2020年、ヴィンテージミュージックの革命を追うVol.07 Talk session with JOHNNY PANDORA

東京を拠点として活動するBLAST JAMS!! CREW。彼らは”VINTAGE MUSIC FOR TEENAGERS”を掲げたユースDJクルーで、全国各地でパーティやDJ活動を行っている。ヴィンテージミュージックのカルチャーをユースの手で世間に伝えるべく活動しているレジスタンスたちだ。現在のメンバーは笹井トシオ、takuma、ヒラノツヨシ、ゴーゴージュリー 、Shinyah、MACHI、WOODCHUCK、7名のDJとクルーのフォトグラファーとしても活動しているYui Nogiwa。
今まではアンダーグラウンドで活動してきた彼らだが、10月11日に恵比寿のLIQUIDROOMでデカいパーティ”BLAST JAMS!! 2020″を開催する。本イベントに先立ち、ヴィンテージミュージックのカッコよさや魅力を教えてもらうBLAST JAMS!! CREWの連載”WORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREW”。
今だからこそフレッシュでカッコいい。そんなヴィンテージミュージックの世界をバンドとクルーの対談や写真でお伝えしたい。同時に各連載の最後に、BLAST JAMS!! CREWによるスペシャルプレイリストを掲載。音楽で具体的に魅力を届けてもらおう。

第7回目は、10月11日のパーティ”BLAST JAMS!! 2020″における大本命!(と、編集目線で勝手に言わせていただく)SAMURAI ROCK’N ROLLを標榜するイケ過ぎてるジャパニーズ・ロックンローラー、JOHNNY PANDORAとの熱きトークセッションとなった。
今こそ、音楽好きにはジャンル問わず聴いてほしいJOHNNY PANDORAの魅力を合わせてお届け。

※撮影は緊急事態宣言発令前に実施

Vol.07 Talk session with JOHNNY PANDORA

L to R_RYOHEY(Gt&Vo)、SEN(Gt&Vo)、笹井トシオ(BLAST JAMS!!)、JOHNNY(Vo&Ba)、TAKE(Dr&Vo)、SEIJI(Gt)

初めて出会ったとき喧嘩売ってきて(笑)
ー笹井トシオ

そう言うけどオレは覚えてないんだよ
ーJOHNNY

ーBLAST JMAS!!とJOHNNY PANDORAの親和性はかなり高いですよね。改めて両者の関係を振り返ってほしいのですが。

JOHNNY:けっこう深いよね。トシオとオレの関係は長いからね。

笹井トシオ(以下、トシオ):そうだね。バンドとクルーの付き合い以前に、まずはオレとJOHNNYの関係なんですが、JOHNNYはオレの1個年上で。オレは基本的に年上には敬語しか使わない性質なんですけど……。

JOHNNY:オレにはタメ口、と。

トシオ:うん(笑)。ほんっとにこれは世界中でJOHNNYに対してだけ。唯一タメ口で話してる年上だね。

JOHNNY:なんでかっていうと出会いがね。若い頃にお互いがやっていたバンドでの対バンが最初だったから。で、そのときにオレがトシオに喧嘩を売った……らしいんだよね。覚えてないんだけど。

トシオ:そう。当時、ロカビリーのバンドをやっていたんですけど、JOHNNYのバンドと対バンしたときに「お前ら、なんなの? ロカビリーなの? リーゼントちゃんとしろよ」とか。ドラムが短パン履いてライブやってたんで「短パンでロカビリーやってんじゃねぇぞ」とか。こっちも「そんなんだからロックンロールは流行んねぇんだよ」とか言い返して。そう、だからオレは当時、JOHNNYのことが苦手だったんです(笑)。

一同:

