Korea’s New Generation
7 OOHYO : メジャー響いた、純真無垢な音楽
韓国で“神童”と称され、作詞・作曲・トラックメイク全ての楽曲を1人でクリエイトするシンセ・ポップ・ミュージシャンがOOHYOだ。デビューEP『Girls Sense』はティーンエイジャーの時に書き上げた歌詞と音源。それをレーベルにデモとして送ったのがきっかけでデビューを果たした。現在はロンドンに拠点を置き、様々なアーティストからコラボレーションを熱望されている彼女に話を聞くことができた。
「元々、自己表現が苦手だったんですけど、音楽は自分の想像力と心情を自分で織りまぜることで私が表現したいことや言いたいことを表に出せるようになりました。このような表現方法を手に入れられたお陰で、それにまずのめり込むことができたので最高の贈り物をいただいた気持ちになります。音楽は、元々兄の影響を存分に受けてました。兄がいた大学のバンドサークルの公演を観に行ったとき、初めてロックに出会ったんです。それから兄が好きだったオルタナティブ・ロックを聴いて、あれこれ開拓していきました。影響を受けたアーティストは、スウィッチフット、Relient K、ザ・ハッシュ・サウンド、あとグライムス。7歳からずっとピアノを続けていて、放課後になると何時間もピアノを弾きながら歌も歌ってたんです」
[MV] 우효(OOHYO) _ 청춘(Youth) (DAY)
「いつの間にか歌も作れるようになってました。大学に入学することにはミディを手に入れられたので、徐々に私の音楽スタイルが確立されて行ったという感じです。大学3年目の時、国際学を学んでいたのですが転勤族だった父が転勤前にロンドンの大学への進学を勧められて、今通っています。クリエイティブ・インダストリーという創意的な文化産業とそれに関連した理論と政策を社会学的に研究しています。今学期で大学も卒業するので、もうソウルに帰ります。今までの活動は学業との並行だったのですが、これからはそんな勉強に疲れた心身を癒しつつ、本格的に活動をしていくつもりです」。
飾り気の無い、透き通った歌声と、電子音響くドリーミーでポップなサウンドで、いま大物アーティストからも数多くその名前があがっているのがOOHYO。「アイドルやアーティストたちが私の音楽に関心を持ってくれたのに驚いたし、音楽的なトレンドにも敏感な人たちが、この地味で素朴な私の歌を聴いててくれているのが意外でした。ジャンル関係なくアーティストの個性に光が当たり始めている、そんな時がやってきたのかと感じています。3rdシングル『PIZZA』では日本のLUCKYTAPESのKaiとコラボレーションをしました。
[MV] OOHYO(우효) _ PIZZA
これも偶然の出会いで私の曲をリミックスしてくれたんです。時間もすごくタイトだったのにアイディアとかもたくさん出してくれてたし、試行錯誤してくれて立派なミュージシャンだと感動しました。それから彼の音楽も気に入っててよく聴いていますよ」。「そして、この『PIZZA』は、私が表現したかったことが詰まっています。例えば、ピザを食べるとき、楽しく一緒に食べる人がいれば美味しく食べられる食べ物ですよね。一人で食べても全然美味しいと感じない不思議な食べ物です。実は父の転勤で幼少期から大学まで韓国とアメリカを行き来してました。当時はそういうピザを一緒に美味しく食べてくれる人たちがいたんですが、今周りにいないその人たちを急に思い出してノスタルジックな気持ちになったんです。そういった自分の過去の記憶をたまに懐かしみ、当時の自分はその時の感情をやっぱりうまく表現できず見過ごしちゃってたことが多くて、あえて今こういう曲を作ろうと思いました」