OTHER 2022.08.03

Interview: 大泉洋 〜バラエティをやっていないとバランスが取れない 『ザ・マスクド・シンガー』のMCをやる理由

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部
Photograph_Ryo Kuzuma, Styling_Kyu[Yolken], Hair&make_Yohsito Shiraishi[ima.] Text_Chie Kobayashi, Edit_Ryo Tajima[DMRT]

俳優、タレント、司会者に声優……と大泉洋の活動を考えると、その幅は異常に広い。そして、どんな場であっても“大泉洋ここにアリ”といった存在感を視聴者に与え続けている。Prime Videoで配信されている音楽バラエティ番組『ザ・マスクド・シンガー』は、マスクと個性的なコスチュームで正体を隠したシンガーが誰なのかをパネリストと視聴者で当てるバラエティ番組であり、そのMCを大泉洋が1人で務めている。今回、『ザ・マスクド・シンガー』シーズン2公開に先立って、どのような思いでMCを務め、そこに、どんな意図があるのかを聞いた。

いかに面白いトークができるのかが勝負どころ

ー『ザ・マスクド・シンガー』シーズン2が決まったときの心境を教えてください。

 
大泉洋(以下、大泉):『ザ・マスクド・シンガー』のお仕事はショーを観に行っている感覚に近いですね。司会者ですが、僕もマスクドシンガーの正体を知らないですし。収録時間的には長めなんですが、そんなに時間がかかっているという感覚がないんですよね。マスクドシンガーのパフォーマンスを見るのももちろん楽しいし、正体を考えるのも楽しいし、パネリストとのトークも楽しい。ずっと楽しいので、シーズン2の話を聞いたときは、「またあれを体感できるのか!」という喜びが大きかったですね。
 

ー大泉さんの中で、シーズン1とシーズン2で変えたところはありますか?

 
大泉:僕の中で変えた部分はないですけど、セットも含めてスケールアップしていて。僕の登場もより派手になっています(笑)。
 

ーショーのような番組のMCですが、参考にした人物やイメージしていたMC像のようなものはあったのでしょうか?

 
大泉:参考にしたという点で言うと、アメリカ版の『ザ・マスクド・シンガー』ですね。日本の番組では僕のような俳優や芸人さんが一人で司会をするというのはあまりないじゃないですか。もう一人きちんと進行する方がいるのが普通だと思うのですが、この『ザ・マスクド・シンガー』は、司会者が僕一人。そこはアメリカのスタイルを踏襲しているのかなと思っています。だから番組全体の雰囲気や、司会者の立ち振る舞いの綺麗さ、カッコよさはアメリカ版を参考にしました。
 

ー『ザ・マスクド・シンガー』のMCをする上で、難しいことはありますか?

 
大泉:マスクドシンガーたちのパフォーマンスは素晴らしいものなので、僕にできることといったらマスクドシンガーやパネリストと、いかに面白いトークができるか。そこは常に勝負なのかなと思います。

 

ー大泉さんもマスクドシンガーの正体を知らないまま司会されているとのことですが、今シーズンでは大泉さんの予想はどのくらい当たりましたか?

 
大泉:シーズン2は正直、全然わかりませんでした。今シーズンの面白くなったところで言うと、一番は「正体がわからない」ということかも。前シーズンよりも圧倒的に、中の人を当てるのが楽しいと思います。
 

ー『ザ・マスクド・シンガー』は歌番組ですが、大泉さんご自身は日常的に音楽を聞かれますか?

 
大泉:僕はおそらく音楽を聞かないほうだと思いますが……ランニングするときや車に乗ってるときには聴きますね。友人に小曽根真さんというジャズピアニストがいるのですが、小曽根さんのジャズを聴くと落ち着くんですよね。僕はそんなに音楽に詳しいわけではないので、小曽根さんのライブを見に行かせてもらっても、知っている曲ってそんなにないんです。でも知らない曲なのに真剣に聞けちゃうんですよ。自分でも「知らない曲なのになんでこんなに真剣に聴けちゃうんだろう」と不思議になるくらい。ジャズってセッションじゃないですか。そのスリルがそうさせるのかな。どうなるかわからないみたいなところを、聞きながら楽しんでるのかもしれない。わからないですけど、ジャズは楽しいなと思います。

やっぱり圧倒的に人を笑わせたい

ー様々なお仕事の中をされている大泉さんですが、司会やMCというお仕事には、どういうところに面白みを感じますか?

