ART 2020.01.11

写真の可能性を探求し続ける武田陽介の個展「RAM」が京都で開催

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

武田陽介の個展「RAM」が、京都hakuにおいて1月27日まで開催中だ。

武田陽介は同志社大学在学中より銀塩写真での制作活動を開始したが、フィルムや印画紙の生産中止など、従来の銀塩写真の制作が困難になる状況をきっかけに、デジタル写真へと移行。写真というメディウムに対する透徹した制作意識を湛えた作品を発表し続けている。

京都では初めての個展となる同展では、作家のキャリア初期にあたる京都在住時に撮影された作品から、デジタルカメラを強い光に向けた際に生じる現象を捉える代表作「Digital Flare」の日本未発表作品を含む写真作品、近年取り組んでいる映像作品まで展示される。

京都で過ごした7年という歳月の戻ることない日々の生活について折にふれて思い出す。反芻することで理解できたことの数々。無作為に再生される記憶。冬の匂い、宵の昏さ、朝露の色、震える声。意味を結ぶことのない対話。散乱し、絡み合った言葉の数々を拾うこともなく、無縁に途切れた未来は灰色に白む。それら生の対価をベランダから眺めていた夕暮れ、体温希薄に揺蕩うよう、ファズの利いたベースが走る。カーテンが揺れる。ときに僕を確かめようとするもの。ー武田陽介

INFORMATION

武田陽介「RAM」

会期:2019年12月21日(土) – 2020年1月27日(月)10:00 – 19:00
会場:haku(京都市下京区中之町566)

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