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JABBA DA FOOTBALL CLUB
DON’T WORRY, BE HAPPY
発売中
¥1000+TAX
TRACK LIST:
1. i&i
2. GIRLS feat.UCARY & THE VALENTINE
3. だからピース
4. DON’T WORRY, BE HAPPY
http://jbfc.jp/
Twitter: @j_b_f_c
Instagram: @jabbadafootballclub
気づけばテン年代、最後の年。音楽シーンを振り返ってみてもいくつもの潮流/トピックスがあって、そろそろ総括もしたくなってくる頃だけどそれよりも“これから”に目を向けたい。「未来は過去のなかにある」とも言うけれど、いやだからこそ未来を見据えることが結果、過去(やそこに横たわる文脈)を知れることにもつながるんじゃなかろうか。ということで、本特集「Breakthrough Music for 2019」では、来たる2020年代に向けて、EYESCREAMが追いかけていきたいホットな新世代たちにフォーカス。その音楽や存在そのものでもって、今という時代をブレイクスルーしていくミュージシャンの動向から、2019年とその先を眺めていくことにしよう。
彼らをBreakthrough Music for 2019の一アーティストとして紹介するのは気が引ける。2017年にはSpotifyの注目新鋭アーティストとしてピックアップされ、昨年にはFUJI ROCK FESTIVALにも出演。すでに2枚のフルアルバムをリリース。EPだって2月6日にリリースされた『DON’T WORRY, BE HAPPY』で2作目だ。HIPHOPグループであってバンドとの共演も多く、全国ツアーは対バン形式で行なったり。着実に認知度をあげ、個性的な音楽を作りながら音楽シーンを駆け回っている。特徴はやっぱり日本語ラップとパーティ感だろうか、写真を見てもわかる通り、非常にポップな人間性が伝わってくる。ここではPOP PUNK×HIPHOPだという最新作『DON’T WORRY, BE HAPPY』の内容についてインタビューしながら、現在のJABBA DA FOOTBALL CLUBがどんな状況にあるのかを話してもらう。現代を明るく照らしてくれて笑顔にさせてくれる。JABBA DA FOOTBALL CLUBが国内音楽シーンのメインストリームへ踊り込む日が今年きっとやって来る。
ーすでにアルバムは2作リリース。今作は2枚目のEPとなるわけですが『DON’T WORRY, BE HAPPY』はポジティブでポップ。これはリスナーの層や現代の音楽シーンを考慮してのアプローチですか?
NOLOV:前作『FUCKING GOOD MILK SHAKE』まで、けっこうカッコつけてきたんですよ。こういう風に見られたいとか、評価を気にする部分もあったんです。それが10月に配信開始した「i&i」以降の楽曲では人間味でしかなくって。だから、何かを狙って曲を作るというよりは、今の自分の人生をそのまま描いている。そんな歌詞ばっかりなんですよね。これがラッパーってこと??? みたいな感じです、むしろ。今は真似事から、ちゃんと自分たちの言葉で出てくるようになった段階です。だから、必然的に今作ではIQが低くなるっていう(笑)。
一同:笑
BAOBAB MC:引き出しが自分自身になるからね。
NOLOV:ま、そこは各々、工夫があると思うんですけど。自分がやっている印象としてはめちゃくちゃ素直になったなって。衒いがなくなった感じですね。
一同:そうだね。
ー前作から今作まで、どのように自分たちの心境が変化していったんですか?
NOLOV:色々あったんですよねー。『FUCKING GOOD MILK SHAKE』を作る前くらいのタイミングで、音楽一本でやっていくかどうかの話をメンバーみんなとしたんですよ。で、仕事辞めて音楽やるぞ、となったときに足並みが全然揃わなくて。
ー仕事を辞めて音楽に絞るというのは、そう簡単に決心できないですよね。
NOLOV:例えば、社会人がフットサルをやっているときってすごく充実していて楽しいじゃないですか、それがいきなり会社を辞めてフットサル1本で食っていけって言われたら……って感じなんですよ。メンバーの中で切り替えにタイムラグがあったんです。だから『FUCKING GOOD MILK SHAKE』もガタガタな状態で作って、出した後も迷っちゃっていたんです。もう「次、何を作ればいいのかわかんねぇよ〜」ってなっちゃってましたもん。
BAOBAB MC:うん、あの頃は全体的にカッチリしてなかった。
NOLOV
NOLOV:そのモヤモヤが、夏くらいに「i&i」が完成してから、やっと晴れた感覚があって。好きなことを好きにやった方が良くない? って思うようになったんです。どうしてもオレらがやっていることって流れから外れてて。トレンドを追ってもオレたちじゃカッコいい感じにできないし! そこで、素直に流れとか気にせず好きなもんつくろって思いました。だから、今作ではPOP PUNK×HIPHOPというアプローチなんです。オレ、ポップパンクが好きで、トラップのビートとミックスさせたらかっこよくない!?って。でもそこで、好きなことやるぞー! っつってもHIPHOPの枠組みを超えたものをつくってます! みたいにはしたくなかったんです。
ージャバにとってのHIPHOPの解釈というのは?
