Dear Upcoming Actors #01 北村匠海

photography_Takao Iwasawa, styling_Shinya Tokita, hair&make_Asako Satori, edit_Takuya Nakatani

Dear Upcoming Actors #01 北村匠海

photography_Takao Iwasawa, styling_Shinya Tokita, hair&make_Asako Satori, edit_Takuya Nakatani

いま、若手俳優たちがおもしろい。きらり光っている。ってことで、これからのスクリーンを賑わせるアップカミングな役者を追った、というよりも彼らへのラブレター的に編んだシリーズ「Dear Upcoming Actors」。第一弾は、1997年生まれの北村匠海が届ける相手。最新作となる映画『OVER DRIVE』の話題をきっかけに、会話し、撮影した。

目になにか感情を描くように演じる

ー映画『OVER DRIVE』では、英才教育を受けたドライバー、新海彰を演じました。冷静沈着でクール、かつ内に秘めた熱さもあるという役柄でしたが、演じる上でどういったことを心がけましたか?

僕は役を分析するタイプではあるので、彼がどういった生い立ちなんだろうとか、何を食べて生きているんだろうとか、そういう生活の部分もイメージしながら現場にいきました。(新海は)小さい頃からラリーの英才教育を受けて、きっと天才と言われて生きてきて、ほぼ敵はなかった。だからこそ、(新田)真剣佑演じる檜山直純が突然、ライバルとして現れたことで、はじめて何か燃えたぎるものが生まれた。ライバル役を真剣佑が演じるというのは、僕のなかですごく大きかったですね。普段から友達で、役者として先に大きくなっていった真剣佑が、(映画のなかでも)目の前に立ちはだかってくれた。

ー今回の役とご自身のあいだで、近しいところもあったと。

この作品に限らず、役を演じるにあたって、憑依じゃないですけど「自分ってこういう人間かも」って感じる瞬間はありますね。今回の役は特に、自分がドライバーをやってるとしたらこんな感じかな、と思ったりはしました。僕も結構、車に昔から興味があったので。

ーそうなんですね!

走り屋の若者たちを描いた漫画をきっかけにして。だから、(劇中に出てくる)サスペンションの話だとか、テンションあがりました。あとは、真剣佑とのシーンの撮影は毎回アツくなるものがあった。役者としての彼の大きさというのは目の前で感じたし、負けじと僕も、自分のスタイルでいこうと思ったし。

ー普段から、演じるときに、どういった部分に気を付けていますか?

“目”ですかね。声のトーンもそうなんですけど。目線ってすごい大事だと思う。例えばインな人間の場合、目の前にいる人の隣に、架空の人物を作って、そこを見て喋っちゃう、とか。これも自分なりに分析した結果なんですけど、そういった「こういう人間はこういう目線で話している」というストックは自分のなかにいくつかあって。目で訴えるというか、目になにか感情を描くようにしたいとは思っています。

ー北村さんにとって、“演じる”ことの魅力とは。

“演じる”ことの魅力…。いろいろあると思いますけど、例えば今回のラリーの話もそうで、「二ヶ月でプロのドライバーになってください」とか、そういった“違う人格として生きられる”という面白味は当たり前にある。常になにかを与えられる感覚で生きることができる、というのは役者じゃないと味わえない感覚だと思うんです。「多重人格になってください」「格闘家になってください」って、そうやっていろんな人間が作品のなかに生きていて、それを僕らが演じていく。その結果として、観ている人に、いろんな感情をお届けする職業だと思います。映画を観て、抱いた感情がすべてだから。それが役者としての生き甲斐ですね。

役者の仕事は“白紙”的

ー北村さんは、役者のみならず、DISH//としての音楽活動や、趣味としてのカメラなど、いろいろな表現をしていますよね。

マルチに表現していきたいなって。どれも違うからこそバランスを保てているところもある。役者の仕事は“白紙”的というか。真っ白で立ち向かったほうが意外といいものができたりすると思うんです。自分のなかで作り上げた像もありながら、それは片隅に置いて真っ白で向かっていく。そこで監督やいろんな人に色をつけてもらいながら、最終的には自分の色にしていく。

ーなるほど。

音楽は逆に、“自分”のブランドというか。DISH//の北村匠海として歌い、言葉を発し、自分で作り上げたものを120%で提供する職業だと思うので。なので、両方の差は大きいんですけど、インプットとアウトプットみたいに自分のなかではいいバランスをとれていますね。

作品に溶け込んで溶け込んで、
最終、消えるような役者になっていきたい

ー同世代の役者仲間についても聞かせてください。今回、共演した新田真剣佑さんとはプライベートでも仲が良いそうですが。

『OVER DRIVE』の撮影中も、真剣佑の部屋でよく喋ってましたね。役者としての自分たちの今の立ち位置だったり。僕たちの世代がこの先10年、20年と役者業界を担っていけるようになりたい。少し上の世代の方たちは、個々に戦っていた感覚で役者をしていたとおっしゃっていたんですけど、この世代は横並びの、仲間の感覚があるんです。お互いがお互いの作品を観て、いろんな意見を出しながら高めていく世代というか。

ーこの世代、楽しみにしています。では最後に、「こういった役者になりたい」という将来像を聞かせてください。

僕の思い描く役者像は、“北村匠海”というものをかき消すくらいのもの。「北村匠海ってどれだったの?」と思われるくらい、映画に溶け込む俳優になりたい。

ーカメレオン俳優と言われるような。

そうですね。いろんな振り幅の役をやって、作品に溶け込んで溶け込んで、最終的に、消えるような役者になっていきたいですね

Dear Upcoming Actors
#01 北村匠海
#02 井之脇海

INFORMATION

「OVER DRIVE」
出演:東出昌大 / 新田真剣佑 / 森川 葵 / 北村匠海 / 町田啓太 / 要 潤 / 吉田鋼太郎
監督:羽住英一郎 脚本:桑村さや香 音楽:佐藤直紀
公開:2018年6月1日(金)全国東宝系公開

http://overdrive-movie.jp/