少し気は早いが、間違いなくこの一年はkojikojiにとって躍進の一年と言って良いだろう。そう裏付けるライブが、去る10月17日（月）LIQUIDROOMにて開催された。この日は、自身で作詞を手がけた1stフルアルバム『Mining』を提げたツアーの初日。LIQUIDROOMの舞台に立つのは3度目となる。これまで弾き語りやニューリーとのタッグが多かったkojikojiだが、本ツアーではコーラス隊の二人を迎えた4人編成で実施、ここで綴る東京公演にはサポートギターとしてHISAが参加した。重層的なサウンドで包み込んだ一夜をフォトレポートで振り返る。

ライトが灯るとともに、kojikojiをはじめバンドメンバーが登場すると、「true to true」、「じっくりコトコト」をプレイ。コーラスを交えた新鮮なハーモニーで、原曲はもちろん過去のアレンジとも異なる立体的なグルーヴでオーディエンスを引き込んでいく。

『はじめて5人編成でのライブを見せられて嬉しいです。座りながらゆっくり揺れていってください』と挨拶をすると、ここでまさかのバイオリンをチューニング（学生時代以来、久しぶりの演奏だったという）。ニューリーのギターとバイオリングの音色、そして美しいコーラスが「wan-tan」の情景を掻き立てる。

余韻に浸る中、幻想的なムードすら感じた「TASOGARE」を歌い上げると、「いつかのDAYS」ではシェイカーを片手に英語でのフレーズも披露。続く新曲「星を見上げる」では、キャッチーなメロディで新たなkojikojiサウンドを繰り広げてみせた。

MCではアルバムの制作を振り返りつつ、『明日からまた頑張れるように、今日は私たちの音に身を委ねて、気持ちを溶かして、飲み干して帰って行ってください』と続けた「poyon」では、“ぽよん”という擬音を体現するような遊び心を溢れるサウンドを展開。続けて「VIBES」、「for you」をリミックスさせた「陶芸」を歌い上げた。

そのまま、打ち込みのアレンジが効いた「ほろよい」を歌い、「長い朝」、「終着地点は秘密」をしっとりと弾き語り。メンバー紹介を挟むと、ライブは終盤へ。原曲の壮大な世界観を昇華させた「はぐれ雲」では5人で合唱しているような一体感を生み出し、続く「ペタッ」では鍵盤ハーモニカの音色と響くコーラスがkojikojiのヴォーカルを引き立たせた。

ラストはアップテンポにアレンジされた「味のないSummer」をプレイし、5人編成ならでは音の広がりを魅せた。表現力が増す神聖なヴォーカルと、サウンドの隙間を心地よく埋めていくような立体的なグルーヴに身も心も解きほぐされた一夜となった。

set list
01. true to true
02. じっくりコトコト
03. wan-tan
04. TASOGARE
05. いつかのDAYS
06. 星を見上げる
07. poyon
08. VIBES
09. 陶芸(for you)
10. ほろ酔い
11. 長い朝
12. 終着地点は秘密
13. はぐれ雲
14. ペタッ
15. 味のないSummer
encore
01. 愛のままに
02. もも