NOLOV:作曲をできないヤツが、めちゃくちゃなアイディアを持ち寄って聞いたことねー! なんだこれ! って新しいものをつくることができるのがHIPHOPのカッケーとこだと思うんです! そこにおけるルールは、何でもいいけどフレッシュでカッコよくあれよってことだけだと思ってて。だから自分たちが何だこれ! カッケー! って思えるってことを基準に作りました。
BAOBAB MC:そうだったね。これは本当にカッコいいのか、だとか。みんなで相談したもんね。
ー『DON’T WORRY, BE HAPPY』のアプローチであるPOP PUNK×HIPHOPというと、いわゆるミクスチャーロックを彷彿させます。
NOLOV:そこですね。今作については、制作の段階でプロデューサーのSUIさん(underslowjamsのメンバー)とも、ミクスチャーの定義をもう1度、自分たちの中で解釈し直そうってことを話したんです。『DON’T WORRY, BE HAPPY』でいくと、ポップパンクの要素が感じられるのは「i&i」と「GIRLS feat.UCARY & THE VALENTINE」まで、だと思うんです。他の2曲はまた違った形になっています。世のイメージにあるラウドなミクスチャーのイメージとは違う解釈が、できはじめてると思っていて。作ってるうちにアイデアの際限がなくなってきて、思いついてメンバーに話しても形になるまで、何言ってるか分かんねえって誰もピンと来ないことが多くて、大丈夫!? これ!? って思ったりもします(笑)。
BAOBAB MC:ジャンルの乗り上げがどんどん激しくなってきてるよね(笑)。でも、曲になったときにカッコよければいいし、好きなものだけを取り入れているので、その音は自分たちのトラック上で鳴っていて欲しいものなんですよ。ミックスさせるものに対しては決め事を作らず自由に好きなものを、と考えてやっています。方向性を改めて定義できたので、1stアルバムみたいな気持ちですね、自分たちにとっては。
NOLOV:だからこそ「i&i」以降の制作が楽しくなったんです。オレたちのスタイルはこれだ! って見つけることができた。一生穿くジーンズを見つけた! みたいな感覚です。
i&i / JABBA DA FOOTBALL CLUB
ーちなみに『DON’T WORRY, BE HAPPY』というタイトルなので、どうしてもMONGOL800の名曲を思い浮かべちゃうんですけども。
NOLOV:絶対思い浮かびますよね(笑)。オレもMONGOL800が大好きなんですけど、そこから引用したわけじゃないんです。さっき話した仕事辞めたりしたことも踏まえて、オレらの人生の状況って”DON’T WORRY, BE HAPPY”なんじゃね? ってなって。周りのみんなも心配してるけど、いやまあ、大丈夫しょ! 的な。
ROVIN:このワードを先行させて、そこ目掛けて曲を作ろうとしていました。
ーちなみにリリックに関しても、背中を押されるような言葉が詰まっていますよね。やはりリスナーにも共感して欲しいという思いがありましたか?
NOLOV:それもメンバーと話したんですけど、ドラマのあるアーティストの方に比べて、オレらってすごく普通に生きてきたんです。
BAOBAB MC:裏街道も行ってないですからね。
ROVIN
NOLOV:うん。マジで会社員の方が頑張って毎日を生きているのと同じなんですよ。手法がたまたま音楽で、やっていることが曲を作るってことなだけで。日々を過ごす中で感じる障害や、乗り越えなくちゃいけない壁が、多分、みんなと一緒なんですよね。だから、ストレートに自分たちが考えてることを歌ったら、きっと聴いてくれた人も「そう思う」ってなるはずなんです。共感して欲しい、というよりは、多分みんなもそうだと思うんだけど「オレはこうなんだよね」って感じなんです。だから超現実的な内容ですし、自然と背中押せてる曲になるんだと思います。
ーなるほど。ちなみにジャバのみんなが会社に勤めているとしたら役職は何だと思いますか?
NOLOV:ROVINは鉄砲玉だよね?
ROVIN:それ違くない? くくりが。
BAOBAB MC:構成員じゃん(笑)。まぁ、飛び込み営業的なヤツじゃない?
NOLOV:で、BAOBAB MCが曲を全部作っているので心臓ですよね、やっぱ。役職だと何て言うんだろうね?
BAOBAB MC:商品開発部とか?
NOLOV:あっ、経歴が長いパートのオバちゃんとか?
ROVIN:会社のこと何でも知ってるヤツね。掃除のオバちゃん的な。
NOLOV:そうそう、社長のことを唯一、君付けで呼べるっていう。
BAOBAB MC:凹んでる新人に優しいんだよね。
一同:笑
NOLOV:ASHTRAYは何だろうね?
ASHTRAY:自分でもわかんないわ(笑)。
NOLOV:何だろうね。会長の息子みたいな感じかもね。しゃーなしで会社に入ってくるんだけど、入ったら入ったで、それなりに楽しんでるんだよ。
ASHTRAY:コネ入社!?
