MUSIC 2026.08.31

POWER PUSH! Collaboration: 名誉伝説が大切にするテーマはみんなの自己肯定感を上げていくこと

EYESCREAM編集部
Photography_Ryota Matsumoto, Edit&Text_Ryo Tajima(DMRT)

スペースシャワーTVによる歴史と熱意が込められた極推しプログラム『POWER PUSH!』とのコラボ連載企画!
『POWER PUSH!』は、毎月1組のアーティストの旬な1曲だけをピックアップしその楽曲を集中オンエアする、スペースシャワーTVのローテーションプログラム。EYESCREAMでは、選ばれたアーティストにインタビューし、そのクリエイションをご紹介していく。

第4回目は名誉伝説で「新女神」。聴いてもらえれば一発でわかるのだが、なんだか無性に楽しくなってくる楽曲なのだ。グッドミュージック製造バンドなる通称もめちゃ納得。こたにの儚さを伴う歌声とメロディは一度聴いたら忘れられないほどに印象が深い。どこかノスタルジックでエモくて身体を揺らしたくなる楽曲を生み出すのは、相方のGt、けっさく。名誉伝説がどんなポップスを表現しているのかについてインタビュー!

人の日常に残るような音楽をやりたい

ーまずは名誉伝説の成り立ちから教えてください。

けっさく:始まりは2021年頃に、僕がSNSでこたにの弾き語り動画などを見たのがきっかけでした。「すごい……。この人しかいない!」と思って長文のメッセージをDMしたんですよ。儚さがありつつも芯がある唯一無二の歌声に惹かれたんです。こたにの方も、僕がSNSに載せていたデモを聴いてくれていたみたいで喜んでくれて。その後、コロナ禍を経て、2023年に結成したんです。

こたに:けっさくがSNSにアップしていた楽曲は、今の名誉伝説とほぼ変わらない特別な世界観が感じられるものですごくいいなと思ったんです。なのでDMをもらった時は「ぜひお願いします」と二つ返事でした。

けっさく:バンドでポップミュージックを作りたいと考えていて、キャッチーでありながらちょっと変なテーマだったり、リスナーの日常に残るような音楽をやりたいなと思っていました。それが最初ですね。

ーでは、けっさくさんが「バンドをやりたい」と思って、ボーカルとしてこたにさんを誘ったのが、名誉伝説の始まりになるわけですよね。いつ頃からバンドがやりたいと思うようになったんですか?

けっさく:高校の頃にRADWIMPSなどをコピーして地元のライブハウスで演奏していました。DTMで曲を作り始めたのは大学に入ってからですね。ポップミュージックも好きなんですが、その原点にあるのは、幼い頃に家で流れていたサザンオールスターズや昭和歌謡、80~90年代のJ-POPなどです。その辺りの音楽が無意識のうちに自分の中に染み込んでいて、今も自分が作るメロディに影響を与えていると思います。

ーこたにさんはいつ頃から歌を歌おうと考えるようになったんですか?

こたに:小さい頃から歌うことが好きでカラオケに行ったりしていたんですけど、誰かに聴いてもらうようになったのは、中学生の時に音楽投稿アプリに自分の声を重ねて上げたのが最初です。高校生の頃にはクラブ活動で、作曲をする人とユニットを組んでライブハウスで歌ったりしていたんです。そんな歌を意識するようになった原体験は、母が車の中でよく聴いていた小田和正さんの楽曲ですね。

ーこれまでにたくさんカバーなどもされてきたと思うのですが、今のこたにさんに影響を与えたアーティストは誰ですか?

こたに:折坂悠太さんです。歌い方もなんですが、和を感じさせる歌声がすごくカッコいいなと思います。静かでありながらパワフルで、影響を受けている部分があると思います。

もっとも大切にしているのはメロディ

ー名誉伝説の楽曲はどこかノスタルジックでフォークソング的な馴染みやすさが感じられました。AORっぽさがあるのも魅力的です。そのようなサウンド感は目指すべきものとして最初からあったんですか?

けっさく:そういう意味では、フォークソングに合う歌声をポップスに昇華させたら、これまでにない新鮮さが出るんじゃないかと思っていました。歌詞やメロディに関しても、日本人にとっての耳馴染みのよさを意識してサウンドや歌詞の言葉を選んでいるので、聴きやすさが感じられるんだと思います。

ーけっさくさんが作詞作曲されているわけですが、曲作りはどのように進められているんですか?

けっさく:まずは自分の方でワンコーラス分のデモを作ってこたにに渡して、それを歌ってもらったものを返してもらってからアレンジを詰めていって、最後に歌詞を書くことが多いです。というのも、アレンジが決まってから「このサウンドならどういうテーマが合うか」「この母音の響きがハマるんじゃないか」といった曲ごとの物語を膨らませていくからです。

ーそれだけメロディが大事だということですね。

けっさく:そうです。一番大切にしているのは、耳に残る、人の記憶に残るメロディであること。クラシックから現代のCMソングやミームに至るまで、時代を超えて人の無意識に残る名曲たちの共通点を自分なりに研究しながら探っています。

ーこたにさんはけっさくさんからもらったデモをどのように自分自身の歌に落とし込んでいますか?

