Breakthrough Music for 2019
#04 Yo-Sea

photography_Jun Yokoyama, edit_Tetsuro Wada

Breakthrough Music for 2019
#04 Yo-Sea

photography_Jun Yokoyama, edit_Tetsuro Wada

気づけばテン年代、最後の年。音楽シーンを振り返ってみてもいくつもの潮流/トピックスがあって、そろそろ総括もしたくなってくる頃だけどそれよりも“これから”に目を向けたい。「未来は過去のなかにある」とも言うけれど、いやだからこそ未来を見据えることが結果、過去(やそこに横たわる文脈)を知れることにもつながるんじゃなかろうか。ということで、本特集「Breakthrough Music for 2019」では、来たる2020年代に向けて、EYESCREAMが追いかけていきたいホットな新世代たちにフォーカス。その音楽や存在そのものでもって、今という時代をブレイクスルーしていくミュージシャンの動向から、2019年とその先を眺めていくことにしよう。

#04 Yo-Sea

昨年3月にリリースしたデビュー曲”I think she is”でみせたエクレクティックなスタイルでメロウなヴォーカルと、USの最先端のモードを昇華させたアーティストのYo-Sea。沖縄で育った彼は、拠点を東京に移しGottzやHiyadam、TaeyoungBoyなどとの客演などで、多様なスキルと底知れぬポテンシャルをみせつけ一気にアップカミングな1人に名乗りをあげた。年末にはChaki Zuluがプロデュースを行った新曲、そして宇多田ヒカルの話題曲”Too Proud”のリミックスも公開されるなど、目が離せない彼のルーツなどを聞いた。

ずっと歌うことは好きだった

―手応えや自信も掴んだ一年だったと思うんですが、去年を振り返っていかがですか?

Yo-Sea:周りの人に感謝ですね。事務所の皆さんやファンの皆様がいないと出来てないことしかないので。流れが早くてついていけない時がありますけど楽しんでやれてますね。

―曲を出すスピードも早いですよね。実際にどれくらいのペースで制作してるんですか?

Yo-Sea:曲は自分が作りたいときに作ろうっていう感じですね。スタジオで書くことが多くて、最初は歌詞を書かずに宇宙語みたいなのでとりあえずメロディを作って。英語じゃない英語みたいなので歌ってみて、その流れがよかったらそれに歌詞をつけていく。

―別のインタビューで「元々シンガーを目指してる訳じゃなかった」って話していましたが、でも歌うことは大好きだったんですよね。

Yo-Sea:歌うことはずっと好きでした。高校生とか、結構小さいときからずっと歌を聴いてて。

―そのとき聴いていたのはなんですか?

Yo-Sea:ゴスペルとかで。あとお母さんは山下達郎とか松任谷由実も聴いてて。あと自分は静岡に従兄弟がいるんですが、その人たちはRIP SLYMEとかEminemとかZeebraさんを聴いてたからヒップホップを知りましたね。みんなバスケもやってたんで、プレイしながら流したりしてて、ちょっとずつ聴くようになって。お母さんもRIP SLYME聴いたりしてて、お父さんはJack JohnsonとかNorah Jonesとかが好きでした。

―なるほど。でもそのハイブリッドな感じはYo-Seaさんの音楽から分かりますね。中学生から歌ってたっていうのは、好きな曲を歌ってたってことですか?

Yo-Sea:家のお風呂場とかで歌ったり、あとバスケの更衣室が響くからいつも歌ってましたね。他の部活の子とかが「歌やったらいいんじゃない?」って言ってきたり。でもそのときは英語の先生目指していて。大学入ってもそのままで、一回サンディエゴに3ヶ月くらい遊びに行ったときに、「なんか違うな、もっとやりたいことやりたい」って思ったんですよ。それで沖縄の国際通りのVolcomで働いてるコージさんっていうビートメイカーの人に全く知らずにInstagramでDMして、そしたら「家においで」って誘われたんです。そこで初めてフリースタイルというかビートに合わせて歌ったら「ヤバい」って言ってもらえて。そのあとコージさんが手伝ってくれて“I think she is”を作れたんですよね。そのあと2曲くらい作って東京に来たから結構キャリアは短い状態で一気に来ちゃいましたね。“I think she is”をBCDMGのNobuさんが聴いて「ヤバい」ってなって誘ってもらったので。

