WORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREW

2020年、ヴィンテージミュージックの革命を追う
Vol.05 Talk session with THE NUGGETS

Photograph_Takaki Iwata, Edit&Text_Ryo Tajima [DMRT]

WORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREW

2020年、ヴィンテージミュージックの革命を追う
Vol.05 Talk session with THE NUGGETS

Photograph_Takaki Iwata, Edit&Text_Ryo Tajima [DMRT]

東京を拠点として活動するBLAST JAMS!! CREW。彼らは”VINTAGE MUSIC FOR TEENAGERS”を掲げたユースDJクルーで、全国各地でパーティやDJ活動を行っている。ヴィンテージミュージックのカルチャーをユースの手で世間に伝えるべく活動しているレジスタンスたちだ。現在のメンバーは笹井トシオ、takuma、ヒラノツヨシ、ゴーゴージュリー 、Shinyah、MACHI、WOODCHUCK、7名のDJとクルーのフォトグラファーとしても活動しているYui Nogiwa。
今まではアンダーグラウンドで活動してきた彼らだが、10月11日に恵比寿のLIQUIDROOMでデカいパーティ”BLAST JAMS!! 2020″を開催する。本イベントに先立ち、ヴィンテージミュージックのカッコよさや魅力を教えてもらうBLAST JAMS!! CREWの連載”WORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREW”。
今だからこそフレッシュでカッコいい。そんなヴィンテージミュージックの世界をバンドとクルーの対談や写真でお伝えしたい。同時に各連載の最後に、BLAST JAMS!! CREWによるスペシャルプレイリストを掲載。音楽で具体的に魅力を届けてもらおう。

第5回目は、10月11日のパーティ”BLAST JAMS!! 2020″のメインステージに出演するTHE NUGGETS。レペゼン船橋の船橋系エンターテイメント型パーティバンドだ。ライブではなくエンターテイメントショーを展開する25歳の4人組との対談をどうぞ。

Vol.05 Talk session with THE NUGGETS

L to R_大牟田徹(Ba)、加治工芳(Dr)、工藤わたる(フロントマン)、笹井トシオ(BLAST JAMS!!)、西山浩喜(Gt)

いかにエンターテイメントであるかを大事していて
ー工藤わたる

シーンの入り口としての伝わりやすさがTHE NUGGETSにはある
ー笹井トシオ

笹井トシオ(以下、トシオ):THE NUGGETSは視覚的に特徴が明確だよね。船橋をレペゼンしていて東京っぽくないイナたさを持っているし、昔ながらのヤンキーカルチャーをバンド全体で体現している。10月11日のパーティに誘ったのは、そこがポイントだったんだ。来てくれるお客さんに対しても伝わりやすいポピュラリティがあると思う。THE NUGGETSが出演してくれることはBLAST JMAS!!にとってすごくメリットがあることなんだよ。きっと、みんなはオレらの根本にあるカルチャーやロカビリーには興味ないと思うんだけど(笑)。

工藤わたる(以下、わたる):いや、好きですよ!(笑)。大好きなんですけど、自分たちがBLAST JAMS!!のシーンを理解しきれていない部分は大いにあると自覚しています。THE NUGGETSは同じメンツで1つのライブハウスをホームとして活動しているようなバンドではないし、色んな場所で自分たちのやり方でやっているので。活動の根底に”群れたくない”という思いがあるので、BLAST JAMS!!の(これまで開催してきた)イベントでも、周りから「いつもアイツらイキがってんな。田舎から出てきて」って感じられていると思うんですよ。逆にそれがオレたちは良くて。

トシオ:うん、これまでも何度もBLAST JAMS!!のイベントに出演してもらっているけど、その感はあるよね。

わたる:そう、だからオレたちのメンタリティとしては「みんな久しぶり! 今日も一緒に良いイベントを作ろうぜ!」って感じより、「東京のシーンにいるヤツらをぶっ飛ばす!」っていう思いが強いんです。それは、10月11日の恵比寿リキッドルームでのパーティに関しても同じ思いで挑みますね。もちろん、ただ反発するわけではなくて、協力すべきところは手を取り合いつつ、バンドとしてカチコんでいくイメージです。THE NUGGETS以外に出演するバンドも個々に活躍しているし、リキッドルームでは、そんなイケてるバンドが集結することで、一大イベントになればいいな、と個人的に思っています。それがオレたちのステートメントですね。

ーこういう機会なので、THE NUGGETSがどんなバンドなのか改めて教えてもらっていいですか?

