ART 2021.07.15

エクアドル南部のシュアール族を追った映画『カナルタ 螺旋状の夢』が全国公開へ。監督自ら再構築する展示や先行上映会も

EYESCREAM編集部
EYESCREAM編集部

映画監督/文化人類学者の太田光海がエクアドル南部のアマゾン熱帯雨林に住むシュアール族のもとで一年ものあいだ滞在しながら撮影を行ったドキュメンタリー映画『カナルタ 螺旋状の夢』。世界各国の映画祭での受賞を経て、10月2日から東京・イメージフォーラムを皮切りに全国で順次公開される。

本作はもともと、太田がマンチェスター大学グラナダ映像人類学センター博士課程在籍時に、その卒業作品として制作されたもの。人類学的調査も兼ねてシュアール族のもとへ向かい、セバスティアンと初の女性村長であるパストーラ夫妻の家に一年間住み込みながらリサーチと撮影を重ねた。そのあらすじはこうだ。

セバスティアンとパストーラは、エクアドル南部アマゾン熱帯雨林に住むシュアール族。かつて首狩り族として恐れられたシュアール族は、スペインによる植民地化後も武力征服されたことがない民族として知られる。口噛み酒を飲み交わしながら日々森に分け入り、生活の糧を得る一方で、彼らはアヤワスカをはじめとする覚醒植物がもたらす「ヴィジョン」や、自ら発見した薬草によって、柔軟に世界を把握していく。変化し続ける森との関係の中で、自己の存在を新たに紡ぎだしながら。しかし、ある日彼らに試練が訪れる…。

植物の緑の深さ、生きとし生けるものの鳴き声やざわめき、日々の暮らし、アヤワスカ、歌、儀式、そして自然への畏敬の念。

この世界観を多角的に捉えるべく、スピンオフ企画として、同映画を別視点から脱/再構築する映像インスタレーションも発表される。こちらは7月16日より根津The 5th Floorにおいて開催されるが、その展覧会タイトルが『Wakan / Soul Is Film』。現地に滞在するなかで「魂」と「映像」がどちらもシュアール語で「Wakan」と言い表せられることを太田監督は知ったというが、「魂」​と向き合うことと「映像」を観ること、その両者を内包するかのような試みが展開される。

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また、10月の全国公開に先立ち、7月30日に神宮前BLOCK HOUSEにおいて試写上映会+太田監督によるトークも開催。こちらは限定20名となっているので、すぐ行動あるのみ、だ。

INFORMATION

『カナルタ 螺旋状の夢』

イギリス・日本|2020年|121分|DCP|ステレオ|シュアール語・スペイン語
監督・撮影・録音・編集:太田光海
サウンドデザイン:マーティン・サロモンセン
カラーグレーディング:アリーヌ・ビズ
出演:セバスティアン・ツァマライン、パストーラ・タンチーマ
制作協力:マンチェスター大学グラナダ映像人類学センター
※2021年10月2日(土)よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー
https://akimiota.net/Kanarta-1

『Wakan / Soul Is Film』

会期:2021年7月16日(金) – 7月31日(土)13:00 – 19:30
会場:The 5th Floor(東京都台東区池之端3-3-9 花園アレイ5F)
入場料:500円 ※事前予約制
出展作家:太田光海
共催:The 5th Floor、花園アレイ
お問い合わせ:https://www.the5thfloor.org/

『カナルタ 螺旋状の夢』試写上映会+トーク

日時:2021年7月30日(金)19:30〜(19:00開場)
会場:BLOCK HOUSE B1F(東京都渋谷区神宮前6-12-9)
定員:先着20名(作品初見の方を優先)
入場料:1,000円(クラウドファンディング支援者は無料)
試写申込先:kanarta.contact@gmail.com

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