 
大泉:やっぱり、僕は圧倒的に人を笑わせたい人なんですよね。だから司会者という立場で、いかにその番組を面白くするか、番組を見たお客さんに笑ってもらえるかを考えながらやるのが面白いんだと思います。正直、ただ真面目に話を聞くだけであれば、僕じゃなくていいと思うんです。例えばNHK MUSIC「SONGS」なんかはアーティストの話を聞き出すわけですが、その中にも僕らしい笑いの要素を入れたいですし。僕が笑わせる必要はないけど、アーティストの発言で笑ってもらう、というのは僕が司会をやるうえで大事にしています。
 

ー司会やMCをする上で、大泉さんなりのコツはありますか?

 
大泉:どの仕事でも意識していることですけど、僕も相手も楽しむということ。僕の場合は、相手にツッコむことが必要な場面もありますけど、嫌な気持ちになるようなツッコミはしたくないし、相手に失礼になるような接し方はしたくない。お互いが楽しくて、見ている人には笑ってもらえるようなやりとりは心がけていますね。
 

ー大泉さんのお仕事では、どんなお仕事の中にも“大泉洋節”のようなものを感じます。その大泉さん節の元になっていると思うカルチャーはありますか?

 
大泉:僕が子供の頃から見続けているバラエティ番組ですね。ドリフ(ザ・ドリフターズ)から始まって、ひょうきん族(『オレたちひょうきん族』)、とんねるず、ウッチャンナンチャン、ダウンタウンを見て育ちました。落語もよく聞きましたね。子供の頃から「しゃべり口調が落語家だ」と言われていましたから(笑)。そういうものが自然と体に入っていって、「このツッコミは(ビート)たけしさんのようにツッコんだほうが面白い」とかを、おそらく体が勝手に判断して、ここまで大きくなってきたのかなと思います。
 

ー先ほども「すべてにおいて、楽しませることを大切にしている」とおっしゃっていましたが、そのほかにお仕事をするうえで心がけていることを教えてください。

 
大泉:僕自身が飽きないようにするということですかね。僕の場合は、大まかにいうと、役者の仕事とバラエティの仕事がありました。北海道だけで仕事をしていたときはバラエティしか仕事がなかったんです。北海道ではタレントが皆無だったので、仕事があるだけでもすごかったんですけど、ラジオを週に3〜4本やって、バラエティを週4〜5本やって。忙しくさせてもらっていましたけど、どこかで飽きてしまっている自分もいたんですよね。それで違うことをやってみたいなと思って俳優の仕事をやらせてもらうようになりました。そうやって飽きないようにするというのは、僕には大事なのかなと思いますね。
 

ーでは俳優のお仕事を始めてからは、飽きていないで楽しめていますか?

 
大泉:そうですね。でも、こんな取材中にいうのも何ですけど……番宣って大変なんですよね(笑)。映画の公開が3本くらいあったときは、大変でしたね。映画撮って宣伝して、映画撮って宣伝して、映画撮って宣伝して…が続いて、「僕はずっとこれをやって死んでいくのかな」って(笑)。
 

ーやはり、お芝居とバラエティというバランスが大泉さんには必要なんでしょうね。

 
大泉:そうですね。役者をする上で、バラエティってやらないに越したことはないんですよ。どうしてもバラエティの印象が強くなっちゃうから。でも僕はバラエティもやっていないとバランスが取れないかな。だから、バラエティをやっていても、それはそれとしてしっかり見てもらえるようなお芝居をしていきたいと思います。

INFORMATION

『ザ・マスクド・シンガー』シーズン2

Prime Videoにて、8月4日(木)よる8時より独占配信開始
話数:本編9話 初回3話 以降2話 毎週木曜よる8時より順次配信
※視聴には会員登録が必要です。
※配信内容・スケジュールは予告なく変更になる場合がございます。
出演:MC大泉洋
パネリストMIYAVI、Perfume、児嶋一哉(ep7~ep9はMC)、滝沢カレン(ep8.9)、山崎弘也(ep5.6.9)、森崎博之(ep7~9)、小林幸子(ep 3~5)、水野美紀(ep2)、土屋アンナ(ep1.6~8)
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