―しかもインスタ経由でメッセージがきたんですよね。

Yo-Sea:KANDYTOWN好きで、BCDMGも元々知ってたんで、だから結構衝撃でしたね。東京には大学を辞めて来たんですよ。大きい変化でしたけど、すぐに決められました。「これだ」って思えたので。

―Yo-Seaさんみたいな歌ってラップもできてっていうアーティストは今の日本だと少ないと思うんですが。

Yo-Sea:そうですかね?あんまり自分では意識してないんですよ、「新しいことをやろう」とか。別に戦略とかも無いし、その時に作りたいものを作ってる。

ラッパーよりもアーティストでありたい

―Yo-Seaさんはコラボも多いですよね。

Yo-Sea:東京に来たばかりのときは色んな人と積極的にやってたんですよ。今はあんまりやってない。ガラッと変わりましたね。今はソロと、本当に自分がやりたいって思った人だけって感じになって。

―心境の変化があったんですね。

Yo-Sea:よくラッパーって言われるんですけど、ラッパーよりはアーティストが良いなって思ってて。自分はそんなにラップをゴリゴリやる訳じゃないし、自分のキャリアを自分で考えられるようになったのが一番の変化です。プロモーションとか、どうやった方が良いかなっていうのを深く考えるようになって。そしたら自分がやりたい人とだけやろうっていう考えになりましたね。

―自分の道が見えてきたんですね。一番新しい曲はChaki Zuluさんがプロデュースされてるじゃないですか。Chakiさんはアーティストを導いてくれるという話を聞くのですが、実際にそういう感じでしたか?

Yo-Sea:そういう感じでした。歌詞とかもヒントを貰いながらやって、凄く新しい経験でした。ビートもその場で「こんな感じ?」みたいに一緒に作りながら、思いついたメロディーを入れて。結構早かったですね。スピード感があって、機材の操作とかもスムーズで早いです。自分は思いついたメロディーを歌うだけで良かったので。自分も歌えなくなったらプロデュースをしたいって考えてます。

―沖縄のクルーのSouthCatは3Houseさんや、ビデオグラファーのKiyoraさんもいますよね。どうやって結成したんですか?

Yo-Sea:SouthCatには3Houseやビートメイカーもたくさんいるんですけど。自分が元々“I think she is”と“Take you”を先に出していたから誘われたんですよね。でもその子たちはその頃曲が無かったから、自分がスタジオとか色々分かることを教えて、先に東京に来て色々広げられたらなって思ってます。今は3Houseも東京に住んでるし、他のメンバーもこれから東京にきますね。いつも「もっと頑張って一緒にイベントとかオーガナイズ出来るように」とか色んな話をしてはいます。ビートメイカーのjaywalkerは楽器が全部弾けるんですよ。「こういうの弾いて」って言ったらそれを元にして音に出来る。中々いないタイプだと思うから早く東京に来た方が良いなって。

―SouthCatはチルなバイブスが共通してますね。

Yo-Sea:ゆっくりですね。俺らはクラブとかもあまり行かないで海でコーヒー飲みながらゆっくりしたり、バスケしたりで、後はゲームセンターとか。昨日沖縄からちょうど帰ってきたんですけど。みんなのゆっくりなペースからインスピレーションを貰ったりします。

―東京は忙しないですよね。

Yo-Sea:忙しないですね(笑)電車とか凄いことになるし。最初の方は嫌だったんですけど、今はもう慣れてきて。家にいたいときは家にいるし外に出たいときは出るしバランスが取れてきましたね。今はストレスは無いので良い感じです。

―曲を作ってないときとか、普段は何をするのが好きですか?

Yo-Sea:最近は『ウイニングイレブン』とか、『COD』とかゲームをずっとやってますね。 昨日はNetflixの『テラスハウス』と『あいのり』観ました。『バードボックス』も6lackがなんかインスタのストーリーで「『バードボックス』が夢に出てきた」って書いてて、観たら怖かったですね。

―映像作品やゲームからインスピレーションを受けて曲にすることはありますか?