JOHNNY:オレがそんなこと言ったらしいんだけど、もう覚えてなくて(笑)。粋がってたんだと思うんだよ、オレも。

トシオ:で、再会したのが5年前くらい。THE THROTTLEのRYO-CHANGがとあるファッション誌の企画で”同世代のロックンローラーを集めて渋谷駅で撮影する”ってことで、そこにオレもJOHNNYも呼ばれていて、偶然会ったんです。そんなもんだから、ぶっ飛ばす!って勢いで向かっていったら、めちゃくちゃ腰が低くなってたっていう(笑)。話したらめちゃくちゃいいヤツで。

JOHNNY:だって”初めまして”だと思ってたからさ(笑)。そのときにはもうちょっと大人になってたのかな。経験を経て、トシオ寄りのマインドを持つようになってたからね。

トシオ:ちょうど考え方も近くなってきた時期でもあったんだろうね。BLAST JAMS!!はDJクルーだからバンドの存在は不可欠。そこで、JOHNNY PANDORAとも一緒に何かできたらってことでイベントに誘うようになったのがバンドとしての関係の始まりだね。

ーめちゃくちゃ面白い出会いじゃないですか。アニメや漫画で最初はライバル同士だったヤツが親友になって共に戦っていくような感じじゃないですか。

トシオ:あんまりないですよね、そんな始まりは。JOHNNYは会っていない間もずっとバンドで筋を通し続けていて。オレは途中でバンド向きの人間じゃないってことに気づきDJとして活動をしていて。

JOHNNY:それがね。巡り巡って、こうして一緒に協力し合いながら活動することができるとは。

トシオ:ね。

ーJOHNNY PANDORAが最初にBLAST JAMS!!のイベントに出たのは?

JOHNNY:トシオが主導でBLAST JAMS!!として7inchレコードを作るプロジェクトを進行していた時期があるんですけど、それで声をかけてくれたんだよね。そのときのレコ発(※)からかな?

※JOHNNY PANDORA 会場限定7インチ「“ROCK ME BABY”/“WILD SIDE ROCK’N ROLL”」リリースパーティ、6月15日に下北沢THREEで開催された

ーその7inchレコードのプロジェクトについて教えてもらえますか?

トシオ:2018年にBLAST RECORDSを立ち上げて縁のあるバンドの7inchレコードをリリースしたんです。発表したのはJOHNNY PANDORA以外はTHE TOKYO、THE THROTTLE、THE NUGGETSです。これは、オレが7inchを作りたかったっていうのもあるんですけど、それよりも重要なコンセプトが、通販なしで会場限定で販売していたということです。ここには“ライブハウスという現場に来てくれ。来てくれればこんなに楽しいことがあるから”ってメッセージを込めていて。そこに参加してくれたんですよ。

BLAST JAMS!!がキッカケでバンドは今の編成に
ーJOHNNY

JOHNNY PANDORA達との出会いがロックンロールを広める確信に繋がった
ー笹井トシオ

ーこうして今では厚い繋がりを持つ両者ですが、JOHNNY PANDORAから見てBLAST JAMS!!はどんな存在ですか?

JOHNNY:オレももう10年以上ロックンロールをやってるんですけど、今まで見てきた中でも、もっとも新しくても面白いことをやっている連中ですね。SENみたいな若手にしてみたら、また違う観点から見えることもあるんじゃない?

SEN:そうですね。オレがBLAST JAMS!!を知ったのはRYOHEYさんの紹介でした。お客さんとして遊びに行って、そこでオレらと同じ世代のやつが遊んでるのを見て嬉しくなったんですよね。友達もパーティで増えたし。仲間が増えていって、ほぼ毎月通うようになってましたね。来ている人がそれぞれスタイルを持っていてファッションも含めてカッコいい人が集まる場所ってイメージです。

トシオ:で、JOHNNYに取り込まれたんだよな。

JOHNNY:ああ、そう。JOHNNY PANDORAはメンバーチェンジをしてるんですけど、今のメンバーは全員、BLAST JAMS!!キッカケで知り合ってるんで。前のメンバーでライブをしているときに、RYOHEYとSENとTAKEがバイクに革ジャンで遊びに来てたんだよな。それでカッコいいから話しかけたら「バンドやってる」なんて言って。そのバンドのライブはすっげーヘタで、まぁ、ひどいもんだったんだけど。

