curated by EYESCREAM
貝印によるグルーミングツールブランドAUGERの掲げる「Kiss our humanity - 心に触れて“整える”時間」を生活に浸透させ、“自分と向き合う”ことで生まれる、新たな創造と可能性。その創造性をもとに、刺激的な表現を生み出すシリーズ[AUGER ART ACTION]。カルチャーの最前線を切り開く、尖ったアーティスト10組による尖ったクリエイションを、AUGERとともに。
イラストレーター、アーティストとして活躍する上岡拓也。そのアーカイブを振り返るとKANDYTOWNやKOHHなどHIPHOPアーティストのアートワークも多数ある。今回、氏がキャンパスに描いたのは自身のルーツにあるタトゥーカルチャーを昇華させたモチーフだ。さながら生きている刃物然としたレオパードとスネークは、無機質な配色にも関わらず旺然たる仕上がりだ。そこに込められたアティチュードとは何か。
写真家・撮影監督として、King Gnuやmillennium paradeをはじめ数々のアーティストを手がける川上智之が写真を通して描き出したのは、形のないものが形になっていく過程の、その瞬間の美しさだ。刀鍛冶をそのルーツに持つ貝印から着想を得て、鉄を叩いた衝撃や溶けていく状態をモチーフとすることで貝印のヘリテージを表現。それをシルバーの紙にモノクロプリントするというアウトプットでAUGERの世界観へ落とし込むという多層的な作品となった。
コラージュアートを表現するʏᴀʙɪᴋᴜ ʜᴇɴʀɪǫᴜᴇ ʏᴜᴅɪ。異素材を組み合わせ立体的に表現するコラージュ作品がアートシーンの話題を集めている。ヤビクが表現した作品は、AUGERから感じ取った世界観をモチーフに起こし、観るもののアクション性まで含めて構築されている。ルーツにファッションカルチャーを持つ彼らしい本作、一体どのような要素を各パーツに込めているのだろうか。その内容についても解説してもらった。
クリエイティブユニットMargtが生み出したのは“ユニークな無限鏡”。ボタンを押すとスロットが周り、アタリ目に応じてさまざまなギミックが動作するという盛りに盛ったインパクト抜群の作品になっている。作品名も「such a small world」ということでMargtの遊び心が爆発していることが窺える。ただ鑑賞するだけではなく、アクションも盛り込んだ作品は[AUGER ART ACTION]においても初。一体なんでこんな作品に仕上がったのか?
匿名性の高い“存在”が画面に佇んでいる絵画で知られるアーティスト、オートモアイが描いたのは、AUGERのアイテムから想起させるもの。ヒゲを剃るシーン、ツメを切るところ、貝殻、石鹸、ヤギの目、白鳥、植物といった「それぞれ直接的に関係するものではないけど、絵とよく向き合ってよく考えると意味や印象の似通ったもの」がランダムに配置された絵画となっている。この作品をきっかけに、「霊性」について、時代性を帯びた「現代絵画」について、さまざまに訊いた。
1999年、長野県出身。描く対象を“知りたい”という根源的欲求で捉え、あらゆる側面から観察し自らの視点で油画を描く山中雪乃。早くアートシーンで話題を集める新鋭として各所で注目を浴びている彼女が[AUGER ART ACTION]で描いたのはモノクロのワントーンの人物(?)画。ミステリアスかつ幽玄な風合いが感じられるモチーフは女性のようでいて、どこか輪郭が不明瞭だ。人間でようであってそうではないもの。山中雪乃がそのようなモチーフを描くに至った思考について。
ピクセルアーティストとして活動する石田芙月。キタニタツヤやmillennium parade、Paleduskなど幅広い層のアーティストとも協業し、音楽シーンとのつながりも強い。アニメや漫画をドット絵でRPGゲーム調に描くのも特徴的だ。[AUGER ART ACTION]においては、あえてリアルにAUGERのアイテムを描き、RPGゲームのオープニングにあるキャラクターセレクトのシーンを彷彿させるような絵を完成させた。そんな石田芙月のルーツにあるものと、今後やっていきたいこととは何か。
1989年、神奈川県出身。2018年の独立以降、国内外問わずあらゆるアーティストへのアートワーク提供、ブランドやカンパニーとコラボレーションを展開。鋭く立体的なフォルムのカリグラフィーは世界中に多くのフォロワーを生むほどの大きな影響力を持つ。[AUGER ART ACTION]で制作したのは巨大な鏡。そのフレームはGUCCIMAZEらしくソリッドな線で描かれ、深みあるマットブラックで覆っている。曰く「ディズニーのヴィランが使っていそう」なダークでいてポップな仕上がりとなった。本作の背景には何があるのか。
1985年生まれ、新潟県出身。現在は横須賀に作った自宅兼アトリエを拠点に活動している。2013年に1st写真集「Tsugi no yoru e」を発表。以降、ドラムパフォーマンスと写真を融合させたセルフポートレート作品「Doors」などの作品を発表、展示を続けている。[AUGER ART ACTION]においては、山谷がライフワークとしてきたONSENプロジェクトの系譜にあたる写真を撮影した。気泡が浮かんでは消えていくさまを写し、人間の視覚と時間の流れを可視化させるような作品を作り上げた。そこに込められた思いについて。
MESは谷川果菜絵と新井健から成るアーティストデュオであり、2015年より活動を続けている。クラブシーンの現場におけるパフォーマンスや世界中で開催されているアートフェスへの参加など、その活動範囲が実に広い。レーザーや光、ロウソクなど消えゆくものを題材にしたインスタレーションが多いMESが表現したのは石鹸によるパフォーマンス。自分の顔を象ったフェイスソープで自身を洗顔するという内容だ。映像を作り、そこで使用した石鹸を棺桶を連想させるボックスに格納して展示する。ここに至った思考とは何か。