Yo-Sea:あんまり無いですね。Netflixを観てて自分のためになるのは英語の勉強くらいで、後は「こういうカットとかシーン良いな」とかミュージックビデオの参考にする程度で。曲は自分が動いて感じたことを歌詞にしています。激しい歌詞も、なんでも出来るとは思うんですけど、今はたまたまチルな部分しか出てないんですよね。色々な部分を2019年は見せたいなって思っていて。聴いてエネルギーになるようなものを自分も聴きたいから、そういうものを作りたいですね。

―最近刺激を受けた作品だったり、同世代で意識をしてるアーティストはいますか?

Yo-Sea:世界でもいないですね。でも海外とかでカッコいいと思う人は一杯います。「ああいう感じの曲を作りたいな」って思いますけど、意識とかは全く無いですね。自分は自分で。

―最近カッコいいと思った曲はなんですか?

Yo-Sea:Trippie Reddの“Topanga”とか。後はBrent Faiyasの“Around Me”とか、Meek Mill、Sminoとか。あ、VaVaさん好きですね。移動の時にめっちゃ聴いてます。“ロトのように”とか曲でゲームのこととか言ってて。ウナちゃんマンにも言及してて、自分もウナちゃんマンをYouTubeで観てたんで一緒にゲームやりたいって感じです(笑)Gottzくんとか3Houseとはよくやってるんですけど、ゲーム友達欲しいんで。あと家ではDJもできるから、KANJIがでやってるのを自分はリビングで聴いたり。「その曲何?」みたいな感じでいつも教えて貰ってます。

―東京でもクラブに行かないのは変わらないですか?

Yo-Sea:最初に東京来たときは結構クラブ行って、みんなで騒いでましたね。今は全然行かない(笑)友達が東京に遊びに来たら一緒に行ったりするんですけど、それ以外は行かなくなった。クラブにアーティストがいるとレア感が無いというか。自分はライブで観て欲しいんで。

―ライブについてはいかがですか?

Yo-Sea:ライブは結構緊張しますね。もしかしたら得意じゃないかもしれないです。

でも、その都度お客さんの反応が分かりやすい。盛り上がる曲も盛り上がらないとか、「これ聴かれてるな」とか。みんなが自分が作った曲で飛んでたりノってたりしてると嬉しいですね。“22VISION”をライブするときはいつも毎回エモくなって歌ってますね。

曲を作れば自分が更新されていく

―曲作りにおいて悩んだりすることはありますか?

Yo-Sea:あります。歌詞も昔は書きたいことだけを書いてたんです。今は考えて歌詞を作るようになりました。意味とか、分かりやすい言葉じゃなくてちょっと考えさせるとか。Chakiさんに教えてもらってそこから変わりました。

―具体的にどういうアドバイスがあったんですか?

Yo-Sea:「空が落ちる」ってあまり言わないじゃないですか。でも「空が落ちる」って言葉を「夜になる」って意味で使うんだとか。そこから比喩や言い回しを勉強するようにしてます。だから読書しないといけないんですよ。そう思って最近本買ったんですけど、まだ読み始めてない(笑)

―ちなみに何の本ですか?

Yo-Sea:『高架線』っていう小説です。ちょっと読もうと思うんですけど、でもゲームしちゃうと思います(笑)

―今年はどのように動こうと思ってますか?

Yo-Sea:8月、9月までにEPをもう1枚出して、冬にはアルバムを出したいと思っています。あと今作ってる作品を出すことですね。これまでと雰囲気が全然違う曲とかありますね。

―今どういうアーティストになりたいですか?

Yo-Sea:考えてないです。自分が作りたい曲、その時に感じた曲を作って出していって。曲をリリースするたびに昔の自分とはちょっと考え方が変わって来てるんで。曲を作ってればどんどん更新されるというか。曲を作ってれば全てが変わるかなって思います。自分でも、自分がどうなるか分からない。でも曲を作ってれば何かになるかなって感じです。

INFORMATION

Yo-Sea
Instagram : @yo_sea7878
Twitter : @yoooo7878

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