一同:

JOHNNY:でも、なんかカッコよくてね。コイツらとバンドやったらカッコいいだろうな。オレもバイク好きだしって思って。旧編成のJOHNNY PANDORAのパーティにRYOHEY達がやってたバンドに出てもらったんだよな、確か。

RYOHEY:そうそう。

JOHNNY:現メンバーとは、そこから深い付き合いが始まり、一緒にバンドをやるようになって今では下地が固まってきた感じだね。

SEIJI:BLAST JAMS!!は、僕も先輩から紹介してもらってパーティに遊びに行ってトシオさんに会って、という流れで知りましたね。そこでJOHNNY PANDORAのライブも観たし、SENもTAKEもちょくちょく会う知り合いって感じだったよね、当時は。BLAST JAMS!!は毎回、オープニングアクトを公募してるじゃないですか?

トシオ:そうだね。

SEIJI:そこで、僕は前にやってたバンドで応募して出させてもらって。JOHNNYさんともイベントきっかけで知り合ったんです。

TAKE:自分もBLAST JAMS!!のイベントに遊びに行っていて。僕のイメージだとロックンロールの先輩って、もっと年上の印象が強いんですよ。20代や、ましてや同世代のヤツなんかに出会えないイメージがあって。だけど、BLAST JAMS!!は20代、30代前半、シーンの中でも若手の人がバンドもDJもお客さんも多かったんです。当時の目標は、そのときにやっていたバンドでBLAST JAMS!!に出るってことでしたからね。最初に出たのが、BLAST JAMS!!が年末に開催している大きなパーティで、そこでSEIJIが当時やっているバンドと対バンして。そんな流れでBLAST JAMS!!を通じてお互いに知り合っていったんです。最初は目標そのものだったんですよ。

JOHNNY:うん。BLAST JAMS!!はそういう若手の目標とされる場所でなくちゃいけないな。このシーンの音楽が好きな若い連中がしっかり入り込んでいけるようなところでなくちゃ。

ーJOHNNYさんは現メンバーを探すにあたって、同世代のミュージシャンを探していたんですか?

JOHNNY:そうですね。同じような趣味を持っている年の近いヤツがなかなかいなかったんで。そんなヤツらが集まってくるのがBLAST JAMS!!なんですよ。BLAST JAMS!!がなかったら今の編成にはなってないですね。こういう若手がロックンロールを楽しめるイベント自体が少ない中、今のメンバーとはいい感じに出会えたな。

ーBLAST JAMS!!が掲げる”VINTAGE MUSIC FOR TEENAGERS!!”の考え方はJOHNNY PANDORAにも通じる部分がありますか?

JOHNNY:大いにありますよ。結局、オレたちも古い音楽を好きでやっているけど、単純に古いと思いながらやっているわけではないですからね。TAKEだとか、若いヤツは初めてロックンロールを聴いたときに”新しい音楽”だと感じながら体感するわけじゃないですか、もちろん自分もそうですけど。オレたちが表現している音楽も、若い連中が聴ける新しい音楽としてやっているんです。それはJOHNNY PANDORAだけではなく、THE THROTTLEやTHE TOKYOもそうだと思う。今だからこそ、新しい要素も含め、様々なアプローチを取り入れながら、色んなスタイルでやるべきだと思います。リスナーも、あらゆる音楽を聴いて好きになったうえで、自分らのスタイルを選んでくれたらいいですね。そういうシーンの入り口であり、知るキッカケに、自分たちがなりたいと考えています。

ーヴィンテージミュージックのシーンは音楽業界で見ると大きくはありません。世界的にHIPHOPなどが主流の中、それでもロックンロールをポジティブに発信して現代に広めていこうという意思を持てたのはなぜですか?