BAOBAB MC:割と権限強いな〜(笑)。
NOLOV:ちなみに、オレは社長ですね。態度もでかいんで。メンバーは社長のワガママに付き合ってくれてるわけですよ、横で。
BAOBAB MC:掃除しながら「んもぅ! ほんとに!」って(笑)。
ーあはは!! ちなみに2曲め「GIRLS feat.UCARY & THE VALENTINE」はフィーチャリング作ですが、これはどういう経緯で?
ASHTRAY:UCARY & THE VALENTINEはDENIM ACT NIGHTっていうイベントで一緒になったのが出会いだったんですよ。
NOLOV:摩訶不思議なおもしろさを持ってる人、共通の友達も多くて仲良くなって。この曲は最後にパイプオルガンが入るパートがあるんですけど、そこに噛み合う声がUCARY & THE VALENTINEだなって思ってお願いしました。
ROVIN:ちなみに、この曲を制作しているとき、1回、体調悪くて休んだんですよ。で、「こんな感じになったよ」って共有音源が来て、聴いているときに途中でパイプオルガンがファー! って入ってきたところで、一旦イヤホン取りましたもん。「どうなんの、これ?」って。もう全曲そんな感じで。
一同:笑
BAOBAB MC
ー4曲とも、自分たちらしく自由に表現したのが今作ということなんですね。
NOLOV:そうですね。オレらは元来すごくポップでエンタメ好きな俗な人間なんで、好きにつくったとしてもリスナーが置き去りになることはないと思います! だから、自由にやっちゃって大丈夫なんじゃないかって。もう流行りとか、ウケる、ウケないってことは考え過ぎないようにしようという考えに至ったんです。
ーまさしくDON’T WORRY, BE HAPPY。
NOLOV:ですね。でもね、声を大にして言いたいのは、音楽的にはものすごく面白いと思っているんですよ。4曲めの「DON’T WORRY, BE HAPPY」なんて本当に最高で。最後、突然にね?
BAOBAB MC:うん、壮大にしない? ってことでストリングス入れて。わけわかんない展開になってさ。
DON’T WORRY,BE HAPPY – JABBA DA FOOTBALL CLUB
NOLOV:突拍子もないアイデアをBAOBAB MCとSUIさんがいるもんで、オレもめちゃくちゃ好き勝手言っちゃうんですよ。でも、それが思ってたよりちゃんとした形になっちゃって、違和感なく聴けちゃうのが不思議なんですよね。
ROVIN:うん、不思議だわ。
NOLOV:そんな感じでできちゃった今作。収録時間も短いんです、4曲で約14分、ここもこだわったポイントですね。短い方がカッコいいと思って。
BAOBAB MC:こんな部分にもパンクスピリッツが出ちゃってるんですよ。
NOLOV:長くても1曲を3分半くらいに収めようとして。これからもそうしていきたい!
ー次の作品にも繋がっていく布石となる作品に仕上がった?
NOLOV:まさしくそうですね。今回見つけたミクスチャーな方法論をもっと明確な形にしていきたいと思っています。次はもっと自信があるんですよ。これは誰もやっていないだろってことをやっていけると考えてるんで。すごくフレッシュな気持ちなんですよ、今。すごく楽しくて。でも……メッセージは結局『DON’T WORRY, BE HAPPY』に描かれていることなんです。こういう感じなんですよ(笑)。
ーそのメッセージをあえて説明するとどうなりますか?
NOLOV:1曲め「i&i」が“オレはオレ”。2曲め「GIRLS feat. UCARY & THE VALENTINE」が“オレを選んで”。3曲め「だからピース」が“ピンチのときこそ笑顔っしょ!”。そして4曲めは“DON’T WORRY, BE HAPPY”ってことですよ。
BAOBAB MC:ひねりゼロ!
一同:笑
ASHTRAY
NOLOV:だけどもリリックは凝ってるので。特にASHTRAYは、こんな韻も踏んでる! みたいな。すごいんですよ。細かいところまで比喩を多用しつつ、ときに隠喩、言葉巧みに表現していて。ROVINはど直球、隠喩ゼロ、みたいな。
ROVIN:真ん中しか投げれないから(笑)。
NOLOV:4人のコントラストも含めて受け取ってもらえれば。素敵な作品になりました。
ー締まりましたねぇ……。
NOLOV:最後、大丈夫ですか? パンチライン的な決めも言っておいたほうがいいですよね。えーっと、オレらは丸裸。さながら野生の猿のように。そうです、野猿です!!
一同:…………。
NOLOV:では、テイク2! 言ったら、STAR WARS エピソード4! 〜新たなる希望〜 ここから始まるわけですよ!!
一同:…………。
NOLOV:う〜ん、もう1回、いいですか? あ、ASHTRAYいく?
ASHTRAY:いや、今回に関してはいいかな。そういうとき、わかるんだよね、ないな。
一同:隠喩!
ASHTRAY:いや、隠喩っていうか(笑)。
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1. i&i
2. GIRLS feat.UCARY & THE VALENTINE
3. だからピース
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