Dear Upcoming Actors #06 山田杏奈

photography_Takao Iwasawa, styling_Hideyuki Kanemitsu, hair&make_Kentaro Katsu, text_Yuri Matsui, edit_Takuya Nakatani

Dear Upcoming Actors #06 山田杏奈

photography_Takao Iwasawa, styling_Hideyuki Kanemitsu, hair&make_Kentaro Katsu, text_Yuri Matsui, edit_Takuya Nakatani

いま、若手俳優たちがおもしろい。きらり光っている。ってことで、これからのスクリーンを賑わせるアップカミングな役者を追った、というよりも彼ら/彼女らへのラブレター的に編んだシリーズ「Dear Upcoming Actors」。第六弾は、2001年生まれの山田杏奈が届ける相手。演じることへ向き合う思いなど会話したのち、曇り空の下、商店街をぷらぷら歩きながら撮影した。

お芝居で解放されている

—山田さんが、演じる上で心がけていることはありますか。

その場で生まれたものを大事にすることですね。家で台本を練習するときに、相手の芝居を自分で想像してガチガチに固めちゃうと、現場で噛み合わなくなるんです。だから、いろんな人が言うことですけど、「1回覚えたものをいかに忘れるようにするか」は意識していますね。

—お芝居をしていて、どんなときが楽しいですか。

今お話したように、事前に想像していたのとまったく違う感情が現場で生まれることも面白いですし、自分とは違う人になれることもすごく楽しい。「山田杏奈」としてはなかなか行動に移せないことも、役としてだったらなんの躊躇もなくできますし。

—普段は自分を抑えてしまうほう?

抑えるというよりは、後々のことを考えちゃうんです。例えばお芝居の中だと、傘を差さずに雨の中を歩いたり、水たまりに突っ込んだりすることも、わりとあるんですけど、普段は絶対できない(笑)。やりたい気持ちもちょっとだけあるんですけど、「いやいや」って思っちゃう自分がいるから。でもお芝居で解放されている部分があるから、普段の自分との釣り合いが取れているのかなと思います。

1人で音楽を聴きながら
外を歩いて、リセットする

—自身のInstagramでフィルムで撮った写真をアップしていますが、写真を撮るのが好き?

カメラもフィルムも人からもらったものなんですけど、好きですね。もともと、知らない道をぶらぶら歩くことが好きなので、そういうときに路地やお花を撮ることが多いです。自分が画面の中に切り取られることが多いから、どうやって見えるのかに興味があるんだと思います。

—人はあまり撮らないですか?

なかなか撮らないですね。人を撮るのって難しいですし。それに友達が多い方でもないし、自分から積極的に人と関われるタイプでもないので、ハードルが高いんです。写真を撮るのってコミュニケーションだから。

—休みの日はほかに、どんなことをしていますか。

学校の友達と会ったりもするんですけど、基本的に1人でいることが多いです。普段からつい台本のこととか考えちゃうので、1人で音楽を聴きながら外を歩いて、リセットしていますね。お仕事のことで悩んだりしていても、そういう時間にふと気づくことがあったりするんです。

—そういうときはどんな音楽を聴いていますか?

最近知ったばかりですけど、Yogee New Wavesを聴いたり。あとは小袋成彬さんやJ・コールとか、男性ボーカルが好きみたいです。RADWIMPSも昔から好きですね。

誰かの人生を変えるような
お芝居をできるようになりたい

—影響を受けた映画はありますか?

行定勲監督の『GO』です。初めて観たのが中学生の頃だったんですけど、学生時代に観れてよかったなって。かっこよく生きたい、と思いました。

—かっこよく。

最近のテーマなんです。人生って長くても100年しかないですよね。自分も、もう17歳まで生きちゃったっていう感覚があって。そのことに怖さもありますけど、逆に、人生それだけしかないんだから、好きなことをやりたいって、より強く思うようになったきっかけが『GO』なんです。

—ほかにも影響を受けた作品ってありますか?

ドラマの『カルテット』ですね。あそこまでどはまりしたドラマはなかったかも。録画して何回も見ています。役者さんのお芝居も好きだし、脚本の力をすごく感じました。恥ずかしいんですけど、脚本や1人1人のスタッフさんの仕事を意識して作品を見始めたのって、正直なところ最近で。脚本の言い回しの意図とかについて、ちゃんと考え始めるようになったのは、『カルテット』を見てからかもしれないです。

—10代前半からお仕事をしていて出演作を重ねてきたなかで、培われた部分もあるのかもしれないですね。

そうですね。この世界に入ったのは10歳の頃だったんですけど、当時はオーディションの賞品のニンテンドーDSが欲しくて応募しただけだったので(笑)。中3くらいまでは、この先も役者を続けようか迷っていたんです。でも役者を続けるなかで、客観的な目で、自分のいい部分も悪い部分も教えてもらえて、外から見た自分が見えてきて、このお仕事が面白くなってきた。今は、将来の夢を聞かれたときに、「女優を続けていきたい」とはっきり言えるようになりました。

—最後に、将来的に目指す役者像はありますか。

私は『GO』を観て、少なからず人生が変わったんです。だから、壮大な目標なんですけど、誰かの人生を変えるようなお芝居をできるようになりたい。なかなかできることじゃないですけど、せっかくこういうお仕事をやらせてもらっているので、そんなところまでいけたらいいなって。もちろんほかのスタッフさんの力を借りながらですけど、役というフィルターを通して、自分がそういう力を持てたら、最高だなと思います。

wear credit
look 1 :
コート/kotohayokozawa、ドレス ¥36,000/MAISON KITSUNE
ブーツ ¥42,000/K3&co.
look 2 :
アウター/kotohayokozawa、スカート/kotohayokozawa
ハイネックニット ¥30,000/JOHN SMEDLEY
look 3 :
ニット ¥52,000/MAISON KITSUNE
INFORMATION
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K3 OFFICE tel_03-3464-5357
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INFORMATION

山田杏奈
『山田杏奈ファースト写真集(仮)』

発売日:2019年1月8日(火) ※一部、発売日が異なる地域がございます
撮影:細居幸次郎
発売元:東京ニュース通信社

http://artist.amuse.co.jp/artist/yamada_anna/
Instagram @anna_yamada_

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