BEAMS × スペシャの共同プログラム「PLAN B」Highlight : Season 5
from EYESCREAM No.166

BEAMS × スペシャの共同プログラム「PLAN B」Highlight : Season 5
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2016年7月からスタートした、BEAMSとスペースシャワーによる音楽と映像の実験プログラム、PLAN B。現在発売中のEYESCREAM 7月号では、今年3月からの総集編として、Aya GloomyKing GnuDATS、それぞれの「B面」を探ったインタビューを一挙掲載中! スペシャルダイジェストとして、東京のユースを象徴する彼らのクリエイティブの源を、WEBでも特別にお届けする。

“DATS”はいかに表現されたか
【3月:DATS × UMA】

ー今回は弱冠20歳の映像作家・UMAとの共作となりました。このきっかけを教えてください。

MONJOE(Vo. Synth.) 「彼とはDATSのライブを撮影してもらって、その打ち上げでたくさん話して。バイブスが合って、急接近しました。その打ち上げの時に「俺めちゃくちゃアイデアあるんですよ。でもアウトプットする場所がないんすよ」って熱弁された(笑)。彼はまだネットに情報もないし、実際にキャリアを重ねていないからこそ、DATSと一緒にものを作れるのは面白いんじゃないかな、俺らにとってはそれも一つのパンチになるんじゃないかなって思ったんです」

早川知輝(Gt.) 「今回の話を頂いた時、すぐに「UMAでいいんじゃない?」って話になったよね」

大井一彌(Dr.) 「UMAとは対等な立場で話せるのが良かった。MVを作る時でも何でも、バンドとそのクリエーターはあくまで対等な関係でありたいんです。嫌なものは嫌と言って、こなしてほしいところはバッチリこなしてほしいっていう」

ー映像作品という意味では、UMAさんのデビュー作でもあったわけですね。

MONJOE 「はい。ただ、彼は経験が浅いので、僕らも企画案や構成を考えなきゃいけなかったんですが、それが僕らにとっては良いきっかけでした。「構成は映像監督が考えることだ」って思っていたけど、バンドをどう見せるかは俺たちも考えておかないと、この先ひょんなことでつまずくかもしれない。彼とやったことで、DIYでレベルの高いアウトプットができることがDATSの強みなんだってことに気付かされましたね。

ー中でも三原山の大自然の中で撮影した回は、MVと言って差し支えないクオリティでしたね。

大井 「4回の中で一番気に入ってますね。DATSにしかできない4回を作る上で、まずは自然と絡む、自然の中にDATSが溶け込むということを表す1回として、あの回はすごく効いてると思います」

ーフィールドレコーディングで収録した音でトラックを書き下ろすというトライもあった。

MONJOE 「はい。僕がトラックを作る時は、例えばサウンドライブラリの中にある心地のいい音とか、きれいに整頓された音とか、何もかもが最適化された音の中から自分がいいと思う音を選んでいます。だから今回のように本当に「生の、自然という生きものを録って作る」ことはすごく新鮮な経験でした。今後の音作りにも生きてくるんじゃないかな」

伊原卓哉(Ba.) 「大自然の中にマイク立てて、それをサラウンドで録った環境音が活きるトラックが出来たらすごく面白そうだよね。ミクロじゃなくってマクロで自然を体感できる仕組みというか。ちょうど先日のWWWのツアーファイナルでも、サラウンド音響システムで演奏したりしたし」

大井 「あの回で表現したのは、DATSが大事にしている「自然」という要素。BEAMSの店舗で撮影した回では、これも僕らにとって重要な「ファッション」という側面を出すことができた。各回いろんな側面から、DATSが見せていきたい姿を表現できたなって思います」

ー6月にはメジャーデビューを控えていますね。

MONJOE 「色んな場所で言われるように、今はメジャーとインディーズの差はあまりない。結局、バンドがメジャーな存在になれるかどうかは、作品が評価されることが全て。そう思ってるから、気分やテンションが変わっているわけではないです。ただ、僕はいちアーティストとして、気分の移り変わりが結構激しくて」

ーどういうこと?

MONJOE 「『Degital Analog Translation System』が出来て3ヶ月くらい経っていて、今はもう次の作品について考えてる。という段階で、この作品のプロモーション時期だから、色んな媒体で語らなきゃいけないんですね。このスピード感に、周りがついてこれるように俺らは常にもっと速く進んでいかなきゃいけないとは思っています」

大井 「DATSって、様々なものを代謝し続けて前に進んでいくタイプのバンド。語弊が無いようにしたいのですが、実は一つ一つの楽曲のアウトプットに対して、僕らはそんなに重みを感じていません。だからこそ、軽々とそれを飛び越えていくようなクリエイティブが合ってるし、僕らもその時その時で面白いと思ったことをそのタイミングで出せるかっていうことしか考えてない。メジャーでも精神は変わらないんですけれど、メジャーになったから会社が大きくなっていろんな話が進むのが遅くなる、みたいなことは考えられますよね。でも俺たちは、それすらも崩していかなくちゃいけない。メジャーでもこれが俺らだ、という気持ちは絶対忘れずにいたいなって思います」

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