2020年、明けましておめでとうございます。新年の書は、書道家の万美さんより拝借しました。「我逢人」。すなわち「人と会うことからすべてがはじまる」。
この書から連想したのは、アーネスト・ヘミングウェイ『移動祝祭日』の題辞だ。
もし幸運にも、若者の頃、パリで暮らすことができたなら、その後の人生をどこですごそうとも、パリはついてくる。パリは移動祝祭日だからだ。
ある友へ
アーネスト・ヘミングウェイ
一九五〇年
この題辞を指してその昔、僕が大阪にいた頃、街の先輩が「パリをミナミに替えても同じことが言える」と話していた(ミナミとは、大阪の心斎橋〜難波一帯のこと。アメ村を中心としてクラブやライブハウス、レコ屋、古着屋にストリートブランド、飲食店、ギャラリー、タトゥースタジオetc.が密集していて、スケーターやグラフィティライターらも飛び交う街だ)。ミナミに限らず、あなたの遊んできた/遊んでいる街もきっと、「パリ」と入れ替え可能だ。そういう街で遊べていたら/出会えていたら、だいたいオーケー。なぜならそれらフッドから生まれるユルい、でも本気なノリこそ、“次”を生んでいく起点だから(もちろんインターネットの世界にもフッドは在るし、これから動く人もいるだろう)。
EYESCREAMは、そういった熱を秘めた街やその路上に向かい、そこにいるユースやレジェンドたちと会っていこう。そのつながりに宿るエネルギーを写真に、言葉に記録しよう。2020年という新たな年代だからこそ。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。