴァンパイヤみたいな寒々しいイメージを持たれていたということに気づいたの。実際の私たちは、全くそんなことなくて、もっとリラックスしているし温かい気持ちでいるのよ。そこをちゃんとMVで示したかった。音楽が温かみを増していくように、そのムードをMVでも同じように表現してみたかった。私たちは今回、バンドとしてあるいは楽曲制作面においてブレイクスルーできたと思う。さっきも言ったけど、初期はロンドンの同じスタジオでずっと籠り続けてきて。いざ脱してみて、他の世界を見てみるようになったら、視野もうんと大きく広がったし、自分自身をより理解することができた。

-『I Dare You』ではRaf Simonsも参戦したのがニュースでしたね。衣装がCalvin Kleinなのはもちろんですが、俳優面においても、Millie Bobby Brownをはじめとするミレニアル世代のイットボーイズ&ガールズが出演し、いよいよ映画のような仕上がりになっていました。RafがこのMVを一層洗練させ、Millieがこの曲のエモーショナルな部分を巧みに表現しているように感じましたが。

Romy:Rafは本当にすごい人!彼はこれまで、たくさんサポートしてくれたし、どんなに、いつ偶然、バッタリ会えてもとっても温かく迎えてくれるし、私たちに会えたって興奮してくれるんだ。彼はこれまでの2つのMVをとても気に入ってくれていて、このシリーズを極めてほしいし、自分もそれに参加したいって言ってくれたの。彼がCalvin Kleinで起用したソーシャライト達を呼んでくれたこと、とってもアツいと思う。彼のヴィジョンとコンセプトはとっても尖ってたし、そんな彼と一緒に関われたことが何よりアツい!私たちも、このMVをとても気に入っているわ、Calvin Kleinを取り入れてくれたこともね。

-2010年に来日公演をソールドアウトさせ、過去3回FUJI ROCKを超満員にし、そして来たる2月には大阪Zepp&幕張メッセでのライブを控えています。まずは、率直に今回の単独公演への意気込みを聞きたいです。

Romy:とっても楽しみにしているわ!日本は特別な場所だし、FUJI ROCKは私たちの夏フェスシーズンの中でも、ベストなギグよ!日本のファンも大好きだし、彼らの為にプレイするのが待ちきれないの。

-The xxのファンってどんな感じですか?

Romy:とても様々だと思う、男女比もちょうど半々くらい。年齢層にも幅があって、ティーンの女の子から中年のおじさんもいる。この多様性が私は好きで、ステージから見ていると、それがとてもクールなことだと思えるの。BEAMSで以前サイン会をやった時は、本当にクールな人達ばっかりいたな。それぞれが素晴らしい個性を放ってて、クールなスタイリングをしていた。その会場にいたほとんどが、私たちのように全身ブラックだったんだけどね。

-最後に、2018年の活動について教えてください。

Romy:この年明けのアジアツアーを心底楽しんで、夏はまたいつものようにいくつかのフェスに参加するつもり。それからは、またのお楽しみよ!

-The xxの歌って、東京の情景にもピッタリで。ぼーっと電車に乗っているときや、街を歩いている時とかに染み渡ります。できれば、次のアルバムはまた東京でMV撮ってくださいね!

Romy:ぜひまたやりたいわ!前に「Angel」という曲で東京を舞台にしたのよ。

INFORMATION

BEAMS for The xx

2018年1月20日(土)11:00より
ビームス 原宿、ビームス ストリート 梅田、公式オンラインショップにて販売開始
ビームス 原宿tel_03-3470-3947
ビームス ストリート 梅田 tel_06-6366-3695
BEAMS公式オンラインショップ
*国外ではThe xxのオフィシャルサイトにて発売

The xx Japan Tour 2018

2018/2/9 (金) ZEPP OSAKA BAYSIDE
2018/2/11 (日) 幕張メッセ イベントホール

チケット
一般発売:2017/11/18(土)
大阪 :ぴあ(P:347-656)、e+、ローソン(L:53777)、iFlyer
東京 :ぴあ(P:346-934)、e+、ローソン(L:75099)、iFlyer

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