Dear Upcoming Actors #03 青木柚

photography_Takao Iwasawa, styling_Koji Oyamada, edit_Takuya Nakatani

Dear Upcoming Actors #03 青木柚

photography_Takao Iwasawa, styling_Koji Oyamada, edit_Takuya Nakatani

いま、若手俳優たちがおもしろい。きらり光っている。ってことで、これからのスクリーンを賑わせるアップカミングな役者を追った、というよりも彼らへのラブレター的に編んだシリーズ「Dear Upcoming Actors」。第三弾は、2001年生まれの青木柚が届ける相手。インタビューのときのはにかんだ表情から、カメラの前に立った瞬間のスイッチの入り方は見張るものがあった、そんな会話と撮影となった。

「“生きる”感じで」演じる

ー役者を志したきっかけから聞かせてください。

小さいときから映画やテレビドラマが好きで、役者さんから勇気や希望などいろいろもらってきて。それに憧れる形で、小学4年から事務所に所属して、レッスンからスタートしました。そのときはまだ「遊びたいな」という気持ちもどこかにあったんですけど、高校生になった頃に、自分のなかで意識の変化がありました。

ー演じることに向き合うようになった?

そうですね。同世代の役者さんたちもどんどん出てきて、このままでいいのかなという気持ちもありました。それまでは映画を観ても「おもしろい作品だったな」で終わっていたけど、「僕だったらどう表現するかな」と考えるようになって。そんなときに、足立紳監督の『14の夜』に出られたのは大きかったですね。

ーターニングポイントとなった作品だった、と。

はい。もともと人見知りで、現場で誰かと話をすることは少なかったんですけど、『14の夜』で同世代の役者さんと一緒になることで、急に喋れるようになって。そこからスタッフさんとも会話できるようになりました。同世代と競い合うというか、お互いがお互いの芝居を観ながら、自然と学んでいるような現場でした。これまで、同じ世代の人たちと芝居の話をしたことがなかったので。

ー監督や共演者からの、印象に残っているひとことはありますか?

映画『アイスと雨音』では、初めて本人役を演じたんですけど、“台本だけど自分自身”という状態を、どうやろうか悩んでいて。「こういう悲しい感じでいったほうがいいのかな」とか、頭のなかでイメージを作ってお芝居に臨むんですけど、ちょっと違うなっていうのは自分でもわかっていました。そのときに松居大悟監督に、「“生きる”感じで」って言われて。「“生きる”って言われても……」というのが最初の感想だったんですけど(笑)。でも、今まで頭のなかで計算してきたものを消して、青木柚としてやってみよう、と思ったら、気持ちが楽になってうまくいくようになったんです。

ー『アイスと雨音』も、同世代が集まっていましたよね。

あのメンバーは、とっても仲が良くて。今もプライベートで付き合いがあります。オーディションの後、2週間くらい稽古があったんですけど、その2週間でいっぱい相談もしたし、悩んだりもして、仲が深まっていって。74分ワンカットという映画だったんですが、あのメンバーじゃないとできなかったんじゃないかなって思うくらい、見えないところで絆でつながっていました。これからも忘れられない作品になると思います。

自分のお芝居で、ほんのちょっとでも変わってもらえたら

ーこれまでに影響を受けた映画は?

園子温監督の『愛のむきだし』ですね。それまでは過激なものはあまり観てこなかったんですけど、今の自分のもがいている感じともつながるようで、性の部分も思春期の自分にマッチしていて。自分のなかのなにかを解放する映画でした。いつかこういう作品をやってみたいなって。

ー演じる上で、参考にしている役者はいますか?

役者として尊敬しているのは、菅田将暉さんと北村匠海さん。今回、(この「Dear Upcoming Actors」シリーズに)北村匠海さんがいるのにびびりすぎて。最初、ドッキリかと思いました。いやでもドッキリなんてこないか、って(笑)。北村匠海さんは映画『勝手にふるえてろ』でも存在感がすごかった。そこにいるだけで(存在を)感じちゃう役者さんですよね。

ープライベートでは、最近はどういったことに興味がありますか?

休みの日に出かけるってなったら、映画館か、カラオケか、下北沢の古着屋さんか。あとは変な絵を描いています。うまいってわけじゃないんですけど。人が変形したような気持ち悪いものを、授業中もノートに描いちゃってたり。あと、CD屋さんにもよく行きます。

ーデータで、とかじゃなくCDを買うんですね!

はい、ちゃんと買います。歌詞カードを見ながら聴くのが好きで。CDラックを眺めているのも楽しい。そこに少しずつ増えていく感じも。

ーどういった音楽を聴くんですか?

三つ上の兄の影響もあって、AAAが大好きなんです。それぞれのソロも好き。去年のSKY-HIさんの日本武道館ライブも行きました。暇なときは一日中、好きなアーティストのセットリストを勝手に自分で組んで、「このつながりヤバい!」「ここはこういう演出で」みたいなことをずっと妄想しています。いつかコンサートやMVの演出をやってみたいなと思っていて、大学も表現全体を学べるところに行けたらと考えています。

ーそうでした、受験生ですもんね。

まだなにも決まってないんですけど……。

ーでは最後に、「こういった役者になりたい」という将来像を聞かせてください。

僕自身、人に憧れてこういう世界に入ったので、自分のお芝居や表現で、他の人たちがやりたいって思ってくれるような。その映画を観る前と観た後で、ほんのちょっとでも変化というか、影響を与えたい。その影響が良い悪いとかよりは、変わってもらえることがうれしいので。そういう役者になっていきたいですね。

Dear Upcoming Actors
#01 北村匠海
#02 井之脇海
#03 青木柚

INFORMATION

映画『アイスと雨音』
http://ice-amaoto.com/

映画『暁闇』
https://twitter.com/MoonlessDawn__

青木柚
Instagram: @yuzu_aoki_