JOHNNY:ポジティブ云々というわけではなく、それが自分の使命だと思ったんです。オレがやらなくてはいけないという。活動し始めた頃は、周りに堂々とやっている同世代のヤツもいなかったので、誰もいないならオレが新しく作って増やしていけばいいっていう反骨精神がベースにありますね。仲間が増えた方が絶対に楽しいですから。オレもRYOHEYも1人でやってきた時期が長かったんですが、やはり日本のロックンロール業界を盛り上げるためには若い力が絶対に必要です。今ではオレやRYOHEYは教える側に回ったり、メディアにも率先して出るようにして、これまでになかった広め方をしようとしているんです。トシオもそうなんじゃない?

トシオ:うん。オレDJとして(この音楽を)広めていく使命が自分にあると思ってる。過去の歴史がそうであるように、DJをやるのであれば世間に音楽を広めてなくてはいけない、それが理由の1つ。もう1つはJOHNNY PANDORA然り、今回出演してもらうバンド達との出会いを経て、これはいけるって確信めいたものがあったっていうのもあるね。

JOHNNYは明確に海外での活動を目標に続けている
ー笹井トシオ

今のオレには海外での活動がすごく刺激的に映ってる
ーJOHNNY

ーここからは、JOHNNY PANDORAについて教えてください。結成は2016年、JOHNNYさんが世界で活動していくことを念頭に入れてスタートしたんですよね?

JOHNNY:そうです。オレが海外で活動するためにスタートさせたので、バンドとして明確に世界での活動を視野に入れています。ツアーを回るときは国内だけではなく必ず何ヵ国か巡るようにしているんですよ。いずれは海外を主戦場にしたいと考えています。

ーなぜ、海外なのでしょうか?

JOHNNY:ロックロールは日本だと時代的に遅れている音楽みたいな捉えられ方をされることもあるんですけど、海外ではまったくそんなことはないんです。カッコいいものはカッコいいと正当に評価してもらえるし、こういうスタイルでやっているバンドも少ないのでクールだと受け入れてもらえることが多いんです。別にロックンロールには言語は関係ないと思っているんで、全世界に通用すると思うし、オレは今、そっちの方が刺激的で世界に向けて発信しているんですよ。

トシオ:BLAST JAMS!!と繋がりのあるバンドの中でも明確に世界に向けて発信しているのはJOHNNY(=JOHNNY PANDORA)だよね。

JOHNNY:メンバー全員共通してイギリスのカルチャーが好きだから去年はイギリスにも行ったし。最近の感じでいくとアジアが多いんだけどね。マレーシアにはファンも多くて。オレが何度も行ってるんで、アジアの若いお客さんもツイストを覚えてくれたりしているんですよ。ティーンの彼らは純粋にオレらの音楽を新しくてカッコいいものだと思って聴いてくれている。そんな風に日本のロックンロールが海外で評価されることによって、国内でもバンドの見方が一気に変わる部分があるんですよ。

ーi-D MagazineでJOHNNYがピックアップされた記事も。しかも本国、イギリスでのコンテンツというのがポイントー

ーJOHNNYさんをはじめ、JOHNNY PANDORAは海外メディアでも数多く取り上げられていますもんね。

JOHNNY:はい。わかりやすい例だと5 Seconds Of SummerのMVへの出演だとか。そこから知って、カッコいいと思ってくれる若い連中も多くて。そんな風に海外から逆輸入的な形で攻めることができれば、と考えていますね。そこにはやはりSNSの力は重要ですね。もしかしたらロックンロールとは真逆の文化なのかもしれないですけど、オレはあえてそこはちゃんと利用しようと考えています。

※5 Seconds Of Summerの発表曲の中でも特に有名な楽曲「Youngblood」のMVに主演としてJOHNNYが出演

※こちらはサッポロビールのカナダver CM。バンドが出演し、1stアルバム収録曲『RockMeBaby』が採用されている

ーJOHNNY PANDORAは”SAMURAI ROCK’N ROLL”を標榜し、日本のロックンロールを表現しているバンドだと思うんですが、それは具体的にどのような音楽なのでしょうか?