大牟田徹(以下、徹):根本にあるのはエンターテイメント性。メンバー全員共通して、人を楽しませたいという気持ちがあるんです。言い方が極端になってしまうんですけど、それをアウトプットしやすいフォーマットが自分たちにとっては音楽だったんです。エンターテイメントは世の中に多々ありますけど、オレたちにとっては、たまたま音楽だったという感じです。

わたる:見た目的にヤンキーカルチャーをバックボーンにしていると思われがちなんですけど、それを全面に押し出しているわけではなくて。別にバンドをやっていなくても同じような格好をしていたと思いますからね。リーゼントだとかヤンキーっぽさはサブの要素の1つ。徹が言うように、まずはエンターテイメントであることを重視して活動しています。良い曲や伝わる曲を描くというよりも、オレらがステージに立っている30分間、本当に明日のことを忘れてしまうようなショーを披露することを常に考えています。初めてTHE NUGGETSのショーを観た人が、楽曲を1曲も知らなかったとしても最終的には自然と踊って帰っていけるように。だから演奏よりも演出に力を入れています。音楽だけではなく視覚的に楽しめるステージで魅せるバンドですね。10月のリキッドルームに出演する他バンドと比べても、オレたちが1番面白いと思うんですよ。演奏面やメッセージ性では勝てない部分もあると思うんですけど、間違いなくオレたちのステージは最高なんで。来てくれる人に「1番面白かった!」って言ってもらえると確信しています。

トシオ:イベントにオファーしたときに趣旨を説明して「同じ世代を集まって全員でやろう。大きいステージに立てるシーンにしよう」って話をしたときに、わたるは「オレたちは他のバンドとちょっとベクトルが違うんですよ」って言っていたもんね。それが音楽だけに頼らないエンターテイメント性なんだと思う。それも1つの個性だと思うし、今回のBLAST JAMS!!のイベントにとってはTHE NUGGETSが打ち出す要素はすごく大事。逆に言えば、他のバンドが実践していないことをやっているわけだからね。バンドがヤンキーカルチャーを打ち出していないにせよ、やっぱり見る人にとっては、それが印象的に映るだろうし、お客さん目線で考えると、キャラクター的に近寄りやすさがあると思う。オレたちがやりたいことは、まずは入り口に多くの人に来てもらって、ヴィンテージミュージックの魅力を伝えるだけ伝えて、その中の何人かにカルチャーの深い部分まで入ってきてほしいということだから、THE NUGGETSが出演してくれることは本当にメリットなんだよ。でも、THE NUGGETSにとって、BLAST JAMS!!のイベントに出演することはメリットがあるのかな?

わたる:いや、間違いなくオレらにとっても良いことはたくさんありますよ。そもそもTHE NUGGETSが負けねぇぞって気持ちで「(他バンドより)オレらはもっとこんな活動をしている」だとか「地元、船橋じゃこんなバンドなんだぜ」とか、言ってるだけじゃ何にもならないじゃないですか。そんな中で、トシオさんをはじめ、BLAST JAMS!!が作り上げるシーンの中に入れてもらって、幅広い世代に見てもらう機会がもらえるのはありがたい。だからこそ、リキッドルームで、シーンの最前線の人が集まる場所でも勝ちたいんですよね。来てくれるオーディエンスが主役なのはもちろんですけど、そこで自分たちの存在を証明したい。その場があることが大きなメリットです。

トシオ:うん、リキッドルームでも見せつけてほしいと思う。今回メインステージに出演する9バンドの中で大きく中間線を引くとTHE NUGGETSやDrop’sはオーディエンスにとって1番シーンに入り込みやすいバンドだと考えていて。特にTHE NUGGETSのパフォーマンスは子供でも魅了する力を持っていると思う。対してJOHNNY PANDORAなどのバンドはカルチャーそのもの。お客さんに提示する要素として、BLAST JAMS!!のシーンにリーチしてほしい音楽を体現している層と、そこに繋げてくれる存在としてバンド、というふうに勝手に考えているんだよね。