こたに:最初はあえて、どんな楽曲なのかを聞かずに、自分なりに解釈して歌ってみます。名誉伝説の曲は毎回主人公のタイプが全然違うので、その主人公になりきって歌う感覚ですね。レコーディングの時にディレクションを受けながら少しずつ、自分のチューニングを合わせていくんです。

けっさく:最初から僕が細かく歌い方を指定しすぎると、こたにが持っている声の魅力やクセを消してしまう気がしていて。まずは自由に歌ってもらうことを大切にしているんですよ。

みんなの自己肯定感を上げることがテーマの楽曲

ーでは、新曲「新女神」についてもお聞かせください。この曲のテーマやコンセプトはどのように生まれてきたのでしょうか?

けっさく:この曲のテーマは<自己肯定>です。誰しも、他人が輝いている瞬間と自分のダメな部分を比べて落ち込んでしまうことってあると思うんですよ。自分も含めて、お互いの肯定感を高め合えるような楽曲を作りたいと思ったのがきっかけです。

ーメジャーデビュー発表のタイミングで配信された「新女神」のタイトルやリリックにはどういう物語を込めていますか?

けっさく:不思議な出会いをきっかけに自分の長所や愛しさに気づき、自分を認められるようになっていく物語を描いています。「女神」というと外に存在するイメージがありますけど、今まで自分を讃えられなかった人が、自分で自分を讃えられる存在になった瞬間に、自分の中に女神が誕生する。名誉伝説にとっても大事な節目でリリースする曲だからこそ、聴く人の自己肯定感を上げられるような存在として「新女神」というタイトルにしました。

こたに:私自身、あまり自己肯定感が高いタイプではないので、歌ったり踊ったりする中で自分を鼓舞していく感覚で表現していきました。合いの手やリアクションっぽい声を小さく入れたりしつつ、友達に「かわいい!」って声をかけるようなニュアンスで歌ったりしましたね。自分の殻を1つ破れたと思います。

けっさく:2番のBメロ裏とかに、いろんなニュアンスの歌い方でメロディを入れているんですが、そこもこの曲のポイントですね。いろんな人を肯定する曲だからこそ、いろんな表情が見える歌を入れた方が、この曲のテーマに合うと思ったんです。

すべての人を肯定できる音楽を届けたい

ー楽曲の面ではラテンポップの要素が感じられて楽しい気分になってきますね。

けっさく:最初にギターリフを思いついたのですが、これがすごくキャッチーだと感じたので、それを軸にイントロやAメロ、サビを考えていきました。そこにリズムを重ねていったらすごく踊りやすいサウンドになってラテンポップの方向性になっていったんですよ。そもそもラテンミュージックには底抜けの陽気さや乗りやすさがあるので、楽曲のテーマでもある自己肯定感とすごくマッチしますから。

こたに:MVではエアロビクス調のダンスをしたり自分を磨くシーンがあるんですけど、踊っているだけで高揚感が感じられて、実際に少しずつ自分を好きになっていくような感覚があったんですよ。ジャケットのアートワークも含めて、新たな女神の誕生を予感させるような作品に仕上がったと思います。

ー「新女神」もそうですが、最高のポップスだと思います。そもそもポップスとはどういう存在だと捉えていますか?

けっさく:生きている中で日常のそばにあって寄り添ってくれるもの。何か特定の狭いターゲットに向けて歌うのではなく、いろんな悩みを抱えているすべての人の人生を包み込んで肯定できるような音楽が、僕たちにとってのポップスなんじゃないかと思います。

ーまさにそんな音楽が「新女神」でもあると言えますね。名誉伝説を象徴するような楽曲が生まれ、今後の活動がますます楽しみです。今後はどのような活動をしていきたいですか?

けっさく:名誉伝説が活動を通して実現していきたいことが、みんなの自己肯定感を上げていくということなので、誰も置いていかず、すべての人を肯定できる音楽を届け続けたいです。そのうえで、楽曲もライブも映像も、すべての表現に関して自分たちが面白いと思えることに素直に挑戦し続けていきたいです。

こたに:私たちにしか作れない音楽や世界観が必ずあると思うし、それを楽しみにしてくれている人もいると思うので、今後ますますそう思ってもらえる人を増やしていくように、名誉伝説らしさを形にして届けていきたいと思います。

INFORMATION

名誉伝説「新女神」

https://meiyodensetsu.com/

POWER PUSH!
これまでの楽曲はこちら▼
https://tv.spaceshower.jp/recommend/powerpush/

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