JOHNNY:日本のロックンロールの良いところは、オレが思うに色んな音楽のごちゃ混ぜなんですよね。この国発祥のロックンロールと限定することなく、日本、イギリス、アメリカのロックンロールが好きで、そのカルチャーを全部混ぜたときに出てくるものがSAMURAI ROCK’N ROLLだと考えています。そして、その根底にはバイクとダンスがあり、ライフスタイルのすべてに筋が通ったときにロックンロールになると思いますね。日本のロックという意味では。

ーロックンロールに必要な要素としては何があると考えていますか?

JOHNNY:バイクとダンスとロックンロール。これがオレの中での三大要素ですね。そこにファッションも入り、ライフスタイルそのものがロックンロールだと考えています。だからこそ、ステージに上がるときだけ髪型を整えて衣装着て出ていくということはなくて、普段から当たり前にやっていることが、滲み出ないといけないと思っていて。ロックンロールってポップでお洒落で可愛い要素も持ち合わせているので、意外と若者でも入りやすいと思うんですよね。オレらの場合、バイクは全員乗っていますけどね。必需品だよね?

一同:うん。

ー今日も撮影させてもらいましたが、どんなバイクに乗っているんですか?

JOHNNY:HONDAのバイクですね。単純に本田宗一郎が好きで、夢が詰まってるバイクがHONDAで。あの時代の本田宗一郎の手掛けていたバイクしか乗らないっていう自分なりのポリシーがあって乗っています。

RYOHEY:オレはROYAL ENFIELD(ロイヤルエンフィールド)。イギリスの不良が乗っていたバイクで。スキャンダル雑誌に載っていたバイクが似たようなやつで、それがすごく危険でカッコいいと思って。バイクもロックンロールも危険な海外の音楽、カルチャーってイメージがガキの頃からあるんで。

SEN:僕はTRIUMPH(トライアンフ)です。造形美として魅力的で美しい形をしていますからね。TAKEのW1とは対照的にシンプルで綺麗なんですよね。

SEIJI:僕は見た目が気に入って、SUZUKIのやつ。先輩方に色々教えてもらいつつバイクに乗っています。

TAKE:僕は映画の影響から。『彼のオートバイ、彼女の島』で竹内力さんが乗っているKAWASAKI(カワサキ)のW3が音もカッコよくて。調べていくうちに同じシリーズのW1に辿り着いたんです。

RYOHEY:トシオの車は?

トシオ:オレのはよくないかな(笑)。イギリスの旧車でVanden Plas(バンデン・プラ)のプリンセスって車種で。69年製なんだけど、やっぱり見た目が好きで。でも、みんなと違ってオレは実用性も重視しつつ、カッコいいと思う車を探し出したって感じだよ。

RYOHEY:うん、トシオに似合ってるよね。

JOHNNY:ああ、そうだね。

イベントに絶対外せないピースでありすべてを体現している
ー笹井トシオ

互いに高め合えるカッコいい同世代の連中が出るのがアツい
ーJOHNNY

ートシオさん的に、10月11日のリキッドルームでのパーティにおけるJOHNNY PANDORAの立ち位置は? 主催者としての視点を教えていただければ。

トシオ:もう、すべてなんですよね。まずパッと見でカッコいい、楽曲もパフォーマンスもカッコいい。カルチャー雑誌からそのまま出てきたような出で立ちで、まさにBLAST JAMS!!が世の中に示したいものがJOHNNY PANDORAに凝縮されています。それにJOHNNYは地元、横浜でユースにツイストを教える集まりを主催しているんですよ。現代にヴィンテージミュージックのカルチャーを広める活動も行っている姿勢は、まさに自分たちと共通するものだと感じますね。

JOHNNY:このカルチャーは踊りがセットでないと。ロックンロールやロカビリーのパーティに遊びに行っても踊れなかったら面白くないからね。BLAST JAMS!!のイベントに来ているお客さん同士もジャイブを教え合ったりしていて、本当にいいと思う。

トシオ:そうだね。


※’Johnny’ Daigo YamashitaのYouTubeチャンネルより

ーJOHNNY PANDORAは10月11日のイベントをどう捉えていますか?