わたる:ですよね。でも、最初にイベント概要の話をされたときに、トシオさんから出演予定のメンツを聞いたときに驚いたんですよ。集客のことを考えるのであればベテラン勢も呼んだ方がよくね?? って。でも、そこで「絶対に自分らの若い世代だけでやる」っていう意志にグッときましたね。そこが狙いなんだな、と。

トシオ:そうだね。オレたちが好きなのはユースカルチャーであって、そもそも若者が体現していることなわけだからね。先輩たちがカッコよくて、集客面でもパワーを持っているのは当たり前なんだけど、そこに頼るだけではなく、同世代に向けてオレたちがやっていることを見せるのが1番カッコいいと思うから。

わたる:あれ? 先輩バンドのことディスってます???

一同:

船橋を色んなところに広めていきたいと思うんです
ー工藤わたる

バンドが目指す場所に向かう踏み台になれれば
ー笹井トシオ

ー話が変わるんですが、THE NUGGETSの音楽性について教えてください。

徹:オレたちはわたるが「バンドやろう」って言い出したところから始まったバンドで、音楽好きが集まってできたバンドじゃないんで、そもそもの音楽性がなかったんですよ。

わたる:そう、ジャンルに関しても正直何でもよかった。狙ってヴィンテージミュージックをやっているわけでもないし、中学のときに聴いていた音楽だったりには影響されているとは思うけど、THE NUGGETSはロックンロールだとも思っていないし、古き良き音楽をやろうとも考えない。結果的にこういう形になっているんですよね。言い方は悪いですけど、エンターテイメントでオーディエンスと一緒になるためのツールでしかないんですよ。

徹:ツアーの移動中に、わたるの車で移動することが多いんで、わたるが観たり聴いたりしているものは自然と共有されたりしますけどね。よくやるのがYouTubeの履歴シリーズを見るっていう。わたるが最近ハマったものを見せてもらって「こんなの好きなんだな」っていうくらいの感覚で見ていますね。

わたる:まぁ、履歴って言ってもほとんどお笑いとか。もう、漫才が大好きなんで。最近ちょっと考えているんですけど、M-1グランプリに出ようかと思っていて。

ーそういうお笑いの共有はTHE NUGGETSのショーに大いに活かされているように感じます。

わたる:ーと、思いますね。とにかくTHE NUGGETSは演出を大事に考えているので、オレと徹は必ず毎月1回音楽以外のエンターテイメントに触れることをやっているんですよ。プロレスだったりクラシックだったり、宝塚だったりストリップだったり。全く知らない世界のいろんな業界のエンターテイメントを常にチェックしています。逆に音楽のライブってほとんど行かないというか。浅草のストリップ、有名どころですけど、浅草ロック座はエンターテイメントの極みだと感じましたね。まさしくエンターテイメントで感動しました。

トシオ:そうなんだ、知らなかったわ。

わたる:今度一緒に行きます?

トシオ:いいね、楽しそうだね(笑)。ところで、話が逸れるんだけど、THE NUGGETSは拠点を船橋に置いているよね。遊ぶのも地元だし。エンターテイメントを表現する場所として考えると、土地的な利点が多いのは東京だと思うんだけど、船橋に住み続けるのには、どんな理由があるの?

わたる:そこは純粋な地元愛ですね。単純に好きだから住んでいるんです。東京で仕事したとしても、帰りにメシでも食うかってときに、せっかくなら船橋に帰って地元に金落としたいよなって必ずメンバーと言い合いますしね。それに船橋は大都市ですからねぇ。でも、ご当地バンドでいたくないという気持ちはあるんですよ。船橋をレペゼンしているんですけど、そこでしか活動しないというわけではなく、東京はもちろん世界中でやっていきたいと考えているので。

トシオ:なるほど。

ーTHE NUGGETSは昨年3月にアメリカ大陸横断ツアーを行い、今年の2月から3月にかけて世界を一周する「地球丸ごとカチコミ道場破り」を自主で敢行しました。今後、バンドとして考えている野望は?

