“2010年代の日本人アーティスト”として
【4月:Aya Gloomy × Monika Mogi】
ー約1年ぶりのリリースになりましたね。
「1年くらい前からずっと制作してきて、始めた時から「1年後には出そう」って思っていました。前は英語で歌詞を書いていましたが、今回は日本語の歌詞で作ったところが大きな違いかな」
ー何かきっかけが?
「今は日本語のほうが海外の反応が得られると思ったから、というのもあるけど、実は今まで日本の音楽を知らない食わず嫌いで、全然視野に入れていなかったんです。ちょっとアンチっていうか。それが、北野武さんの映画を観て一気に変わりました。もちろん映像もカッコイイけど、久石譲さんの音楽がとにかく美しかったんです。自分が知らないだけで、日本にも素晴らしいアーティストが沢山いるんだと気付かされました。そこから『AKIRA』とか『攻殻機動隊』みたいな、海外で受け入れられている日本のアニメを観るようになって、映像の中で使われているトライバルな音楽も好きになりました」
ー主に80年代の映画やアニメから、日本の音楽を好きになった。
「そうですね。あとは細野晴臣さんがプロデュースしたアイドルとかをYouTubeの関連動画で掘りまくったりしていたら、その年代の音楽がすごく好きになっていました。今の私の音楽はこの世代に影響を受けていると思います。今って、90年代の渋谷系みたいなわかりやすいシーンやブームみたいなものがない。だからこそ、2010年代に私が「海外から見た日本の良い音楽」をやりたいなって思って。こういうアプローチでやっている人はいないし、チャンスだと思っています」
ー歌詞も含めて、どちらかというとダークな世界ですよね。どういう時に曲を作っているんでしょうか。
「よく言われます(笑)。特に歌詞は何か嫌なことがあってテンションが落ちた時に、そのパワーを使って作ります。そういう時のほうがやろうと思うし、実際アイデアも出るから。歌詞をあてていない曲のストックと組み合わて、一気に作ります」
ー今回のPLAN Bでも、80年代のトーンを意識したということでした。自分が生まれていない時代のカルチャーと、今の自分の何がリンクしたと思いますか?
「うーん・・・戸川純さんかな(笑)。私はファッションと音楽が融合している人が大好きなんですけど海外のアーティストばかり見ていて、日本のアーティストでそういう方がいるのを知らなかったんです。戸川純さんはそのバランスも含めて本当にカッコいいなって。あのクレイジーなキャラクターも―もちろん作っているんだろうけど―確立されているし。戸川純さんみたいな人がたくさん出てくれば、シーンがもっと面白くなるのになぁって思います」
ー今回のPLAN Bが、Ayaさんにとって初の映像作品となりました。制作を振り返ってみて、どんな収穫がありましたか?
「4本通して一貫したテーマを作ったのがよかったと思います。今回は「宇宙」というテーマだったんですが、テーマがあることでみんなが同じ方向を向くことができるし、自分自身をどう見せるかを考えるきっかけにもなった。これからも、何か作品を作る時には明確なテーマを決めて臨もうって思います。あと、単純に私はビジュアル表現が好きなのに、今まで映像作品を持っていなかったので、PLAN Bでようやくそれが作れたことが嬉しいですね」
ー最後に、アーティストとしての目指す先を教えてください。
「うーん、やっぱり超ビッグスターになりたい(笑)私は服(古着のポップアップショップ『POMPOM SHOP』を定期的に開いている)もやっているけど、一番にあるのは音楽だし、そうあることが夢だったから。でも本当に、世界的な日本人アーティストになりたいですね。映画のサントラとか、作れたら超いいなぁ。ビジュアルだけじゃなく、音楽的に評価されるアーティストになっていきたいと思います」
next》 【5月:King Gnu × PERIMETRON】