JOHNNY:誘ってくれたときに「リキッドルームでデカいパーティをやるんだ。ジョニパン(JOHNNY PANDORA)は絶対に必要だからやってくんねぇ?」ってトシオが言ってきて。

トシオ:マジで絶対に外せないピースなんで。

JOHNNY:そりゃ、断る理由はねぇなって。他に出演するバンドを見渡しても同世代のバンドばかりってところが1番アツいと思ったポイントですね。アツシ(THE TOKYOのVo、コダマアツシ)や遼(THE THROTTLEのVo、RYO-CHANG)とか。同じくらいの年齢であんだけカッコいいことやってる連中がいるんで、オレらはオレらでカッコいいことやんなきゃなって。そんな風にお互いに高め合える仲でいられるミュージシャンが集まっているし、何よりトシオの熱い思いを受け止めて。協力するし、オレらも10月11日のリキッドルームに向けて火が入った感じですよ。

RYOHEY:オレたちだけじゃ、もしくは他バンド単体じゃリキッドルームでパーティをやるなんて実現不可能なことじゃないですか。それが、BLAST JAMS!!がまとめあげてくれるおかげで、1つの船団というか、大きなチームになって実現に向かっている印象があるんですよ。1つの目標に向かって大艦隊が突き進んでいるという。このシーンでこんな動きがあるなんて過去を辿ってもそんなにない。本当に珍しいケースだと思う。すごく斬新だし面白いことですよね。出演するメンツの中では、オレとJOHNNYは年上の世代になると思うんで、先陣切って突っ込んで、若手のヤツらが思いっきり楽しめるように努めたい。すでに、チームとして連携が取れているし、素晴らしい一夜になることは間違いないです。

ーそろそろ締め括りに。トシオさんからバンドに聞きたいことはありますか?

トシオ:JOHNNY PANDORAはJOHNNYはもちろんだけど、メンバー個々の活動がSNSを介して個性的に発信されていて、それがすごくユニークだと思うんだけど、しっかりバンドのブランディングについて話し合ったりしているの? 例えば、それぞれにキャラクター付けをしよう、とか。

JOHNNY:最初は明確にキャラクターを分けようってことも考えてたんだけどね。自然と各々が見つけていった感じかな。今は自分らしく素の状態でいようってことはよく話し合ってる。特にTAKEなんかはそうだな。最初はカッコつけてたんだけど、自ら3枚目キャラに走ったよね。途中でこれじゃダメだって自ら気づいて。

TAKE:いや、最初は2枚目キャラだったんですけど「それじゃダメだから申し訳ないけど3枚目キャラにいってくれ」って。

ーバンドとしてのオファーがあったわけですね?

TAKE:ええ、まさにそうです。

JOHNNY:「いってくれ」とは言ってないよね?

RYOHEY:自分からでしょ?

TAKE:そこで「僕もバンドのためなら……」と甘んじて自らのクールなキャラを封印し今の感じになったわけです。

JOHNNY:取材の場だからってウソつくんじゃねぇよ!(笑)。

一同:

RYOHEY:ま、今は本能的に衝動的にロックンロールを楽しんでいる感じだよな。

JOHNNY:そうだね。全員がこうだって決めつけるんじゃなくて、各々自分らしくキャラクターが立っているヤツが集まっている集団でありたいとは思ってるよ。

RYOHEY:戦隊モノ感があるってのはよく言われるけど(笑)。

JOHNNY:じゃあ、最後にオレから。笹井トシオ、(この先)どこまでやれんの?