わたる:バンドとしては少しずつフィールドを広げていく方向に向かっています。船橋という文化をどんどん広めていきたいという意志がありますね。それに世界各地で自分たちのエンターテイメントをやるっていうことにちょっと魅力を感じてきているんですよ。言葉の壁や文化の差を超えてやるってことに。だから、そんな展開をしていく予定です。今年はアメリカでもリリースがあるので、それによって展開が変わる分もあるのかな、と。何にしても、普通のバンドが見ているようなベクトルじゃない場所を目指していきたいっていうのはありますね。単純にCDを何万枚売りたいだとか、何千、何万の人を呼びたいっていうモチベーションで何かをやるよりか、今、THE NUGGETSのことを好きでいてくれている人が驚くような「また、バカなことやってるな」って思われるようなことをやっていきたいと考えています。誰にも予測できないと思いますよ。

ーでは最後に、トシオさんからTHE NUGGETSに対して言うことがあれば。

トシオ:イベント当日はリハの時間にちゃんと来ること。

わたる:はい! やべぇ、先に言われちゃった(笑)。

トシオ:THE NUGGETSは本当に大きいステージでやればやるほど映えるバンドだと思うんで、オレ自身すごく楽しみだよ。みんなが目指している場所へ向かう踏み台になれれば、自分としてもWINWINだからさ。それがオレのメンタリティかな。

わたる:アツいですね、トシオさん。だから人が集まるんでしょうね。BLAST JAMS!!のイベントには世代を超えて多くのバンドが賛同して出演してきているわけですから。

トシオ:好きな文化をみんなと共有できるって最高だもんね。それにリキッドルームに関してはTHE NUGGETSがライブハウスで会ったことのないバンドも出るからね。ALIや999999999とか。その辺りも楽しみだし、みんなにも楽しんでほしい。

わたる:ふふ、そうですね。でも、蹴散らしますよ!

THE NUGGETSの魅力をより知るためにBLAST JAMS!!のクルーとバンドが共作したプレイリスト。10月11日のパーティ”BLAST JAMS!! 2020″に向けた予習として。またTHE NUGGETSの魅力をより深く知るためのミックスとなっている。

そして、本連載のためにBLAST JAMS!!クルーのメンバー、ヒラノツヨシが”今月のグッド・ヴィンテージミュージック・プレイリスト”を制作してくれた。今回のテーマはNew Breed R&B!! 作業用、おうちパーティのときにかけてくださいませ。

次回もバンドとの対談をお届け。公開は5月下旬を予定。
次回のWORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREWもお楽しみに!!

Archive
Vol.04 Talk session with Drop’s
Vol.03 Talk session with THE THROTTLE
Vol.02 Talk session with Tokyo Rockin’ Crew&NIGHT FOX CLUB&Atsushi
Vol.01 About BLAST JAMS!! CREW Interview: Toshio Sasai

INFORMATION

BLAST JAMS!! 2020

2020年10月11日(日)
OPEN,START 13:00
¥3500(adv), ¥4000(door)

-LIVE ACTS-
THE TOKYO, THE THROTTLE, JOHNNY PANDORA, ALI, Drop’s, RESERVOIR, 999999999, THE NUGGETS, submarine dog
&
FADEAWAYS, STOMPIN’ RIFFAFFS, LOS RIZLAZ, PSYCLOCKS, the GENO LONDON, UPDOWNbeats, ザ・ハイマーツ, THE MILLION DOLLAR DOGS

-DJs-
BLAST JAMS!! Crew -笹井トシオ, takuma, ヒラノツヨシ, ゴーゴージュリー, Shinyah, MACHI, WOODCHUCK-

-GUEST DJs-
Tokyo Rockin’ Crew, NIGHT FOX CLUB, And Friends

BLAST JAMS!!
https://twitter.com/BlastJams
https://blastjams.com/

笹井 トシオ
https://www.instagram.com/toshio_sasai/
Yui Nogiwa
https://www.instagram.com/nogiwarian/

LIQUIDROOM
https://www.liquidroom.net/schedule/blastjams2020_20201011

INFORMATION

THE NUGGETS

https://www.the-nuggets.com/

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