トシオ:BLAST JAMS!!自体を盛り上げていくっていうのは当然なんだけど、オレは規模感や知名度を大きくしていくこと自体はそれほど重要ではないと思ってるんだよね。このヴィンテージミュージックのカルチャーを後世に残していきたいと本当に思ってる。100年後なのか何年後かわからないけど、未来の世界で「2020年代にBLAST JAMS!!っていうシーンがあってさ」ってことを言われる存在にしていきたいね。自分が死んだ後に残るものっていうか。

RYOHEY:死してなお語り継がれるってやつね。

トシオ:うん、そうだね。どこまでやっていくよ。こうやって人を巻き込んでいるからね。ちゃんとやっていく。

JOHNNY:やるしかないよな? オレらも10月11日のリキッドルームは当面の1番大きな目標だからさ。気合いれてやっていくし、当日はオレらなりのカッコいいやり方とスタイルでフロアを魅了するつもり。

さて、撮影を行ったのは本厚木にあるgina(ジーナ)というダイナー。本格的なアメリカンが楽しめるお店だ。内容が非常にロックンロールしており、カウンターにはこのシーンのカルチャーを伝える本なども。フライヤーがラフに重ねてあったりと実に洒落た空間だ。ハンバーガーも美味。近くを訪れることがあったら寄ってみてはいかが?

INFORMATION
gina
神奈川県厚木市寿町1-3-12
046-295-4411
https://gina.gorp.jp/

以下、JOHNNY PANDORAの魅力をより知るためにBLAST JAMS!!のクルーとバンドが共作したプレイリスト。10月11日のパーティ”BLAST JAMS!! 2020″に向けた予習として。またJOHNNY PANDORAの魅力をより深く知るためのミックスとなっている。

そして、本連載のためにBLAST JAMS!!クルーのメンバー、MACHIが”今月のグッド・ヴィンテージミュージック・プレイリスト”を制作してくれた。今回のテーマは”SWEET JAMAICAN SOUL”。初夏にピッタリの内容だ。

次回もバンドとの対談をお届け。公開は7月下旬を予定。
次回のWORLD FAMOUS BLAST JAMS!! CREWもお楽しみに!!

Archive
Vol.06 Talk session with submarine dog
Vol.05 Talk session with THE NUGGETS
Vol.04 Talk session with Drop’s
Vol.03 Talk session with THE THROTTLE
Vol.02 Talk session with Tokyo Rockin’ Crew&NIGHT FOX CLUB&Atsushi
Vol.01 About BLAST JAMS!! CREW Interview: Toshio Sasai

INFORMATION

BLAST JAMS!! 2020

2020年10月11日(日)
OPEN,START 13:00
¥3500(adv), ¥4000(door)

-LIVE ACTS-
THE TOKYO, THE THROTTLE, JOHNNY PANDORA, ALI, Drop’s, RESERVOIR, 999999999, THE NUGGETS, submarine dog
&
FADEAWAYS, STOMPIN’ RIFFAFFS, LOS RIZLAZ, PSYCLOCKS, the GENO LONDON, UPDOWNbeats, ザ・ハイマーツ, THE MILLION DOLLAR DOGS

-DJs-
BLAST JAMS!! Crew -笹井トシオ, takuma, ヒラノツヨシ, ゴーゴージュリー, Shinyah, MACHI, WOODCHUCK-

-GUEST DJs-
Tokyo Rockin’ Crew, NIGHT FOX CLUB, And Friends

BLAST JAMS!!
https://twitter.com/BlastJams
https://blastjams.com/

笹井 トシオ
https://www.instagram.com/toshio_sasai/
Yui Nogiwa
https://www.instagram.com/nogiwarian/

LIQUIDROOM
https://www.liquidroom.net/schedule/blastjams2020_20201011